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『TBSドキュメンタリー映画祭2024』上映作品



ソーシャル・セレクション

人種や戦争、社会問題など 現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品

『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』

音楽家はなぜ、社会発信を強めていったのか。坂本龍一が遺したもの...
2023年3月、逝去した音楽家・坂本龍一。TBSは報道局は2000年代、様々な形で坂本龍一の活動に密着してきた。911テロ、イラク戦争、そして東日本大震災...。激動の時代に坂本龍一はどんなメッセージを遺していたのか。TBSに残る秘蔵映像を一挙公開。浮かび上がるのは坂本龍一の社会発信の歩みだ。世界中にきな臭い匂いが広がるなか、音楽家はなぜ社会への発信を強めたのか。“教授”が抱いていた「戦争と平和」への思いとは…。

監督:金富 隆
©TBS


『サステナ・フォレスト 〜森の国のびとたち〜』

“森の国”日本 放置された末に今、「守り人」たちは...
日本の国土の約7割は森林。まさに森の国だ。かつて森は、スーパーで、ガソリンスタンドで、ホームセンターだった。人々は街ではなく森に通い、色々なものを享受してきた。だが、その後、森は放置され、不健全になり、獣害や土砂崩れのリスクも高まっている。薪炭林だった広葉樹ではナラ枯れが広がる。針葉樹は手入れすら行われず、一斉に切っても植え替えはわずか3割。日本の森を見守る「守り人」たちは今...。

監督:川上敬二郎
©TBS

『BORDER 戦場記者 ✖ イスラム国』

世界を震撼させたイスラム国、その過激思想は“生きていた”
「お前の首を切り落としてやる」。シリア奥深くの砂漠にある難民キャンプで子供たちが記者に放った言葉は、ただの脅しではなく、血の滴るナイフを突き付けられているかのようにリアルだった。壊滅したはずの過激派組織イスラム国。しかし他者との共生を拒みながらも、世界に広がった極めて過激な思想に、いまだ共鳴する人たちがいる。いったい、なぜ。忘れられた地で、記者が「境界BORDER」を歩いた。

監督:須賀川拓
©TBS

『家さえあれば ~貧困と居住支援~』

たとえ何度裏切られても―― 居住支援を続ける理由とは?
大阪・西成で生活困窮者に向けた居住支援を続ける坂本慎治さん。連日、全国から相談者がやってくる。職を失った人。虐待を受けていた人。刑務所から出てきた人。全員「家を失った人」だ。大寒波が到来した2022年1月。坂本さんのもとにまた一本の電話がかかってきた。声の主は、二十歳の青年。寮を追われ、夜の街を彷徨っているという。坂本さんはすぐに車を走らせた。「大丈夫、家さえあれば何とかなる」。ナレーターは「ホームレス中学生」著者の田村裕さん(麒麟)。
※大阪・京都 限定 上映作品

監督:海老桂介
©MBS


『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』

絵を描くことすらも許されない時代がかつて日本にあった
太平洋戦争直前、北海道旭川市で起きた「生活図画事件」。美術部の学生ら20人以上が逮捕された容疑は治安維持法違反だった。彼らが描いた「生活図画」(身の回りの生活を見つめ、ありのままの姿を描く)は、なぜ取り締まられたのか。この事件の「最後の生き証人」となった菱谷良一さんは102歳を迎えた。亡き友の遺志を継ぎ、老体に鞭を打ちながら、いまも声を上げ続ける理由とは。
※北海道 限定 上映作品

監督:長沢祐
©HBC


『リリアンの揺りかご』

「歴史の女神」は見つめている いつも愚かで不寛容な私たちを
「私の子供も殺すのですか?」。障害者殺傷事件(2016年)の犯人に、障害児の父である記者は聞く。ヘイトデモや歴史改ざんの現場でも、共通するのは一方的な不寛容だ。「無声映画の最高傑作」と評される『イントレランス』(1916年)は、様々な時代の不寛容(イントレランス)を描き、それをリリアン・ギッシュが揺らす揺りかごのシーンがつないでいく。リリアンの揺りかごをモチーフに、現代日本の様々な不寛容を描く。
※福岡 限定 上映作品

監督:神戸金史
©RKB



ライフ・セレクション

家族の形や身体的な障害など、 多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品

『私の家族』

ママが2人いる...丁寧に話したい、もう後悔したくないから
久保田智子は、子どもを授かることができず、2019年に特別養子縁組で新生児を家族に迎えた。「ママとパパが大好き」。そう笑う2歳になった娘に、久保田は「もう一人、生みの母もいるんだよ」と話しかける。“真実告知”という、子どもに出自を伝える時期に入ったのだった。娘にちゃんと話したい。久保田はある後悔から、強くそう思っていた。家族の過去と向き合い、産んでも育てられなかった女性との交流を重ね、たどり着いた“真実”と伝え方とは...。

監督:久保田智子
©TBS


『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』

鑑賞後もあなたは、ハーレム教団と呼びますか?
1980年、東京・国分寺市から10人の女性が突如姿を消したと報道される。彼女達を連れ去ったとされる謎の集団「イエスの方舟」、その主催者・千石剛賢は、美しく若い女性を次々と入信させハーレム形成していると世間を騒然とさせた。2年2ヶ月の逃避行の末、千石が不起訴となり事件には一応の終止符が打たれる。しかし彼女たちの共同生活は、44年たった今も続いていた。「宗教法人ではない」と語るその正体とは如何に!?

監督:佐井大紀
©TBS


『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』

難病「魚鱗癬」を知っていますか?RKB報道部が伴走した軌跡
皮膚が魚の鱗のように硬くなり、剥がれ落ちていく難病「魚鱗癬(ぎょりんせん)」。皮膚をつくる遺伝子の異常によるもので、人にうつることはない。北九州市在住の梅本遼さんは、生まれて28年間、この病気と真正面から向き合い、受け入れて、周囲の偏見と闘ってきた。いつも前向きな遼さんは、辛いことや困難があっても一つ一つ乗り越えて、希望を叶えている。RKB毎日放送報道部が5歳の時から取材を続けてきた記録。
※福岡 限定 上映作品

監督:大村由紀子
©RKB


『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』

制御不能な“もう1人の僕“「ヘルプマークあっても変わらない」
ウーバーイーツの配達員の男性は小学生の頃からナゾの病に苦しみ続けていた。街を歩けば「変な人...」と後ろ指をさされ、飲食店に入れば「うるさい!」と叱責されたことも。わざとじゃないのに、突然、もう1人の自分が現れ勝手にしゃべりだす。その病は原因不明、確固たる治療法もなく患者の中には「悪魔の病」という人もいる。あなたも街ですれ違ったことがあるかも...「トゥレット症」と闘っている人と。
※名古屋 限定 上映作品

監督・撮影・ナレーション:柳瀬晴貴
©CBC



カルチャー・セレクション

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など、 感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品

『映画 情熱大陸 土井善晴』

ありがとう先生!ご飯作って食べるのがメッチャ楽しくなりました
「一汁一菜」、ご飯を中心に味噌汁と簡単なおかずで構成する和食のスタイル。土井は、日々の食事はこれで十分と提案し、料理を億劫に感じていた人の心を軽くする。味噌汁は出汁をとらなくてもいいし、具材に何を入れてもいい。作りやすいレシピの紹介で人気の“土井先生”だが、いま、レシピから離れる大切さを説く。料理する全ての人を応援したい...生き辛さを抱える時代に新たな暮らしの哲学を模索する料理研究家の情熱を見つめる。
※東京・大阪・京都 限定 上映作品

監督:沖 倫太朗
©MBS


『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承~』

日本を愛し、日本に愛されたバンドによる最後の別れー
「僕らは誠実であり続けなければならない、だからこれでお別れなんだ」。
アメリカのロックバンド・MR.BIG。全米NO.1ヒット曲を持ち、特に日本では絶大な人気を誇る。バンドも日本を愛し、2011年の東日本大震災の際には、外国人アーティストとして誰よりも早く被災地でライブを行った。しかし、ドラマーのパットさんが難病「パーキンソン病」で死去。バンドは『さよならツアー』のため、来日した。

監督:川西 全
©TBS


『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』

「カッコ悪くていい」 刑務所からの再起を賭けた男の物語
2023年6月、ある男が約4年の服役を終え出所。男の名は「紅桜」。HIPHOPシーンで一躍脚光を浴びたラッパーだ。しかし、突如表舞台から姿を消し「伝説のラッパー」とさえ呼ぶ者も。そんな彼は人知れず刑務所に...。出所の瞬間から再起を賭けた復活ライブまでの軌跡を追う。家賃6000円、家族は妻と4人の子どもたち。父として、ラッパーとして...不器用なまでに全てをさらけ出した男の生き様に迫る。

監督: 嵯峨祥平
©TBS


『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』

身体的特徴も個性もバラバラ。Mi-Mi-Biの身体を巡る旅
「なまじ、ここまで生きて来たんじゃない。私もそのチャンスを掴みたい」。
神戸市新長田。アーケード街の一角にある小劇場で新たなダンスカンパニーが生まれた。義足の人、見えない人、聞こえない人、車椅子の夫婦、ダンスが得意な人、7 人のメンバーで構成される“Mi-Mi-Bi(みみび、たことのないしさ)”。豊岡演劇祭で行われるデビュー公演のテーマは彼らの『身体を巡る旅』。身体的特徴も個性もバラバラ。Mi-Mi-Bi の旅にカメラが密着した。

監督:渡辺 匠、志子田 勇
©TBS


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