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雇用統計の結果が引き続き影響。円安継続で上昇スタート、午後から利益確定が進む(2023年2月7日 日経概況)

「世界一やさしく」投資を教える、ジョン・シュウギョウです。毎日、投資家目線で日本と米国の市場について、分析と考察をしています。

こちらに掲載してある情報は情報提供を目的としており、相場の方向性、個々の商品、個別銘柄等の見通し、売買の方向性など有価証券の売買等に関する助言や勧誘などを行うものではありません。投資に関する最終判断はユーザーご自身の判断で、最終損益もご自信の判断の結果として返ってくることをご認識ください。

今日のポイント

市場総括

2023年2月7日の東京株式市場は5営業日ぶりに小幅反落しました。終値は前営業日比8円18銭(0.03%)安の2万7685円47銭でした。

前日に引き続き円安の動きが市場を押し上げました。1ドル=132円台まで円安が進行すると、100円を超える上げ幅まで伸びましたが、次第に利益確定に押されました。下げ幅も限定的で、ピークを迎える決算結果を見極めたいとの心理が働きました。

本日も最後までしっかりお読みください。

米国市場の動向

米国市場は続落しました。ダウ工業株30種平均は続落して、前営業日比34ドル99セント(0.1%)安の3万3891ドル02セント、ナスダック総合株価指数は続落して、前営業日比119.505ポイント(1.0%)安の1万1887.450で取引を終えました。

Google Finance より引用
Google Finance より引用

雇用統計の結果が引き続き市場を圧迫しましたが、下げ幅は限定的でした。雇用統計が市場予想を3倍近く上回ったことが利上げ停止への期待を後退させ、市場は警戒の売りを続けました

長期金利が3.6%台まで上昇したことはハイテク株への売りを誘い、ナスダックの下げ幅の方が目立ちました。売りが一巡すると、急速に下げ渋り、小幅上昇に転じる場面もあるなど、市場は迷いが生じています。

日本市場の動向

日本市場は前日に続き、円安の動きが市場を押し上げました。買いが先行してスタート、1ドル=132円台まで円安が進行すると、100円を超える上げ幅まで伸びましたが、次第に利益確定に押されました。

直近の上昇で利益確定の売りが出やすい位置にあったことで次第に売りが優勢になりマイナスに転じましたが、下げ幅も限定的で、ピークを迎える決算結果を見極めたいとの心理が動きました

業種別の動きでは金融系が強く、銀行業が上昇率1位、その他金融業が2位、保険が4位にランクインしました。証券・商品先物取引業も7位に位置し、金融全般に資金が流れています

その他、化学、海運業などの景気敏感業種の一部が買われ、食料品、倉庫など内需の一角も買われました。下げがきついのは金利敏感業種で鉄鋼、不動産業、建設業などが下げを深め、鉱業、石油・石炭製品も下落しました。前日は原油関連業種が反発しましたが、1日だけで反転・下落となりました。

日本市場のテクニカル分析

日経の日足は高値圏で持ち合いながら上髭の方が長い陰線を形成しました。小幅ではあるが、高値と安値を切り下げ、形は下落で調整入りが目前です。ここから調整に入ると、一目均衡表の転換線が支えになって下げ止まるかが確認ポイントです。

Google Finance より引用

前日は各種オシレーター系指標、25日移動平均線乖離率などが買われ過ぎのサインを出しているので、売られやすい位置にあると解説して、急落に備えることを説明しましたが、急落にまでつながりませんでした

それでも油断は禁物です。トヨタの決算が9日にせまっているので、結果によってはむしろ跳ね上がる動きにもなりやすいでしょう。

東証プライムの売買代金は概算で2兆6424億円、売買高は11億2651万株。東証プライムの値下がり銘柄数は827、値上がりは901、変わらずは108でした。

日本市場の総合分析: 今後の投資戦略

雇用統計の発表をきっかけに、長期金利の動きが転換しました。 1月15日と2月2日に3. 3%台に下落しましたが、急激に切り返し3.6%台まで戻してきました。

当然のことながら金融業が物色され、上昇率トップ5の中に3業種が入るほどの活況ぶりです。ただし、上昇率1位の銀行業は多くの銘柄が昨年末からの急激な上昇で割高の領域に入っており、中途半端な上昇はむしろ下げやすい位置まで戻してしまう役割になる可能性があるので注意が必要です。

特に富山第一銀行<7184>コンコルディア・フィナンシャルグループ<7186>など、地方銀行系列は下げやすい形になっているのが共通点なので、買いを保持するか新規に買いを入れた方は反転下落に注意してください。

本日の決算で注目の材料はソフトバンクG<9984>。本日7日発表した2022年10〜12月期連結決算で、最終損益が7834億円の赤字、最終赤字は2四半期ぶりです。ビジョン・ファンド部門の損益が6600億円の赤字で苦戦が続いていることが響きました。

利上げの影響でハイテク関連業種に一斉に下げたことがAI関連の新興企業を主力ポートフォリオにするビジョン・ファンドに打撃を与えました。孫社長が欠席、決算説明会を行った後藤芳光CFOが「AI革命への確信は変わらないが、現段階では守りを固める」と発言するなど、ソフトバンクの戦略が揺らいでいる様子が伺え、日本市場全体への影響も懸念されるところです。

昨年11月の水準まで戻した株価は明日から市場でどんな反応を見せるのか、大きな下げがくる場合は、筆者の場合はむしろバーゲンのチャンスだと捉えています。1月に入ってから株価回復の動きが鮮明になったナスダックの動きは、次の四半期ではソフトバンクの上振れとして現れる可能性を高めます。今回の事象だけに集中せずに、より広い視野でみる必要があるのではないでしょうか。

各市場の動き

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