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先週の好調ぶりから一転。神経質な動き予想。日銀総裁人事や業績動向による(2023年2月13日-2月17日 週間展望および投資戦略)

「世界一やさしく」投資を教える、ジョン・シュウギョウです。毎日、投資家目線で日本と米国の市場について、分析と考察をしています。

こちらに掲載してある情報は情報提供を目的としており、相場の方向性、個々の商品、個別銘柄等の見通し、売買の方向性など有価証券の売買等に関する助言や勧誘などを行うものではありません。投資に関する最終判断はユーザーご自身の判断で、最終損益もご自信の判断の結果として返ってくることをご認識ください。

今週のポイント

日本市場の総合分析: 今後の投資戦略

今週もお疲れさまでした。相場の現状を考察して来週の相場について展望します。

Google Finance より引用

週末の米国市場は反発と続落でまちまちな動き

米国市場は反発と続落してまちまちな動きとなりました。
ダウ工業株30種平均は反発して、前営業日比169ドル39セント(0.5%)高の3万3869ドル27セント、ナスダック総合株価指数は3営業日続落して、前営業日比71.459ポイント(0.6%)安の1万1718.120で取引を終えました。

Google Finance より引用
Google Finance より引用

先週末に発表された強い米雇用統計や、ミシガン大学の消費者調査で1年後の予想インフレ率が前月から上昇したなどが、利上げ停止への期待を後退させ、ダウは売りが先行しました。

売りの勢いは続かず、堅調な経済指標は景気の強さを示すことでもあることから、投資家心理は改善、ディフェンシブ業種を中心に買いが入りました。一方、長期金利が3.7%台まで上昇したことを材料にナスダック銘柄には売りが広がりました

日経平均先物は上昇、ADRも買い優勢

シカゴ市場における10日の日経平均先物は続伸。3月物は前日比45円高の2万7585円で取引を終えました。東京株式市場が上昇して、先物に買いが波及しましたが、勢いは強さに欠け、横ばいと考えた方が良いでしょう

大阪取引所の夜間取引は60円安い2万7590円で終えたので、終値ではほぼ一致、方向は上昇と下落でやはり方向感なしを確認させてくれる材料です。

日本株ADRは決算結果が好感されたホンダが大幅に上昇して+2.40(円換算では4%)、メガバンク系にも買いが入った他、野村HD、コマツも上昇。一方、Zホールディングスは3%を超える下落で取引を終えました。

波乱の為替市場

今週の動きで注目するところは、政府が出した日銀総裁の人事。元日銀審議委員の植田和男氏を日銀新総裁に起用する人事を固めたと伝わり、市場には驚きの声が広がりました

YCC(イールドカーブ・コントロール)が修正される可能性があるとの見方が広がり、長期金利の利回りが上昇、為替市場では一時1ドル=129円台後半まで円が上昇する円高にふれました

131円台から2円近い円高でしたが、植田氏が記者団に「現状では金融緩和の継続が重要だ」と発言したと伝わると元の131円台に戻るなど、激しい動きで市場の混乱ぶりが伝わりました。

まとめると波乱含みの一週間か

ここまでのことをまとめると、来週の日本市場は波乱含みの展開となることが予想されます。米国株が方向感なし、為替市場の波乱ぶりなどを考慮すると、市場にはさまざまな予測と期待を持つ関係者の思惑が入り混じり、混沌とした市場になるのではないでしょうか

まず、先週の好調ぶりに対する反動が待っています。今週の好調な動きは雨宮氏が総裁に就任するだろうという予測を早めに織り込んだ結果といえます。その予想が外れ、いずれは金融政策の修正に動くだろうと思われる植田氏が浮上してきたで期待による上昇分が剥奪されてもおかしくないでしょう。

次、米国発の波乱要因も待ち構えています。雇用統計の強さがまだ市場で影を落としている中、14日は1月のCPI(消費者物価指数)、15日は1月小売売上高、16日の2月フィラデルフィア連銀景気指数、1月生産者物価指数まで、一個一個が市場に波乱を起こせる指標が相次ぎます

これを織り込む過程で、米国市場も一喜一憂、日本市場は国内要因に外部環境要因まで加わり、神経質な動きになることが予想されます。特に日米の金利動向、為替市場の動きまで絡むとどこに飛ぶかわからないラグビーボール状態といえるでしょう。

波乱含みにはディフェンシブが効く

では、この波乱が沈むまでじっと我慢して何もしないで凌ぐべきか?それなら取引するチャンスは年に数日しかないはず。市場は常に波乱含みです。波乱のない日を探す方が難しいでしょう。ただその波乱がどれくらいの大きさなのかだけの問題です。

波乱が目立つ時はやはり「業績しっかり」な「ディフェンシブ」が効きます。金曜日の米国市場でディフェンシブが買われてダウ指数を救ったのもそのような側面をもっています

日本のディフェンシブ業種で注目してみるところは水産・農林業。同業種は下げが続いてきたので、中・長期的なトレンドの転換が期待できます。転換する適切なタイミングさえとらえればよいでしょう。その他、建設、食料品は上昇継続に入る流れなので、注目してみる価値があります。

一方、主力の半導体関連が含まれる精密機器、機械、電気機器などはフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)の上昇が一服していることから、調整入りに警戒するのがよいでしょう

商品市場では原油の上振れリスク、金の下落に注意

商品市場で注目するのは原油と金。
ロシアが原油生産を日量50万バレル減らす方針を示したと伝わり、中国の経済再開期待と相まってに需給が逼迫するとの見方から原油は急反発しました。ショートポジションを保持するトレーダーには上振れリスクを意識して備えるべきでしょう。

米国の長期金利が3.7%台に入ったことで金先物は下落。特に金相場はドルインデックスが底打ちの様子になり、ドルの強さが目立ってくることから、ゴールドのトレーダーは下振れリスクに備えるのが良さそうです。

その他、商品市場で目立つのは穀物市況。特に小麦はロシアとウクライナの戦況激化を受けて大幅に上昇しました。1月下旬まで底値圏にいただけに上昇余地は大きく、ショートポジションの管理には気をつけましょう。

各市場の動き

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