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自分のことは褒めたほうがいい理由

ども、ずーです。
今回も介護現場実習での気づきについて、忘れたくないことがあったのでここに残します。

現場実習2日目。
朝現場に行くと前日にはいなかった利用者様がいらっしゃいました。
全員に朝の挨拶をして廻った時、その方とお話できました。

Kさん。女性です。
髪が黒く(染めてる?)ふさふさ。ふくよかな張りのある肌。優しい雰囲気。
私が挨拶をして、ネームプレートを見せると手書きのふり仮名の文字を褒めてくださいました。
「ありがとうございます。」とお礼を言いました。

で、ここからKさんは話を続けます。

「私はね。何もできないの。なにをやってもダメなの。いつも叱られてるの。わたし、ダメね。ほんとにここにいていいのかしら?みんなから叱られて。辛いの。どうしたら、ちゃんとできるのかしら?」

このようなことを延々と語っていました。

私は「そんなことがあったんですね。でも、私はKさんに逢えてうれしいと思っていますよ。」と言ってみたんですが、ずっと自分を責めています。

そのうち、過去を思い出して、怒りのスイッチがはいったKさん。
暴れたりはしなかったのですが、顔を真っ赤にして怒り出し、ワナワナと体を震わせていました。

哀しい。

そう思いました。

Kさん、菩薩様のような優しい雰囲気の方なんです。
そんなKさんがずっと自分を責めてる。

もう誰もKさんを責めるようなことは少ないと思います。
身なりも綺麗にされていて、食事もちゃんとしたものを十分頂いてるのでしょう。肌がきれいです。
ショートステイの高齢者施設に入所されていますが、ご家族に大切にされていると思います。

認知症のせいで過去のことをずっと思い出してる状態です。
もしかしたら、家族の前では気持ちよく笑ってるのかもしれないけど。

多分、幼少のころから厳しくしつけられてきて、嫁いでも亭主関白な旦那様やお姑さんにも厳しく言われてきたのかもしれません。
そして、それを全部自分のせいにしてずっと頑張ってきたのかも。

あくまでもこれは私の想像でしかないんですが、ほんとに哀しくなりました。
人生のエンディングを歩み始めたばかりで穏やかに心地良く過ごしてほしいのに、ずっと自分を責めている。

ほんの数時間のふれあいでしたが、深く考えさせられた出来事でした。

人は完璧じゃないです。
得意なこと苦手なことあります。
そして、日本人は苦手なことばかりに気になってそれを無くそうとします。
無くそうと頑張ります。成果が出ないと自分を責めてもっと頑張ります。
周りからも責められてる気になります。

できないことを強く言われたり、馬鹿にされたりすることもあると思いますが、たった一回の注意でも本人の受け取り方によっては強く本人の気持ちに残ります。

そして、もっとちゃんとしなきゃ、迷惑かけないようにしなきゃ、いろんなことを人並みにできるようにならなきゃ、と自分を追い込んでしまう。

精神が病みます。

そんなことにならないようにまずは自分を褒めてください。
頑張ってる自分ではなく、そこにいてただ生活してる自分を褒めてください。

生活してるだけでまわりまわって誰かの役に立ってます。

ダメな自分も受け入れて、認めて優しくしてあげてください。
「そんなこともあるよね。完璧な人間なんていないし、失敗だってするよ。
でも、大丈夫。明日はいいことあるよ。」って。
落ち込んでる親友を励ますみたいに寄り添ってあげてください。

人は自分のことに精いっぱいで他人のことは見ていません。
そればかりか、頑張っていても、ちゃんとしていても悪く言われることがあります。
だから、自分は他人の良さを感じてその良さを伝えてあげられるように、まずは自分の良いところを褒めてあげてください。

人生の最後の時、自分を責めながら終わりたくないじゃないですか。
笑って、「なかなか良い人生だったね。来世はもっと楽しくなるね。」って逝きたいじゃないですか。

だから、今の自分をありのまま褒めてあげてください。
最期の時までずっと褒め続けてあげてください。

この想いはずっと忘れません。



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