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(Re:) 「組織のDNA」に課せられた主たる役割は、遺伝ではない。

これは、アンサーnoteです。果たして何に答えているのかは不明ですが、元のnoteはコチラです。

組織のDNA。この言葉を聞くと、毎回頭に浮かぶことがある。

そう、あの南場さん率いる「DeNA」だ。

組織のDNAがあるならば、そりゃぁ、DeNAのDNAもあるだろう、という話である。

DeNAのDNA。
おそらく、10-15年前くらいに、20億回くらい言われていたであろうこのフレーズを、2023年にもなって発することになるとは思わなかったわけですが、せっかくなので、少し考えてみたい。

もともと、社名の由来がDNAで、eコマースのDNA的な意味合いで DNA + e = DeNA というお話だから、DeNAのDNAは、設立当初から存在していたと考えるのが妥当だ。

ただ、みんな大好きWikipediaによると

「eコマースの新しい遺伝子を世の中に広めていく"DNA"でありたい」という意味が込められている

とのことなので、これは「DeNA自身が、DNAとなる」と言っていることになる。
そうなると、DeNAのDNAはDeNA自身であり、また、DeNAが広めたい遺伝的形質はeコマースのことであるわけだから、DeNA = DNA = eコマースとなる。
故に、「DeNAのDNA」は、「鯛の鯛」みたいなことばで、そして、それが指し示すものはeコマースということになる。

そんなeコマースの申し子、いや、eコマースという概念そのものが受肉して現世に具現化し地に降り立った存在であるDeNAが、爆発的に業績を伸ばした事業が「ガラケーポチポチ課金ゲーム」であったのは、なかなか学びが深い。

マザーズ上場を果たした際には、ビッダーズとモバオクという、電子商取引(eコマース)の事業だったわけで、何も間違ってない。DeNAのDNAは、eコマースです。

また、ポチポチゲームも、無形のコンテンツ、そこには実体のないコンテンツ、電子的にはいくらでも複製可能なコンテンツを有償で提供し、なおかつそこに「ギャンブル」要素を組み込んでいくという素晴らしく収益性の高い「電子商取引」の一形態と捉えることもできる。いや、できるどころか、一点の曇りもなくeコマースである。

そんなDeNAの快進撃は続く。
なんと、プロ野球の球団まで手中に収めた。

eコマース。うん。チケットとか、グッズとか、ね。
あと、ほら、配信とかさ。うん。
間違いない。

そしてそれに伴い、

「うぉーうぉーうぉー うぉーうぉうぉー ヨーコハマベイスターズ」

という歌詞が

「うぉーうぉーうぉー うぉーうぉうぉー ディーエヌエーベイスターズ」

に変わったのには、なかなか驚いた。
それまで「横浜ベイスターズ」という球団名だったわけなので、横浜→DeNAの全置換を行えば、そりゃそうなるわな、と思う訳ですが、とはいえ、なかなかの衝撃。

横浜市民の怒りは、どれほどのものか、、、と思ったが、(はたから見ている印象としては)意外とすんなり受け入れているように見受けられる。

そうすると、横浜のDNAの話に、思いを馳せざるを得なくなる。

よく言われる話だが、「3代続いた江戸っ子」という表現を使う東京の対比として、「3代前に近江から越してきはったから、京都の人やおまへん」という京都の狂った時間感覚が話題になる。
「先の大戦」が応仁の乱を指す、というアレだ。
そんなに歴史歴史言うなら、日本のギリシャである奈良にもっと敬意を払うべきだろうと思うのだが、その気配がないところも、なかなかである。お前らは、日本のローマだろ。帝国主義か。覇道だぞ、覇道。公家の対極の概念やろ。
だいたい否定語を使わずに否定するってなんやねん。「また ご一緒できたらよろしおすな」って、絶対ご一緒する気ないやろ。「お子さんの好きな味どすなぁ」って大人の口には合わないって言えやぼけぇ!
、、、失礼しました。別に、若い頃に京都の女の子にこっぴどく振られたとかそういう過去があるわけでもないはずなんですが、つい興奮してしまいました。

京都のDNAの話ではなく、横浜のDNAの話である。

先ほどの「3代続いた江戸っ子」横浜バージョンをご存知だろうか。
そう。「3日住めばハマっ子」である。

横浜市の公式サイトにも掲載されている由緒ある表現である。

「江戸っ子は3代住んで江戸っ子、ハマっ子は3日住めばハマっ子」と言われるように、横浜は、新しいものを積極的に受け容れる開放的な気風の中で、 日本全国・世界各国から新たに移り住んだ人も含めた地域コミュニティが形成され、地域のなかで課題解決を図りながら、 まちづくりが進められてきた歴史的経緯があります。

横浜市 公式ホームページ

すごい。DNAの書き換え速度が速い。

だから、自分たちの魂とも言える「ヨーコハマベイスターズ♪」を「ディーエヌエーベイスターズ♪」にに、すんなり置き換えられるのだ。

懐が深い。

こうなると横浜のDNAは、DeNAのDNAと融合したと考えるのが妥当だ。
ただ、対等合併ではない。横浜には歴史があり、多くの企業や人がいる。一球団を買ったくらいで対等にはなれない。なれるはずがない。
そう。横浜は、DeNAのDNAを組み込んだのだ。

一方のDeNAは、横浜に、自分のDNAを受け渡すことに成功した。横浜のDNAに、自分の遺伝子情報を組み込むことができた。
そして、それは、DeNAのDNAには、影響を与えない。親のDNAが、子供のDNA(あるいは、配偶者のDNA)によって書き換えられることがないのと同じである。

ここで、ハタと気づくのが「横浜の進化速度」である。
公式自ら「新しいものを積極的に受け容れる開放的な気風」というだけのことはある。
子孫を残すということではなく、自分自身が存続しながら、自分自身のDNA情報を書き換えていると捉えられる。
いや、捉えられないかもしれないけど、文字数の関係で、そう捉えておくことにする。するぞ。

そして、DeNAの話題も振り返って欲しい。
あの組織もまた、柔軟に自己のDNAを書き換えていたのではないか。
そんな気がしてきたでしょう?僕も、そんな気がしてきたぞ。うん。

そんなわけで、組織(というか、人間の集合体)のDNAは、「柔軟であれば、自由に書き換え可能」という結論が得られた。
だから、みんな、自社が柔軟であるという確固たる自信があれば「組織のDNA」という言葉を使っても良いですよ!おめでとう。
ただ、組織のDNAが薄まる、とか言っちゃう人は、そもそも柔軟性を否定してる傾向にあるという落とし穴はあるから、要注意なのだけれども。いやはや。

あ、そういえば、サッカーチームも二つ足し合わせてたな。
横浜の柔軟性、マヂ、パない。


と、ここで僕は筆を置くわけですが、不用意にも横浜の話(と京都の話)をしてしまったので、どちらの地にも所縁のあるあの人からの「再アンサーnote」を誘発しそうな気がしています。お待ちしてます。

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