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テレワークゆり物語 (93)北見市とテレワーク

「市役所に面白い人がいるので、由利さんと引き合わせたい!」

働く女性が集うオホーツクキャリアデザインネットワークの仲間で、北見市の役所で働く女性のひとことが、北見市のとテレワークがつながる始まりだった。

その人は、商工企画課でIT企業の誘致を担当する松本武さん。田澤を紹介したいという申し出にこんな反応があったと、その女性が教えてくれた。

このときは、IT企業誘致とテレワークは結び付いていなかった

数日後、彼女からメッセージが届いた。アポがとれたのだ。

特に明確な目的があるわけではない土曜日のアポ成立

2015年3月28日、特に目的があるわけではないけど、松本さんと、あーくんこと西野さんと会うことになった。

待ち合わせ場所は、西野さんが商店街の一角にオープンしたばかりのコワーキングスペース「TAYUMANU」だ。

コワーキングスペースTAYUMANU

そして、この会合で、奇跡が起こった。西野さんのTAYUMANUと、松本さんのIT企業誘致と、田澤のテレワークが、つながったのだ!

つないだのは、総務省が平成27年度から進めようとしていた「ふるさとテレワーク推進事業」。

あの頃は、テレワークというと都会の大企業の「在宅勤務」。地方とは関係ないと思われていた。しかし「ふるさとテレワーク推進事業」は違う。都市部の企業と地域をテレワークでつなぎ、新しい地方創生に挑戦する事業だ。

2015年から始まった「ふるさとテレワーク」

この事業に挑戦したい。三人の思いがひとつになった。
松本さんが部署で上司に話をしてくれることになった。

ここでも奇跡が起こった。松本さんの部署の部長が、以前、別件でお世話になり、私の思いをよくご存じの方だったのだ。

「田澤さん。ようやく、田澤さんがやりたかったことが出来そうですね」

北見に来て18年。「田澤さんの会社は何をしているのですか?」何度も何度も聞かれた。「つまり東京の仕事をしているのですね」とも言われたこともあった。
自分が推進してきた「テレワーク」が、ようやく北見の役にたてるかもしれない!

ここから、北見市は猛スピードで準備をしてくれた。そして、総務省「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」に申請。ヒアリングを経て、みごと採択されたのだ。

事業では、松本さんが誘致をしていた複数のIT企業も参加。「TAYUMANU」を含む、4つのパターンのサテライトオフィスでのテレワーク実証。北見市の「ふるさとテレワーク推進事業」は、無事終了した。

そして翌年、「サテライトオフィス北見」ができ、西野さんが運営。地元のフリーランスや、進出IT企業の社員、北見への出張者、さらに東京で働く北見出身者が帰省時に利用するなど、少しずつ人が集まってきた。

あの日から、7年。いろいろな人の協力のもと、北見市のテレワーク事業は、「地方創生テレワーク」の好事例として、全国でも注目されるまでになった。

松本さんは、内閣府地方創生本部のセミナーにまで登壇!

そして、北見市のテレワーク事業は止まらない。
2022年3月。「サテライトオフィス北見」は、「KITAMI BASE」として、生まれ変わった。

「KITAMI BASE」の運営会社は、松本さんが誘致し、「ふるさとテレワーク」事業にも参加し、北見市と連携協定を結んだ(株)アイエンター

開所式での入江社長の北見への熱いメッセージ。リモートだけど、松本さんも、あーくんも、田澤も、うるうる状態だった。

KITAMI BASE の開所式に、アイエンター 入江社長!

思えば長い道のりだったけど、みんながいたから、ここまで来た。
でも、やっと場所と人の「BASE(基礎)」ができたところ。
奇しくもコロナ禍で、テレワークができる企業が増えた。私にとって、何より大切な「北見のテレワーク」は、まさに、これからだ。

#冒頭の写真は、もちろん、KITAMIBASEの看板!


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