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テレワークゆり物語 (86)オホーツクの流氷と温暖化

海の上を歩けるなんて、普通は思わない。
でも、オホーツクの冬は、それを体験することができる。

流氷は、凍った場にある氷河と違って「流れ着く氷」。英語では、「Drift Ice」だ。ロシアはサハリン北東の海や川が凍り、潮の流れや風に乗って、オホーツクの海岸まで流れ着く。その距離、なんと700キロ。

毎年、全国ニュースで「流氷接岸」の映像が流れていたので、北見に来る前から「流氷」の存在は知っていた。ただし、そこで映される氷はハスの葉のごとく薄かった。

ハスの葉のような初期の流氷

「始まった事」しかニュースバリューが無いのか、その後の流氷の本当の姿は、ほとんど本州には届かない。

流氷がオホーツク海、全面を埋め尽くすとか
風向きによって、1日で無くなることもあるとか
氷の厚さは、40~50cmにもなるとか
流氷の色が、うすい緑に見えたり、燃えたり(*)することがあるとか

ガッツリ流氷。うすい緑色に見えることも

海を厚い流氷が覆う時期の、流氷砕氷船「ガリンコ号(紋別)」や、「おーろら号(網走)」が、氷を割って進む迫力は、感動ものだ。

網走の流氷砕氷船「おーろら号」

が、それ以上に、私のおすすめは、知床ウトロ等で体験できる「流氷ウォーク」。比較的新しい体験ツアーで、その名の通り、流氷の上を歩くことができる。(通常は危険なので禁止されているが、インストラクターと一緒に、ドライスーツを着るので、安全かつ意外と寒くない)

海の上です。流氷の上です。

でも実は、流氷ウォークの醍醐味は、「歩く」ことだけではない。「泳ぐ」「浮かぶ」「浸かる」「登る」「這いずる」。大自然の中で、子どものように遊びまくってしまう自分がいる。

子ども頃に戻ってしまうから不思議

オホーツクでしか味わえない、最高の感動体験だ。

しかし、地球の温暖化で、日本のオホーツク海沿岸までたどり着く流氷の量、大きさはあきらかに少なく、小さくなっている。

私が北見市に来た25年前は、マイナス30度になる日があったのに、最近は、マイナス25度ぐらいまでしか下がらない。岸から見れる流氷の厚さも、当時よりもかなり薄い。

いずれこのすごい景色が見れなくなる、また、体験できなくなると思うと悲しくなる。みなさん、ぜひ、旅行ができるようになれば、冬のオホーツクに来て、この貴重な体験をしていただきたい。温暖化や自然保護について学ぶ等、SDGsの研修も含めた、ワーケーションにも最適である。

※冒頭の写真は、北見に来た頃の三人娘と、サロマ湖近くの海岸の流氷。この頃の流氷は、ガッツリ系。ちなみに立っているのは、海の上ではなく、砂浜の雪の上です。

※この投稿を書くにあたり、以前が疑問に思っていた「燃える流氷」について調べてみた。こちらもお読みください

はし

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