「内部留保に課税しろ」論は大きく矛盾しています
こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。
ツイッターのトレンドに「内部留保」が上がっていたのでちょっと覗いてみたのですが、案の定
内部留保に課税しろ!
というコメントの多いこと多いこと…。
もちろん内部留保課税なんて論外です。
話になりません。
しかしこの手の話は「内部留保の定義」があやふやで議論するだけ無駄なので、今日は
「内部留保に課税しろ」論は大きく矛盾している
という点を書いておきます。
彼らの主張の内容は「全く賃金が上がらないのに、企業の内部留保だけが増え続けている」という企業批判です。
そして
「内部留保に課税すれば、政府に税金で取られるくらいなら従業員の給料を増やそうと企業が考えるから賃上げに繋がる」
や
「内部留保に課税して、その金を中小企業に回し、賃上げに使わせろ」
と言っているわけです。
でもその主張は矛盾しています。
なぜなら彼らの主張通りなら
企業の内部留保に課税する
↓
課税によって「政府に取られるくらいなら」と賃上げしようと考える
↓
しかし賃上げすると企業と従業員が折半で支払っている社会保険料の会社負担分が増える
↓
企業は「やっぱり政府に取られる」となるから賃上げはしない
になるはずだからです。
これは法人税の増税議論も同じです。
でもなぜか賃上げ時の「政府に取られる」は誰も問題視しません。
現実の話として、社会保険料はどんどん上がっています。
そのために企業は仮に給料を据え置きにしていても、社会保険料の企業負担分は増えていくことになります。
そして当然、皆さんも負担しているので、保険料が増えただけ手取りは減っていきます。
これは今の日本社会は企業が賃上げしないのではなく、政府がその分を社会保険料として取り上げているに過ぎないことを意味します。
逆に言えば社会保険料も税金も少なくなれば、当たり前ですがその分給料は上がります。
もうひとつ具体的な例を挙げましょう。
昭和や平成初期の社会では、社会保険料が月々の給料のみから徴収されていて、ボーナスからは引かれていませんでした。
だから企業は、月々の給与を低めに設定しその分をボーナスで支払うということをしていました。
そうして企業と従業員双方の社会保険料の支払いを抑えつつ従業員へ利益を還元していたのです。
しかし平成15年に、日本政府はボーナスからも徴収する「総報酬制」を導入しました。
こんなことをすれば企業が賃上げしようとするインセンティブは奪われるのは当然です。
企業が賃上げしないのではなく、政府がさせないようにしている
これが実情です。
そもそも「課税で賃上げさせよう」「増税で経済を回そう」なんて考えが間違いです。
「窃盗や強盗を合法化すれば、『盗まれるくらいなら』とみんなお金を使うだろう」というような暴論です。
これまでいくつも紹介してきたように、税金で出来ることは「社会を歪めることだけ」です。
企業や経営者に課税しても、従業員の給料は増えません。
企業の利益が出し、大きく成長していくから給料も増えるのです。
企業やお金持ちを貧しくしても、庶民はお金持ちにはなれないのです。
政府が正しく再分配できるなら社会主義は成功しています。
しかし現実はそうではありません。
私達が恐れなければいけないのは企業ではありません。
大きな政府です。
税と社会保障の国民負担率を減らすこと。
これが賃上げへの道なのです。
ということで、今日の記事はここまで!
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