『LIFE HOUSE』vol.7は、6月2日の21時から。ゲストは台湾からSKIP SKIP BEN BENこと林以樂さんと、寺尾ブッダさん

ロゴ写真Ver.

6/2(火曜日)の21時から、七尾旅人youtubeチャンネルにて、『LIFE HOUSE』vol.7を配信します。

今回のゲストは、台湾の素晴らしいミュージシャン、SKIP SKIP BEN BENこと林以樂(リン・イーラー)さんと、
東京と台北でライブベニュー「月見ル君想フ」を運営する寺尾ブッダさん。

林以樂アー写

budhan写真

バンド雀斑frecklesや、ソロプロジェクトSKIP SKIP BEN BENでの活動で知られる才気あふれる音楽家、林以樂(リン・イーラー)。
日本でもバンバンという愛称で親しまれています。

僕とは、2016年、大友良英、dj sniff(水田拓郎)ユエン・チーワイ氏らのオーガナイズによって開催されたアジアン・ミーティング・フェスティバルの出演者として出会い、翌2017年、このイベント関連アイテムとして制作されたコンピレーションアルバム「Asian Meeting Recordings #1 」で、彼女と1曲、共作しました。

即興セッションであれば、時と場所を選ばず誰とでもやって来ましたが、
ほとんど初対面に近い者同士で、ひとつの歌を作り録音物として残すということには、内心やや抵抗感がありました。

しかし、台湾の彼女とskypeの画面越しにやりとりするうち、その素晴らしい人間性と音楽性に触れ、自分でもどうかな?と思うような、内心で抱えていた台湾にまつわる私的な記憶に基づいた詞が出てきました。
楽曲、メロディ部分に関してはスタジオで2人顔を合わせ即興録音して、なんとも不思議な楽曲「同様珍貴」が出来上がりました。

バンバンに訳してもらって名付けたこの中国語タイトルは「どんな存在も尊い」という意味です。
ほとんど初対面で言葉の疎通も万全でなかった僕たちは、このキーワードに基づいて、かろうじて繋がり、ひとつ互いに大切な歌を残すことが出来ました。

「同様珍貴」…実際の歌詞内容は、意図的なディスコミュニケーションを孕ませながら、かなりよじれたレイヤー構造を伴ったものでしたが、
単純に曲タイトルだけを抜き出すと、これはさまざまな社会で一応の理念とされている、聞こえの良い絵空事にも思えます。

コロナ禍の現実の中で「どんな存在も尊い」は、どの程度、実行されたでしょうか。

的確に速やかに国民をケアしながら感染を抑え込んだ台湾のコロナ対応は、世界のお手本とも語られました。
そこには弱者を置き去りにせず社会全体を包括的に捉えて政策を打ち出すバランス感覚と、リーダーシップがあったと思います。
過酷な歴史を歩んできた台湾ですが、もしも現在、国民と統治権力との間に一定の信頼関係が成立しているのだとすれば、それは幸いなことです。
日本政府の判断の遅さ、根強い批判を浴びない限り、弱者を切り捨てる方向性しか打ち出そうとしない視界の狭さとは、好対照にも見えました。

こうしたコロナ禍における台湾の日常生活や、音楽シーンの現状を伺えればと思います。

2メートルのソーシャルディスタンス堅持によって、「キャパ1000人規模の会場の場合わずか50人のみ収容」と試算される、到底まともには運用不可能なライブハウス再開ガイドラインが示され、まだまだ先行きの不透明な日本よりも、音楽の再開が近い場所に、彼らは立っているのではないかと思いますが、
今回、台湾と日本のミュージックシーンを繋ぐキーパーソンである寺尾ブッダさんもご登場くださいますので、
ライブベニュー再開、音楽再起動に向けたヒントも得られるのではないでしょうか。

対話の後は、バンバンが素敵な演奏を聴かせてくれます。
僕もなにか歌おうかなと。
どうかお楽しみに。


〈イベント概要〉
対コロナ支援・コラボ配信シリーズ『LIFE HOUSE』(ライフ・ハウス)は街角の小さなベニューをイメージした、手作りのオンラインイベントです。投げ銭ライブですが、経済的に苦しい方であっても、無料で誰でも観られます。収益は全てゲストにお渡しするか、相談の上、追い詰められた他の誰かや、お店等への支援に回します。(投げ銭については寄付、施しではなく、出演して下さるゲストさんへの対価と捉えてください。あくまでも小さなライブハウスのイメージで。映像アーカイヴも残しますので、後からでも、いつでも投げ銭可能です)


〈アーカイブ〉

日本と台湾のコロナ対応の差、台湾のライブシーンの復活状況、
またジョージ・フロイドさんの悲劇的な死をきっかけにしてアメリカで今起きていることについての意見交換など、
benbenちゃんと一緒に作った曲の「同様珍貴(だれもが尊い)」というキーワードを通奏低音としつつ、お二人と実りある対話ができました。

benbenの今夜が初公開となる新曲「他の顔」素晴らしかった。
歌詞の内容が知りたい。
「圏内の歌」カバーの、意外な解釈にも驚きました。

僕はフロイドさんに捧げたいと思い、新曲「Three Leaves♣」を歌いました。

誰もが他者を、そして自己を、健全に受け入れながら生きていければよいのだが、ただそれだけのことが、なんて困難なのだろう。
僕自身もきちんと出来たことはない。
2千年前の本を読んでも、人間は今と大差がない。
情けなく、ずるく、よこしまで、のうてんきで、つねに何かに執着し、愛しはするが、個々の想像力の限界を抱え込んでいる。
なんて不完全な存在だろう。
それでも社会構造自体は、少しずつ、少しずつ、変わってきた。
変化を希求し、行動する人々が、変えてきた。

同様珍貴。
もっと明瞭にその言葉を言えるように生きていきたい。

謝々。

※これまでのアーカイブ一覧はこちら。
https://note.com/tavito/n/n31ef10620508


〈投げ銭方法〉
◉スマホアプリ「pring(プリン)」もしくは、PayPalの投げ銭サービス「PayPal.Me」を使用します。詳しい説明は、こちら初回放送の記事の下段に。(映像も観られます)

https://note.com/tavito/n/nabe0a5713000

◉「Pring(プリン)」で投げ銭される方はこちら
第7回のイベントページです。
https://team.pring.app/teams/1630/posts/11106

◉PayPal.Meで投げ銭される場合は(Add a note)に「第7回ゲスト、バンバンさん、寺尾さんへ」と必ず記入ください。どのゲストさんへの謝礼か不明になってしまうため。こちらのURLから投げ銭をお願いいたします。

https://www.paypal.me/tamatamastudio
※PayPal.Meでの投げ銭は1回につき(規定の手数料+40円)が投げ銭から引かれますので、少額での投げ銭は 「pring(プリン)」がおすすめですが、PayPal.Meでちょっと上乗せして投げ銭してくださってるお客さんも居ます。感謝。ゲストさんにしっかり届けます。


〈プロフィール〉


★林以樂/リン・イーラー(雀斑 / SKIP SKIP BEN BEN)

台湾台北出身。インディーポップバンド「雀斑」シュゲイザーバンド「BOYZ&GIRL」で作曲とボーカルを担当,そして2012年新たな個人プロジェクトとしてSKIP SKIP BEN BENを立ち上げ、2013年にはMy Bloody Valentineの台北公演のオープニング・アクトを務める。 2016年には音楽家大友良英率いるAsian Meeting Festivalに参加をし、七尾旅人とのレコーディングセッションにも参加。さらにBIG ROMANTIC RECORDS主催による青葉市子との台湾韓国日本ツアーを行い各地で絶賛を受ける。

2017年バンド「雀斑」で10年ぶりとなるアルバム「不完全な恋人/不標準情人」をリリースし現在の台湾でのシティポップブームの先駆けともなった。バンドの活動と平行して、ソロ活動の名義を本名である「林以樂(リン・イーラー)」とし彼女の音楽活動の集大成とも言うべき新たなキャリアをスタート。大名曲シングル「L.O.T.」、シャムキャッツ菅原を招いたダンスチューン「VACATION」と話題作を次々リリース。そして最新作として大瀧詠一の名曲「夢で逢えたら」の中国語カバーによる7インチをリリース。

https://twitter.com/skipskipbenben


★寺尾ブッタ

ライブハウス「月見ル君想フ」を東京台北で運営しながら、アジア各地でイベントをプロデュースしている。レーベル部門 BIG ROMANTIC RECORDS と、ライブプロモーター部門 BIG ROMANTIC ENTERTAINMENT を精力的に展開中。

https://twitter.com/budhan

noteでの記事は、単なる仕事の範疇を超えた出来事について、非力なりに精一杯書いています。サポートは、問題を深め、新たな創作につなげるため使用させて頂きます。深謝。