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一人一人が街乗りのプロ ~欧州自転車旅1日目(コペンハーゲン編)~

欧州自転車旅10日間の旅行記の1日目です。全日程は以下のnoteにまとめています。この日は空港からホテルに移動、輪行袋を目的地のパリに送り、コペンハーゲン市内を走って一泊という一日です。初日ということもあり発見が多く、長くなります。



鉄道で空港から市内のホテルへ

コペンハーゲン空港駅からは鉄道で移動します。コペンハーゲン中央駅で乗り換え、ホテルの最寄りのDybbølsbro駅に向かいました。
駅の案内や切符など、思いの外英語が少なく、デンマーク語ばかりで困りました。コペンハーゲン駅からの乗り換えでは、ホームの電車に乗ればいいかさっぱり分かりませんでしたが、大学生くらいの若者に尋ねると、わざわざスマホアプリで調べて何番ホームに行けばいいのか教えてくれました。デンマークの人、親切です。(パリの一部の人以外はフランス、ドイツ、オランダの方もみんな親切でした。)

車両に自転車のマークが書いてあります。
これがあの輪行せずに自転車を載せられると噂のデンマークの電車か、と感動です。
自転車可の車両の様子①
自転車可の車両の様子②
途中から乗ってきた自転車の方。周りの人が自然と場所を空けていました。
コペンハーゲン中央駅です。駅の中にも自転車がチラホラ。
Dybbølsbro駅。改札はなく、自転車をそのまま持ち込めます。

駅の階段を上がるとたくさんのサイクリストが

Dybbølsbro駅の階段を上がると、大きな自転車道をたくさんのサイクリストが走っている光景を目にしました。ちょっと雨降ってましたけど、おかまいなしです。これを見るために16時間かけて東京からきたんだと、めちゃめちゃテンション上がりました。

駅前の光景①
駅前の光景②
駅前の光景③

GoProで撮影した動画です。感動のあまり独り言を言って部分は音声をカットしました。

苦労しながらも、輪行袋のパリへの発送に成功

初日はコペンハーゲンアイランドホテルさんに宿泊しました。現地に着いてから分かったのですが「デンマークの自転車道」の例としてよく使われるCykelslangenという有名な橋↓のすぐ近くでした。ラッキー。

自転車専用橋のCykelslangen(写真はネットから拝借してます)

ホテルは一泊朝食付き2万6千円。デンマークの物価を考えると、これでもお得だと思います。チェックイン時に、プラス4千円で部屋をアップグレードしてくれたらいますぐチェックインできるよ、と持ちかけられ、アップグレードしました。ホテルについたのは午前10時なので、これはありがたいです。早速部屋に自転車と荷物を持ち込んで組み立てます。

1泊朝食付き3万の部屋。
こんなに広い部屋じゃなくていいんですけど、午前10時にチェックインはありがたい。
自転車を組み立て様子
ズボン、携帯リュック、ペダル用六角レンチ、フロントエンド金具、携帯キーボード(帰りの飛行機でnoteを書き始めるためにもっていきましたが結局ほとんど使いませんでした)は輪行袋と一緒にパリに送ります

片道の海外自転車旅の初日のタスクとして、
①自転車の空気入れ、
②輪行袋の目的地への発送
フィリピン旅の記事で紹介しました。今回も初日はまずはこの2つの達成を目指します。といっても、①についてはさすが自転車都市コペンハーゲン、ホテルの受付で空気入れがあるかときくと「Of course!」と即答で貸してもらえました。
②の輪行袋発送のために、近くのショッピングモールFoetexにある郵便局を目指しました。苦労したので、誰かの参考になればと思い詳しめに書きます。
事前のリサーチでは、パリで宿泊予定のホテルに輪行袋を発送する手段として郵便サービスとDHLやFedexなどの純民営サービスの両方を検討しました。しかし民間サービスは費用が10万以上とか(私の見積もり方法が間違ってなければ・・・)になってしまい現実的でありませんでした。
デンマークを含めた北欧ではPostNord、フランスではLa posteという郵便サービスがあり、こういった郵便サービスは万国郵便連合(UPU)というのに加盟しているので、国際的な郵便も可能ということをChatGPTが教えてくれたので、それを信じて郵便サービスのPostNordに賭けました。
ショッピングモール内にPostNordの郵便局があると思っていたのですが、自分で見つけられず、モールの案内所に助けを求めました。親切に教えてもらった場所に行くと、実際には郵便局ではなく、スーパーの付帯サービス的な位置づけであることが分かりました。スタッフに輪行袋と荷物を見せて、「これをパリに送りたいんだけど!」というと、「うちはセルフサービスなのよ。そのサイズの箱は無いから、自分で調達してね。」とのことです。
またモールの案内所に助けを求めます。「このモールってDHLもあるよね。そこで箱だけ買いたいんだけど、場所教えて。」ときくと「箱だけ買うのは無理だと思う…でもSILVANっていう店で箱を買えると思うよ!」と教えてくれました。言われた通り、モール内のホームセンターSILVANに行ってダンボールとガムテープをゲットし、店の前で梱包しました。

ホームセンターのSILVAN
店の前でダンボールに荷物を詰めます。

ダンボールに荷物を詰めてドヤ顔でPostNordのスタッフに話しかけると、今度は「うちはアプリで先に決済してもらう必要があるから~」と言われます。PostNordのアプリは事前に入れておいたのですが、決済までアプリでやる必要があるとは知りませんでした。アプリで住所入力や決済を済ませるとQRコードが表示されるので、それをPostNordのスタッフに見せると、ダンボールに添付する伝票を印刷してくれました。これを貼って、投函してようやくミッション達成です。2~3時間はかかったんじゃないかな。荷物の追跡もアプリから可能です。
事前リサーチでは、追加料金のオプションを払ってようやく期日に間に合うはずだと調べていたのですが、そもそも追加料金のオプションなんてなかったと、投函後に気づきました。到着までの日数を改めて調べると、コペンハーゲンからパリへの発送では、4-7営業日だったり、3-4営業日と出てくるページがあったりとはっきりしませんでした。不安にはなりましたが、送っちまったもんはしょうがないということで、旅を楽しむためにもなんとかなると思い込むことにしました。最悪、電車用輪行袋に詰めてJALに泣きつくかと。結果は4営業日で無事配達してくれました。箱と段ボールで1500円、郵送は8300円でした。

左のPakkerに投函。表記がデンマーク語で何もわからないので何から何までききました。

機内食と駅で買ったサンドイッチ以降何も食べてなかったのでマクドナルトでランチ(15時前)。1500円です。

マックのランチ。リッチチーズバーガー(ダブルチーズのこと?)×2のミールというセットメニューです。

モール内のスーパーで食事を購入してホテルに戻りました。。レジでは店員さんが座ってて、カゴから商品を取り出すのもセルフサービスです。決済はクレジットカードのタッチ決済。合理的なシステムです。間に仕切りを挟むのが分かってませんでしたが、後ろの方が親切に教えてくれました。

モール内のスーパーのレジ

まずはシェアサイクルで念願の欧州ライド

タスクをこなして、本日はコペンハーゲン市内を走り回るだけです。せっかくなのでまずは本場のシェアサイクルを試してみることにしました。DonkeyRepublicという、たぶんコペンハーゲンで一番人気のシェアサイクルを利用し、特に目的地も決めずにホテルの近所を2時間弱走りました。

シェアサイクルでの走行ルート(Stravaへのリンク貼ってます)
DonkeyRepublicのアプリ画面。1時間未満でも75クローネ(≒1500円)。高い・・・
シェア自転車の1台1台に名前がついています。私が乗ってるのはAmina。
ハンドルに無理やりGoProをくくりつけて撮影したので動画は傾いてます。
サイクリスト用の足置きです。何もここまでしてくれなくてもすら思います。
キックボードのシェアもあります。写真のはLimeとBolt
信号待ちの様子①
信号待ちの様子②

自分のロードに乗り換えて市内サイクリング

シェアサイクルはハンドルへのGoProの取り付けが不安定だったため、結局自分のロードに乗り換えて走りました。ガッカリスポットとして有名な人魚像を一応見て、その後は海岸沿いが気持ちいいかなと思って北に向かって走りました。ある程度走って帰りは電車です。7時間の時差もあり、日本時間での朝3時とかまで走ってたので眠かったです。

自分のロードバイクでの走行履歴(Stravaリンクあり)。長い直線は鉄道移動です。
コペンハーゲン中央駅前
郊外まで走りましたが、広い自転車レーンは変わらずです。一番左が歩道、その右の列は車道ではなく自転車道です。
帰りは電車に自転車を載せてホテルに戻りました。輪行不要なので楽ちんです。
一度やってみたかった。

コペンハーゲンの自転車インフラと文化について気づいたこと

コペンハーゲンの自転車環境がいかなるものか、YouTubeなどでかなり映像を見てはいましたが、実際に自分の目で見て、実際に走ってみて分かることはやはり多いなと思いました。
動画を見ていただくと感じられると思うのですが、コペンハーゲンを自転車で走ってみた感想をまとめます。

インフラ

  • 自転車道が広くて多い
    コペンハーゲンの自転車道は世界一走りやすいときいたことがありましたが、本当にそう感じました。とにかく広くて、追い抜きも並走も十分可能です。
    どこにでも自転車道があり、そこを走ってる限りは車と交錯することがまずないので、車の存在をほとんど意識しませんでした。
    有名な歩行者天国のストロイエの中にまで、一部は自転車で走れる道が確保されており、自転車が優遇されていることを感じました。(市内ロードサイクリングの1つ目の動画の12:40秒あたりです。)

  • 信号待ちが少ない
    どういう理由かわからないのですが、信号待ちがとても少なく感じました。これはオランダでも感じたことです。自転車専用の信号があるのが関係しているのでしょう。グリーン・ウェーブのことはすっかり忘れてしまっていて意識できていなかったのですが、その効果があったのかもしれません。

  • 電車に自転車をそのまま載せられる
    これは本当に便利です。全ての鉄道に載せられるかはわからないのですが、今回自分が使ったデンマーク国鉄のDSBではどこでも簡単に載せられました。日常使いの自転車を載せてる人も多く、当たり前に利用されているようでした。

  • 駐輪場
    必ずしも問題とは言えませんが、駅前の駐輪場はどこも駐輪された自転車で溢れかえっていました。サイクリストの数を考えても、あまりにも多い気がして、持ち主不在の自転車も多いのではと思いました。この点についてはオランダのほうが整備された駐輪場が多かったと思います。コペンハーゲンでは管理人のいる駐輪場を一回も見なかったかもしれません。

とある駅前の駐輪場
コペンハーゲン駅前の放置自転車
コペンハーゲンのどっかの放置自転車

自転車文化

  • サイクリスト同士のコミュニケーション
    車の存在を意識しなくていい代わりに、サイクリスト同士のコミュニケーションが重要になります。子供からお年寄りまで、左折、右折、停止のハンドサインを上手に使っていました。自分はサインをせずに停止してしまい、後ろの女性サイクリストを驚かせて苦笑されてしまいました(決して怒ってる感じではなかったです)。翌日出会ったデンマーク人にきいたところ、幼稚園で習うとのことです。まさに一人一人が街乗りのプロであると感じました。老若男女、所作の一つ一つがカッコよかったです。
    オランダやドイツでのはインドサインは曲がるときに低く出すくらいでしたが、コペンハーゲンの人はより高い位置でハッキリしたサインとしており、特に止まるときに上に手を上げるのは独特でした。これがなぜかめちゃくちゃカッコいい。北欧式とかいって流行らせられないかな・・・
    ベルも日本ではほとんど役に立ちませんが、追い抜きや交差点でのコミュニケーションに活用されていました。

http://cycleguide.dk/2010/05/hand-signals/
からデンマークのハンドサインを引用
  • 平均速度が速い
    日本では10-15キロ前後で走ってる人が多いのではないかと思いますが、コペンハーゲンでは、平均で20-25、30近く出ている人も多かったと思います。動画を見ていただくと分かるのですが、けっこう抜かされてます。それもE-Bikeでもない、普通のママチャリ、それも普通の女性にも。

  • 長距離サイクリストやガチサイクリストは少ない?
    これは翌日も走っての感想ですが、たくさん荷物を積んで長距離走っている人というのはほとんど見ませんでした。サイクルジャージを着た人も、おそらくオランダよりも少なかったです。ガチサイクリストについては日本のほうがずっと多いと思います。

翌日に続く


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