ドイツでお騒がせアジア人になる ~欧州自転車旅4日目(ハールブルク→オルデンブルク)~
欧州自転車旅10日間の旅行記の4日目です。雨の中160キロ、今回の旅で最も厳しい1日となりました。
出発 :10時26分
到着 :22時30分(くらい)
走行距離:157km
全日程のダイジェストはこちら。
タイムラプス動画です。雨の中ではGoProを充電しながら走ることができず、途中でバッテリー切れのため中断です。この日の厳しさは伝わる動画になってると思います。
朝から大雨
起きて外を見ると、大雨降ってました。今日はきつい日になるなと覚悟を決めて朝食会場に向かいます。昨日に続いて自分以外の宿泊客に全く会わなかったのですが、朝食ビュッフェはよかったです。ホテルのオーナーと思しき方も親切でした。やはりパンとチーズがおいしいです。
前日パンクして予備チューブを使っていたため、まずは自転車屋で補充しました。
1日中雨、二回のパンク
タイムラプスの通り、ほぼ1日中雨の中走りました。トラックに水たまりの水をひっかけられたときは左半身ずぶ濡れ。後続車両の人から「Are you OK?」と心配されました。メッチャきついけど、「I'm OK.」と答えて走るしかない。
しかも雨の中の歩道走行、めちゃめちゃきつかったです。この日だけで2回パンクしました。一度目のパンクは自分で修理。パンクに気づいてから自転車屋までは走れたのですが、2時間の昼休憩中でした。
唯一の救いはWarmShowersのホストが応援のメッセージをくれて、到着できれば飯が待ってるということでした。
自分でチューブ交換をしたものの、予備チューブの補充と空気をしっかり入れるため、しばらく走ってから自転車屋を見かけて入りました。すごい屈強なドイツ人が対応してくれました。雨のせいでまたパンクしやすいと思ったので予備チューブをここで2本買ったのですが、サドルバックにくくりつけた1本は途中で落としました。
しばらくして2回目のパンク(前日分も含めれば3回目)。幸い自転車屋の近くだったので、自転車で直してもらいました。ビショ濡れでしたが、嫌な顔せず対応してくれました。
記憶に残った街、ブレーメン
スマホの充電端子が雨に濡れて充電できず、このままでは目的地までバッテリーが持たないことは確実でした。さらに雨の中で充電しながら使ってしまったせいか、GoProが起動しなくなってしまいました。そこで目的地のオルデンブルクまで50kmの都市ブレーメンにて、予備スマホに入れるsimカードとGoProを購入することにしました。
予備スマホでネットが使えれば、メインスマホのバッテリーが切れても大丈夫、こういうときのためにスマホは2台持って行ってます。はじめは端子が濡れてても充電できるワイヤレス充電器を買おうとしたのですが、充電しながら走るのは難しそうだったため、予備スマホにsimを入れて使うことにしました。メインスマホで使っているsimを差し替える手もあるのですが、面倒だし、2台にsim入れてれば後々融通がきくだろうという判断です。
GoProも思いの外日本で買うのと値段が変わらなかったし、今回持っていったGoProは借り物のため、壊れてしまったらどうせ弁償として買わないといけないと思ったので思い切って買っちゃいました(実際には故障しておらず、単なるバッテリー切れでした)。
予定より到着が遅れてしまいそうでホストに申し訳ない気持ちになり、トラムの線路にタイヤを挟んですっ転び、橋で写真撮影しようとしたときに風で自転車を倒し、ボトルケージが壊れていることに気づき、ライトが眩しすぎると怒られ…精神的にかなり辛かったのがブレーメンです。simを買った店やGoProを買った店、すっ転んだときに気にかけてくれた人たちなど、人は親切で救われました。こんな状況で外国人だからと雑に扱われたり、騙そうとされたりでもしたら心折れますね。そんなこんなで思い出深い街になったのがブレーメンです。
買ったばかりのGoPro10でのブレーメンの撮影です。雨の中の石畳の歩道走行はキツさを思い出します。車道走らせてくれ…
3回目のパンクに怯えながらのナイトライド
ブレーメンを出発してから目的地のオルデンブルクまではナイトライドです。状況をホストに伝えつつ、時間を意識して急ぎめで走りました。正直に言います、3回目のパンクが怖かったので歩道がある場所でも車道走りました。そして1度、車から窓開けて小さい声で怒られました。Foolish?みたいなこと言われてしまったと思います。こちらが悪いです。それでもパンクを避けるためにはこれしかなかった…
水辺が美しい街オルデンブルク
ようやく目的地のオルデンブルクに到着。ドイツの中ではサイクリストが多い街だったと思います。きれいな街水辺が記憶に残っています。余裕があればじっくり観光したかった。
このあたりで2台目のスマホもバッテリーが怪しくなってきましたが、やはり充電端子が濡れて充電できません。なんとか持ってくれるだろうと思っていましたが。。。端子が濡れる前のもっと早いタイミングで充電しておくべきでした。なんとかなるだろうという楽観的観測、充電ケーブルをつなぐ手間を面倒くさがってしまったことがこのあとのトラブルの原因です。
到着連絡をしてからのバッテリー切れ
オルデンブルクからホストの家までは5キロ弱、だったはずなのですが、運悪く道路で工事をしており、迂回が必要になりました。で、この迂回で砂利道をGoogleMapに案内され思いの外時間を食ってバッテリーを消耗。
なんとかGoogleMapに登録しておいたホストの場所に到着。合流するためにWarmShowersのサイトにアクセスし、到着を伝えるメッセージを送りました。そしてここでまさかのバッテリー切れ。嘘みたいな話…
メインスマホ、サブスマホの充電を試みるも、やはり充電端子が濡れており充電できません。しばらく待てばいずれ乾くとは思いますが、到着したと連絡したばかりなのにホストと連絡を取れず、焦りました。
どうにもならんということで、ほとんど無意識に、たまたま通りかかったサイクリストに「Excuse me!」と声をかけました。
Oriという地元の男性でした。事情を説明して、助けを求めたところ「俺はどうすりゃいいんだ?」と話を聞いてくれました。一発目で助けてくれる人に出会えたのは運がいいです。
スマホを貸してもらえればWarmShowersのサイトにログインして連絡を取れるときづいたのですが、スマホはたまたま家に置いてしまっていたようです。一瞬二人でどうしよう…となりましたが「ここから10分くらいだから、とりあえずうちこい。それから解決策を考えよう!」と言ってもらい、二人で自転車でOriの自宅に移動。
家にあげてもらうと、彼の友達(男性1名、女性1名)がテレビを見てました。「こいつ大丈夫か?」的なことを思われていたかもしれませんが、とりあえず水飲むか?と優しく気にかけてくれました。
タブレットを借りてWarmShowersにログインすると、ホストから状況確認の連絡が何通もきてました。到着連絡をしてから45分くらい音信不通だったわけです。指定された電話番号に電話し、下手な英語で状況説明を試みましたが、代わりにOriがドイツ語で状況を説明してくれました。ありがてえ…
完全にお騒がせアジア人になってるわ…と恥ずかしくなりました。
電話でOriがホストの住所をきいてくれ、車で連れて行ってくれました。部屋にはもののけ姫のポスターが貼ってあったのできいてみると、友人からの紹介でジブリのファンになったとのことです。
遅くなって本当にごめんなさい、10時半ごろようやく到着
結局ホストの家に到着できたのは、夜10時半ごろになってしまいました。遅くなってしまい本当に申し訳ないです。遅くなってしまったにも関わらず、嫌な顔一つせずに迎えてくれました。シャワーを浴びるか、夕食にするかをきかれ、まずはシャワーを浴びさせてもらいました。
そして夕食。自分の到着まで夕食を待っていてくれたようで、一緒に食べてくれました。優しい…
ドイツらしいジャガイモとチーズの料理を頂きました。
お父さんは地理関係の編集者、お母さんは日本で言う特別支援学校の先生とのことでした。子供が3人で、末子の19歳の女の子が自転車旅好きで、WarmShowersを利用してヨーロッパ中を旅している最中でした。自分がメッセージをやりとりしていたのはこの女の子で、両親との間をつないでもらっていました。新しい物好き、冒険好きで自転車旅に興味を持ったそうなので、ぜひ日本にもきてくれとアピールしてみましたが、環境保護の観点からできるだけ飛行機は避けていて難しいかも、とのことでした。環境先進国ドイツを感じました。
WarmShowersでゲストを迎えたのは自分が二人目とのことでしたが、過去にはウクライナから逃れてきたかたをしばらく受け入れていたこともあったとのことです。その他、翌日以降のルートへのアドバイス、日本とヨーロッパの自転車文化など、自分にも聞き取りやすいゆっくりした英語で話をしてくれました。感謝!
旅先でのトラブルこそがいい思い出になると思ってきましたが、今回のように人に迷惑をかけてしまうのは、いい思い出ででは済まされないと反省しました。雨対策の不足、予備スマホのバッテリー切れの可能性の軽視など、今回のトラブルは偶然ではなく怠慢によるものだったと思います。次回以降のたびに向けての反省点はいずれ別でまとめたいと思います。
翌日に続く
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