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野生酵母と協会酵母など酵母の違いについて。(姫路城さくらこうぼと協会酵母)

清酒製造において、協会酵母や培養酵母と呼ばれ、多く使われております。
また、自然界にいる酵母を野生酵母と言います。お酒造りには酵母が必要です。

酵母というものは一体何なのか?

清酒酵母は、学名saccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビシエ)といいます。 このサッカロマイセスセレビシエを日本語訳にすると 「甘いものが好きな菌」 この甘いものが好きな菌 と言う意味です。

清酒酵母

私たち蔵元が使う、協会7号や9号など、香りの高い1801などは清酒酵母としてはとても優秀で、香りの高さ、味わいの深さ、発酵の強さなどバランスが良く、失敗が少ない酵母と言えます。スポーツ選手で言うとレジェンドと呼ばれる人たちです。エラーが少なく結果を残す。清酒業界が培ってきた英知の集合体と言っても過言ではないです。

一方、野生酵母とは、自然界に漂っている酵母です。
一長一短があり、必ずしも良い酵母とは言えません。スポーツで言うと高校生のようなものです。ガッツはあるが、技術的にはまだまだと言ったところです。その欠点とも言えるところむしろ長所であり、意外性と言う個性を爆発させる酵母です。

野生酵母はどのような場所に多くいるのか


先にも書いたのですが、清酒酵母は、甘いものが好きな菌と言う意味があり、甘いところに酵母は寄り付きます。自然界で言えば、ブドウや花です。
花には蜜があります。 甘い蜜の部分に酵母が集まるんじゃないのという考え方が、花酵母と言う新しいジャンルの酵母になっていきます。

さくらこうぼ発見にいたるまで


酵母のお話を会合で話していたところ、代表的な桜である、ソメイヨシノの花から酵母は採取できますか?という質問を受けました。ソメイヨシノと言う桜は、酵母はほとんどいないと言われます なぜなら ソメイヨシノというものは、花の咲く時期が短く、実がならない。実がならないという事は、蜜が少ない。 蜜が少ないという事と花の咲く時期が短いという事は、酵母が発見される可能性は低くなる。と答えると、姫路獨協大学薬学部の先生が、「もし 桜の花から酵母が見つかったらお酒造りをしていただけますか。」と、私たちは「もちろん、見つかったらやりますよ。協力させていただきます。」なんて話をしていたんです。そうすると姫路獨協大学の先生、本気です。学生さんと一緒に、姫路城の桜の花からポリ袋、五つ六つ分、桜の花びらを採取しまして、そこから酵母を採取しました。 そうすると、お酒に向く酵母が2種類おりました。 その2種類の中から、アルコール耐性の強い酵母を選んでお酒造りをしてみました。
それが、姫路城さくらこうぼのお酒です。

姫路城さくらこうぼのお酒

姫路城さくらこうぼは、面白い特徴を持つ酵母でした。従来の酵母に比べアルコール発酵は弱いのですが、酸が特徴的で、本当に桜餅を思わす香りを出します。そして味わいは、ほんのりと甘みが残ります。
桜咲くこの時期にピッタリのお酒です。
産学連携事業として、2013年から酵母採取から始まり、2015年に酒造りに取り組みました。
2020年には、ひょうご№1ものづくり大賞選考委員会特別賞を受賞しました。
そして、コロナ禍の試験醸造を経て、2023年春スパークリングにも挑戦。
スタンダードな姫路城さくらこうぼのお酒に加え、姫路城さくらスパークリングがラインナップに加わりました。
野生酵母の個性的な味わいをお楽しみいただけてら幸いです。

姫路城さくらこうぼのお酒
純米酒 姫路城さくらこうぼのお酒 720ml - 本田商店 龍力 - オンラインショップ (shop-pro.jp)

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