見出し画像

堕落した休みを過ごした。あと缶ビール。


休みである。が何もせずに客観的に見れば堕落した生活を送ってしまった。日々の仕事で疲れたのだから、偶にはこういう休みもいいだろう。という言い訳を心の奥で作ったけどすぐに壊した。

休みの日はつい夜更かしをしてしまう。実は休みの日こそきちんと寝るべきなのだ。私は急いで寝る方法を探し出す。手始めにヒーリングミュージックを聴いたりした。海の音とか周波数がどうだとか謳っている音楽を片っ端から聴いていった。案外寝れた。これは私の体が単純であることの裏付けなのでは?とも思って恥ずかしくなった。しかし段々と効果が薄くなっていき、寝させようとする周波数に対して、なんとか寝まいと体が抗うようになってしまった。これは私が負けず嫌いであることの裏付けであるので誇らしくなった。

眠れない人間が行き着く先、それは酒である。私は酒が弱いので、缶を1つ買うだけで酔えるという点でコスパがいい。初めてスーパーで6缶パックを買った。なんだか子供の時の冒険心が甦ったような、そんな興奮がスーパーの会計時にあった。さあ、帰って飲もう。心のボルテージは最高潮だ。

少し戻り、今は何もしなかった休みの日の夜。スーパーで買った缶ビールを冷蔵庫から取り出す。格段に冷えているビールは寒気と緊張が混ざった震えを私に与えた。

プシュッ。

快音である。店などで提供されるジョッキに注がれたビールとの違いはここにある。この音に全てが詰まっている。いつも仕事終わりに飲むときには、この音と共にその日を振り返る。その思い出と一緒にビールを一気に喉に流し込むのだ。飲み会の場合は乾杯という行為がこれと置換できる。今日も快音と同時に思いを巡らせるのだが、なんということだ。巡る以前に今日の思い出がない。という思い出が巡ってきた。こんなに辛いことはない。

今日のビールはいつもよりも辛口だった。


この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,537件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?