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リモートワーク時代の住空間の運用③(運用の実践編2)

>リモートワーク時代の住空間の運用②(運用の実践編1)

運動不足にならないように

三大敵の二番目が運動不足です。スイッチの入れ方の中でもふれましたが、わざわざ外出て走ったり自転車乗ったりとか、そんな元気ないよ!って思うかもしれませんが、通勤の移動がないと実際運動量は本当に減ります。僕の場合外打合せの移動も自転車だったりするので、下手すると日常の歩行に差し支えるレベルまで落ちたことあります。運動も習慣化して生活のリズムに組み込まないと結構しんどいです。ランとか自転車を日々の習慣にするにはStravaとかにアップして、友達どうし、切磋琢磨しあうみたいなのも大事です。

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(*ルーティーンの一部としてのランと移動ログを兼ねたStrava)

いい椅子はいらない

運動不足と並行して独立以降、僕がずっと悩まされているのが肩こりです。腰痛という方もいるかもしれません。ずっと同じ姿勢であまり動かずに仕事みたいなのは必然的に姿勢に影響してきて、特にノートPCだと少し低いところを見ながらの姿勢になるので、これが続くと肩に来ます。こういう時、純粋な仕事環境においてはオフィスチェアの重要性が語られますが、この際だからいい椅子買おうみたいなのは、職住近接空間の運用としてはおススメしません。

これは三大敵のつ目の話ともつながるのですが、どちらかというと必要なのは、座って仕事したり、立って仕事したり、ソファで仕事したりみたいに居場所を変えられる労働環境です。とくに子どもが小さいうちでは、子どもをお腹に張り付けて立ったままて小刻みに揺れながら仕事をしないと泣き止んでくれない、みたいな状況も増えると思うので、立って仕事できる場所があると重宝します。いい椅子買ってそこから動かないみたいな仕事のスタイルは職住密接空間には向かないのです。

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(*寝室に机をつくったらめちゃくちゃ塗り絵が捗った会長)

マッサージ、整体もう不要

独立して以来、凝ってない肩のことを思い出せないくらい(笑)ずっと肩こりが酷く、一番酷いときは片頭痛に悩まされたこともあします。なので、もう毎週のようにマッサージとか整体とかカイロとかいろいろ行きました。最終的に今どうなったかというとストレッチに出会い、マッサージ通いは終わりました。問題は同じ姿勢で筋肉がこわばった状態から来ているので、それを指圧したり骨ごと動かしたりという大げさなことでなく、こわばった筋肉を伸ばすべきというのは理にかなっています。とにかく頻繁に仕事の気分転換や寝る前、ストレッチする習慣をつけました。今はTwitterやYoutubeとかでいろいろやり方を教えてくれる人がいるので、筋肉を伸ばしたり筋膜をリリースしたりするとそれだけで無駄な経費が抑えられます(笑)。(そもそも今はマッサージもいけないですしね)

同じ空間で疲弊しないように

三大敵の三つ目。ずっと同じ空間にいてオンオフはっきりしないと、正直どんな素敵なおうちに住んでいても疲弊すると思います。本当に散歩まで禁止みたいな事態になったらと思うと、欧米のある程度居住面積の取れている国ならまだいいです。基本この馬鹿みたいに家賃の高くて狭い中で暮らしている東京で同じことが起こると思うと正直怖い(笑)

最近こういう状況になって、リモートワークに備えて、住宅の中にがっつりオフィススペース整えました!みたいな方を時々みかけますが、仕事場の固定は正直おススメしません。空間の実現の話は次回に回したいと思いますが、職住密接空間の運用として、僕がずっとやってきた中では、とにかく模様替えをよくすることです。

習慣と空間の連関

毎月のように家族(今はほぼ夫婦ですが)で話して、働いてくれているスタッフやアルバイトとの距離感とか子供の遊び方みたいなものも観察した上で、どうも習慣としてうまく行っていない、この場所をほとんど使えていなくて勿体ない、みたいな話が出た場合には、すぐに模様替えを実行します。運用の実践でもあり、同じ空間に疲弊しないための気分転換でもあるワケです。

たとえば、通勤時間を読書に当てていた人が、家で本を読む場所が仕事場になってしまった後に、気づくと本を読む時間が取れてないみたいなことは、結構起こり得る話です。そうした習慣が失われてしまう時には、仕事する時間と読書する時間をまた分けるというのは結構大変で、まず別の空間を設えてあげてそこを読書スペースにして、改めて時間をつくるみたいに運用した方がうまくいきます。

そんな模様替えなんて建築の人じゃないとできないよと思われるかもしれませんが、ちょっと気の利いたロッキングチェアを一脚買って、スタンドを置く。みたいなことでも解決する話です。ノートPCやタブレットが基本みたいな働き方であれば、気の利いた高さに少し奥行のある天板があると、あっという間に仕事場になります。設計事務所では多いですが、弊社のデスクは天板と脚が分かれるタイプにしているので、何かあるたびに模様替えをして、環境を変えます。

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(*雑誌の重さでかろうじて支えられた簡易な読書スペース)

それでもなるべく外に出てオフ

空間に疲弊しないもうひとつの方法は、それでもやっぱり外部をうまく活用することだと思います。外部という場合、そのまま庭やバルコニーみたいなこともあれば、ウィルス拡大感染に係る3密(密閉、密集、密接)を避けた居住空間の外側ということもありえます。こういう環境になる以前は、土日は必ず子どもを連れて外出していました。もともとアウトドア派ということもあるかもしれませんが、ライフワークバランス的なオンオフが全くなくなるライフアズワークでは、職住密接空間をオフにする時間がないと本当につらいのです。

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(*IKEAのテントで即席屋上ランチ)

散歩みたいな簡単なことはもちろんですが、もう少し隣接した外部空間としては、うちの場合はバルコニーがないので、屋上を活用しています。屋上でキャンプしたりご飯食べたり、みたいなことを生活からはみ出したいときに組み込んでいます。あるいはもう少し都市に目を向けると、1-3か月に一度くらいは家族ごと都内の面白そうなホテルに泊まって本を読む時間をつくることで、生活ごとオフにするみたいなこともやっています。直近は厳しいかもしれませんが、ロックダウンされない限りは、自転車で行けるような距離のホテルに早い時間にチェックインして、家族だけでお風呂に入ったり本を読んだりみたいな時間を過ごすのは、感染リスクは低いうえ、インバウンド需要がなくなって大変な宿泊業界を支援という意味でもいいなと考えています。

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(*LYURO清澄白河でくつろぐ会長)

非日常は気軽につくれる

ということで長くなりましたが職住密接空間の運用の実践と題して書いてみました。基本的には規則正しいルーティーンをつくり、習慣と空間を結び付けていくこと。ときどき外に出て空間化されたライフアズワークをオフにすることが肝です。
規則正しいルーティーンがしっかりしていると、そこからはみ出して非日常を作る方法はいくらでもある、ということに気づきます。基本は時間と場所をいつもと少し変えることです。

たとえば今日は夕飯前に風呂に入って、あとは寝るだけだというささやかな贅沢を食後に味わうみたいなことや、今日は寝室でプロジェクターで映画見ながら夕飯にしようみたいな普段の生活からすると小さなバグを楽しむこと。これはきっとどんな居住環境でもできることだと思います。


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