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生理がない人だからこそ。(僕も結局、ジェンダー平等、わかってなかった、という話)

ここ数年、大学生よりも県内の高校生とご一緒することが増え、うちのスタッフが高校の地域コーディネーターをしたり、高校の探求学習の支援をしたり、探求学習の取材先になったり、また高校自体の運営委員に僕がなったりなど関り度合いもどんどん深くなっています。そうした中で、高校生たちからの指摘で気づくこともあり、その中でも一番だったのが題名のことです。

ジェンダー平等的な目線について、とは言え日本はまだまだ進んでいないところも多く、組織の長におけるバランスとか、逆に能力ではなくジェンダーの面だけで委員構成を決めてしまうとか、課題も多くあると思います。先日もある会議で委員の名簿の最後の列に「男」「女」が書いてあったので、これは何のために入っているのか?と質問したこともありました。また変わらず、あらたまった会議の場には男性が多く、僕より年上のスーツの方が並ぶのがほとんどなのも実情です。

しかしながら、僕自身、少なくとも自分自身の意識面では(きっと僕と同じように社会事業やまちづくりに関わる多くの人がそうだと思うのですが)、ジェンダーで人を評価したりはしていないし、役職もそれに関係なく考えていましたし、家事の分担や育児のこと等も考えれている、と思っていました。ところが、「生理」ということについて社会的な目線でちゃんと考えれていなかった、捉えれていなかったと大きく反省しました。

きっかけは山陽新聞さんによる「高校生大討論会」という企画で県内の高校生に集まってもらいSDGsを柱にしながら様々な社会問題を議論してもらったワークショップでした。その中で「生理」のテーマを探求学習で取り組んでいる高校生たちに出会いました。その時、僕は生活困窮者の方への生活支援として生理用品の提供を繋ぐこと等もしており、「生理の貧困」という言葉を自分でも使っていましたし、「必要な物を買うことに負担がある」という課題は理解しているつもりでした。また、そのワークショップで高校生たちが議論していた「生理に対する教育機会が男女で違うこと」やそれによりいわゆる男子生徒が生理の知識が少ない(誰からも教えてもらえない)ことも、一定、課題として理解しているつもりでした。

しかし、僕はこの二つをもっと社会的な目線で繋げて理解することができていなかった。つまり、「おおよそ人類の半数にあたる『生理がある人』に必要な生理用品が公共の場で当たり前に提供される状況がいまだ実現されていない」ということを理解できていなかった。またそれが「遅れている」「当然実現すべきだ」と思えていなかったことを気づき、それに深く反省をしました。

生理は文字通り、生理現象で完全にコントロールできるものではなく起きるもの。
一緒にするのは適切でないかもしれませんが排泄も生理現象で、そのほぼすべての人類に起こる排泄に必要なトイレットペーパーは今や当たり前に公共施設やお店などのトイレに設置されています。公共スペースのトイレに駆け込んだらトイレットペーパーがなかった、というのはメディアやSNSなどでもよく見る日常の悲劇的なアクシデントです。僕も子どもの頃から腸が強い方ではなく、小学校の帰りなどに腹痛に襲われて死に物狂いで公園のトイレに駆け込んだりしていました。もしも、その時にトイレットペーパーが無かったら、授業と授業の間の休憩時間に腹痛になり、それをわざわざ保健室に取りに行かないともらえないとしたら考えただけでも重苦しくなります。小学生当時の僕にはトイレで大きい方をすることを言うのも恥ずかしかったし、ましてや急に来る腹痛で冷や汗を流しているときに建物内を歩き回って保健室まで行くのは至難の業です。

しかし、生理ではそれが今も当たり前なのです。授業中、授業と授業の間、忙しい時でも、痛くて痛くて苦しい時でも、保健室に取りに行かないと渡してもらえない。また、人によって、その痛さや苦しさなどの状況、重さ、身体の他の部分への影響も違うのに、一律的にその対応です。人によっては自分はそこまで生理による体への影響が重くないから、他の人もそうに違いないと言う人もいる。生理で休暇を取ること、仕事や学校や部活やレッスンを休むことなど、まだまだ理解は得られないところも多くあります。中にはそのことで体調を崩し治療が必要になってしまっている人さえ、います。

この2023年の世の中で、です。
テレビ電話で会議して、人がいなくてもレジで金額分かってお金払えるような便利で進んだ世の中で、今だ、我慢して体を悪くする、苦しむ、そんなことがまかり通っているなんて。

そう考えれば僕がまだ小さい頃は駅のトイレの紙は有料でした。無人の駅で途方に暮れた覚えがあります。それが、まだ起こっている。
そう、貧困かどうかということではなく、当たり前をそろそろ変えましょうという話だと思うです。

このことを高校生たちから教えてもらいました。
無理解を恥じていても変わりません。
なので、この状況を変えるために、「生理革命委員会」と名乗ることになった高校生たちの支援をさせていただいています。
そう。オーバーでなく、革命です。
遅れまくっている状況を変えるため、署名で声を伝えると共にさらに実行力を高めるためにクラウドファンディングで生理用品を当たり前にトイレに設置するための費用を集めています。


この先の世の中では、生理がある人が我慢を強いられ、苦しい想いをしないようするために、この現実をきちんと考え理解する機会をより多くの人ともち、また変えてこれなかったことを反省し、変えるために行動を。ご支援を。ぜひご一緒に。
これはきっと、僕のように、生理がない人こそ行動を起こすべきことなのだと思います。

同じように思ってくださる方、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

「生理革命委員会」クラウドファンディング


「生理革命委員会」署名


「生理革命委員会」Instagram


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