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時短ママという言葉は、もしかしたら、なくなるべきなのかもしれない。

XTalentの上原です。
早速ですが、実は先日、こんなプレスリリースを出しました。

そう、”時短×ハイパフォーマンス人材に特化した転職サービス”をはじめます。

withworkサービスサイト

TechCrunch

■THE BRIDGE

このサービスは、こんな気づきをきっかけに始めてみました。

・時短だからキャリアップや活躍機会が得られなくなる、時短だから給与が大きく下がる、という事象への強烈な違和感
・IT/Web業界を中心に、働き方が急激に変化している。(端的にいうとホワイト化している。)
・労働力不足かつ男性も育休を取るようになった時代だからこそ、価値観や働き方に柔軟さがある企業ほど採用競争力を増していくだろう、という仮説。(そしてそんな会社にこそ優秀な人が集まるべき)

挑戦的でいて、さらにひねくれたタイトル(笑)ですが、僕らがこのサービスに込めた想いを表した言葉でもありますので、その言葉の裏側にある想いを少しお話しさせてください。

なぜ「withwork」の事業をやろうと思ったか、自分の原体験。

僕が結婚をして、子どもができて、ライフステージの変化による出来事、いわゆる「原体験」的な話なのですが、エモいこと書くのが苦手(恥ずかしい)のでまずは箇条書きで少しだけご紹介させてください。

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・毎日オフィスの施錠と解錠どっちもやってたハードワーク時代、それでも仕事は楽しかったのでがむしゃらに働いていたが、26歳で長女が生まれたときに初めてその価値観が揺らいだこと。
・仕事がしたい、でも家族との時間を作りたい。早く帰ったり、家族の時間を作ろうとすればするほど、自分のキャリアを蔑ろにしているような後ろめたさを感じたこと。
・自分が悩んでいる間も妻はワンオペで仕事復帰と育児に追われ、苦労していたこと。(ふたりとも苦しんで、誰も幸せになれていないぞ・・と思えてしまった)
・転職したら、上司がママだった。会社のカルチャーに「家族を大切にしよう」とあった。自分の葛藤を受け入れられたような気がして、働きやすく、生きやすくなったこと。
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このように、「キャリアと家庭」は20代後半からずっと違和感や葛藤を抱えてきたテーマでした。
そうした原体験から、このライフステージの変化に伴うキャリアの再定義を事業テーマとして展開したいと、自然と感じるようになっていました。
実は前職から、「自分の娘たち未来に繋がるものを作ろう」ということを働く上で意識しています。働き方を変えていく、と壮大なテーマですが、少しでも彼女たちが生きやすくなるような布石を作りたいという気持ちです。

今まで、時間に制約があっても、高い生産性・パフォーマンスを発揮している人たちを沢山見てきました。僕以外でも同じ事を感じていた方もたくさんいるようで、事業を展開したら、きっと一緒に課題感に向き合っていけるのではないかと強い確信がありました。

withworkで実現したい未来は、”幸福を阻害する理不尽と不合理”をなくすこと

実は僕らが事業のテーマにしていることは、女性の「M字カーブ」といういわれる就労率、賃金格差など大きな社会課題に繋がる話なんです。

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出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構 図5-1 性別、年齢階級による賃金カーブ[ 1976年、1995年、2018年 ] (一般労働者、所定内給与額)

でも、ここではあえて、もうちょっと、自分の身の回りレベルの話をさせてください。正直、僕自身、ジェンダーギャップについては学ばないといけないことが多すぎると思っています。

僕は、夫でもあり、二児の父でもあり、やはり共働きをすることで難しさを感じる瞬間は沢山あります。勿論「これが子育てってやつか!」と受け入れて頑張り続けるしかないものもあるはず。ただその中に沢山ある、明らかに理不尽で不合理なもの、は解消していきたい。

共働きで家庭とキャリアのバランスをどう取るか。家庭によって変数が大きすぎるので正解はないはないのです。けど、明らかに女性側に負担が偏ってる気がしてる。サザエさん世代の価値観から抜け出せてない人は多いのでは?と感じることも少なくありません。
夫の方が年収高いから、、みたいな話は鶏と卵なのかもしれないし、個人的にはお金だけで決めるものでもないと思っています。僕は家族と自分の幸福最大化のセンターピンが何なのか、とよく自問自答しています。もちろん答えはありません。でも、向き合う事という行為や姿勢が大事だと思っています。

時短で成果を出す、ということの難しさと尊い価値。そして、それを「女性の課題」にしないこと。

こちらのキャスター石倉さんの記事が、本当にうなずくことばかりでした。


例えば自分の年収が1000万で奥さんが年収400万だったとします。
その状態で、
「俺が多く稼いできてるんだから家のことは妻にやってほしい」
という人もいます。
なんで少しでも多く稼いでいると、家事や家のことはゼロイチで全て妻、になっちゃうんでしょうね?
年収が5:2なら家事は2:5、みたいな決め方でもいいし、フルタイム同士だから5:5ね、とかじゃないとバランス的におかしい気がするんですが、、(各家庭で比率はあるかもだけど、稼いでいるからゼロでよい、じゃないよね、と)
でも、自分の方が稼いでいる、だから妻には家のことをお願いしたい、という思考を持っている人はかなり多そうなイメージです。
別に働き方の選択=キャリアの放棄ではないのに、今はそういう構図になってしまいがちです。
ひとえに、
意思決定する層が男性中心かつ自分が現役の時の仕事観のまま決定されることが多いこと。
そもそも男性の働き方が変わらないと社会が変わらないことにほとんどの人が気づいていないこと。
キャリア形成の道が1パターンであること。
などいろいろな要因があります。

本当にそう思います。

あと、最近話題になったこの記事。

当時の野邊さんの役職は「シニアマネジャー」。常時2〜3のプロジェクトを抱え、それを中心となって率いる、最も忙しいポジションだ。

にもかかわらず野邊さんが働き方を変える選択ができたのは、当時の上司の存在が大きい。上司も毎朝保育園に自転車で子ども数人を送ってから出社し、午後6時には退勤しながら、仕事で成果を出し続けていたからだ。野邊さんが時短勤務の相談をした際も、「全然、大丈夫。できるできる」と背中を押してくれた。


「仕事と家庭を完全に分けることはできない」と話す野邊さん。自身の部下にも、家庭のことなど何か困りごとがあったら「なんでも話して」と常に声を掛けている。
プロジェクトごとのフィードバックの際にも、妊娠中の妻がいる男性社員には「大丈夫? いつくらいに産まれる予定?」「丸1日、いや2日は休んで」など、「かなり慎重に」(野邊さん)だが、話すようにしているそうだ。
子どもの都合で急に会議を欠席すると連絡が入っても、「何の問題も無い」(野邊さん)。

まさにこんなロールモデルを増やしていきたいんだな、と感じました。(自分自身も、経営者としてなっていきたいと思います)ロールモデルにも多様性が必要なはずです。

もちろん、子育てをしながら仕事で成果を出し続けるのは、大変なことだと思います。時短であれリモートであれ、その中で成果を出すことは、一定の労働時間が必須な仕事もあるし、その際の評価はどうするのか?など、立場によって色んな受け取り方もあると思います。それでも、「時間よりパフォーマンスで評価される」事例を少しずつ増やすこと、自分たちが体現することに意味があるはずです。その難しさと尊さはかけがえのない価値であるはずです。

リリース当日に定時ダッシュすることも、きっとかけがえのない価値です

「時短ママ、という言葉はなくなるべき(かも)」という言葉が目指す社会

「ワーキングマザー」「時短ママ」といった言葉は、もしかしたら無くなるべきなのかもしれない、と思うこともあります。

「ママ活用」、という言葉をたまに耳にします。「活用」ってなんでしょうね・・。そして、ともすると搾取構造も生まれやすい領域だと認識しています。「(低い給与でも)働けるだけでもありがたい」なんて状態は、本来あるべき姿でしょうか?

パパもママも、当たり前のように子育てをしながら、その上でキャリアアップできる世界していきたいと強く願います。

「時短ママ」という言葉がなくなるくらい、子育てしながら活躍すること、キャリアを作っていくことが性別関わらず当たり前にできればと思います。がんばります。


絶賛、仲間募集中です!!!



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