能「皇帝」に思うこと その11
能「鉄輪」の使用面
能「鉄輪」は丑三つ時に貴船神社に参詣する女性が登場する。前半は夫に捨てられた女性が苦しみから解放される為に足繁く貴船の宮に参る。後半は神託の告げにまかせて復讐の鬼となる。使用面は前半が「泥眼(でいがん)」後半が「橋姫(はしひめ)」である。
この二面、いずれも眼には金が施してある。(泥眼の名前の由来は眼に金泥を塗っているところから来ている。)それは能面の世界では「生きた人間ではない」キャラクターだというルールだ。何故眼に金が入ると生きた人間ではないのか。