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能「皇帝」に思うこと その2

第二回 竜成の会 ひげ

第二回 竜成の会 チラシ デザイン:相模友士郎

この回が実現したのは奇跡以外のなにものでなかった。ご縁のつながり、そして何より見ず知らずの能楽師の三度に渡る無謀なオファーを受けてくださった谷川俊太郎さんの心意気で第二回竜成の会が開催された。

金剛能楽堂で詩の朗読をする谷川俊太郎さん
「ひげ」に関する能の演目「実盛」の独調 左:河村総一郎先生 右:亡父宇髙通成
「ひげ」に関する狂言の演目「悪太郎」 左:茂山忠三郎氏 右:山口耕道氏 後見:故新島健人氏
「ひげ」に関する能の演目「鍾馗」 宇髙竜成 撮影:ステファン バルベリ

谷川俊太郎さんの詩の朗読で、グッと惹きつけられた観客の耳に能の謡と大鼓の音色が自然に入っていく。そして狂言のセリフ……「悪太郎」は長い狂言だけれども、集中が途切れる事はなかった(と後で伺った)。そして「鍾馗」……この曲は決してメジャーな演目ではないけれども、観る人の中で世界観が構築されていった。この回は、これまでの竜成の会の中でも一番印象に残った回だと、いろんな人から聞いている。

自分自身も、この会を通して鍾馗という人物と、それにまつわる文化にとても興味を持った。実は京都の町中に鍾馗さんの姿があって、それを探しながら歩くだけでもかなり楽しい。こうやって普段はゼロ距離にある気がつきもしない文化に、お能を通して触れる機会があった。ここから竜成の会にはテーマ設定が必要不可欠になった。

つづく

第八回竜成の会「皇帝」ー流行病と蝋燭ー

令和5年5月28日(日)14時開演

絶賛発売中!
チケットはこちら
https://teket.jp/1133/20033

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