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U2個人的10選

僕はそこまで熱心なU2のファンというわけではないのですが、やっぱり音楽は素晴らしいので、通らざるを得ないですよね、普通にロックとか聴いていると。分かりやすいビートルズやボン・ジョヴィ、オアシスなどを聞いた後くらいにやっと洋楽聴き始めて5年目くらいに聴き出した感じです。ちょっとイメージ的にやっぱりかたい感じはしていて、敷居が高いようにも思えて、初心者向けというバンドではないような気がします。でも耳が肥えてきたらこのU2の作る音楽は本物だと分かる時がやってきますね。特に80年代と2000年代は、素晴らしいと思います。なのでこの10選もその年代中心で。

New Year's Day  (1983年)
荒涼とした中にあっても凛とした強さを感じさせるロックの名曲ですね。僕は80年代のサウンドが好きなのですが、いい意味でこの曲をはじめとしたU2の曲には80年代の空気感がなくて、でもそれが逆に最も気高いところで鳴っている唯一無二の80年代サウンドという結果にも繋がっているように思えます。「U2が80年代にいてくれなかったらロックは死んでいた」という評論家の言い分も今なら少し分かる気がします。


Pride(In The Name Of Love) (1984年)
この曲は80年代のU2の曲では一番好きです。エッジのギターがとにかく煌びやかでいて温かみがあり、誰よりも鋭く心地よく曲全体を包む。そしてボノのどこまでも真摯なボーカル。彼らの精神性の高さを時代を越えて見せつけられたような圧巻のパフォーマンスがここにはあります。1960年代の黒人解放運動の指導者マーティンルーサーキング牧師に捧げられた歌とのことですが、同じ精神性を持つがゆえにシンクロできた奇跡的な名曲だと思います。そしてそれは16年後の「Walk On」でまた繰り返されます。


Where The Street Have No Name (1987年)
1980年代およびロック史に残る歴史的名盤「ヨシュア・トゥリー」の1曲目に入っている曲です。このアルバムも決して初心者向けではないですが、クラッシックとでもいうべき歴史の審判にこの後も耐えていく名盤だと思います。あれだけ周りがMTVだとかに浮かれまくっている状況の中でどこまでも真摯に時代に己に向き合って、深い想像の源泉からのみ湧き出るような音を紡ぎ出していくまさに求道者、そして聖書にも出て来る「ヨシュア・トゥリー」を体現する宗教性、とでもいうべき気高さ。ロックの最後の拠りどころと言われていたのも納得ですね。


I Still Haven't Found What I'm Looling For (1987年)
邦題の「終りなき旅」の方が有名かもしれないです。このアルバムの中では一番聴きやすいかも。でも敷居が高い感じは残っていますね。シングルというかアルバムの中の一曲という感じがハマる歴史的名盤の中核を担うピースですね。最初の3曲で決まった感がありますが、僕がこのアルバムで一番好きなのはここでは紹介しませんが「One Tree Hill」です。もうそこに行く頃には心ここにあらず、どこまでもU2の宇宙で溺れるしかない、そんなトリップ感に浸ってしまいます。


With Or Without You (1987年)
彼らの最高のバラードだと言われている一曲です。ビルボード1位にも輝きましたし。静かな中に立ち上がって来る激しい愛の叫び。この鷹揚の聴いたボーカル、サウンドを聴かせる大人なバンドU2、まだ27歳くらいなのに、この境地までたどり着くのか、やっぱり歴史的なバンドは生きている世界が違うんだな。と素直に負けを認めざるを得ません。


Stay(Faraway, So Close!) (1993年)
80年代の彼らの求道者ぶりから大きくイメージを変えたと言われる90年代。音楽性も根本の精神性は変わらずとも時代に合わせて、90年代仕様になりました。90年代を一言で表すのは僕の能力を超えることなのでここでは避けさせてもらいますが、生き抜くのも、高くあり続けるのも大変な時代だったというくらいに変化の激しい時代でしたね。彼らも天界から下界に降りざるを得なかったというか。でもこの曲はその中にあっても地に足がついた佳曲だと思っているので今回の10選に90年代から唯一選びました。


Beautiful Day (2000年)
20世紀最後の年に出されたアルバムから(タイトル長いので省略します、すいません)。グラミー賞最優秀レコードにも輝いた王道に戻った彼らの底力を見せつけた一曲です。ロック史的には90年代のU2はとても重要な変化をもたらして、彼らの名声をさらに高めたりしてますが、僕は何でもありの90年代に寄せざるを得なかった彼らの苦悩を逆に感じたりします。あの80年代の求道者はさすがに時代が大きくうねる90年代には貫くことは出来なかった、いや優れたアーティストだからこそ、時代と向き合う必要があると感じたからこその音楽性の変化だったりするのでしょう。そこらへんはまた個人的に90年代U2を聴いてもらえればわかるかな、と思います。その当時の彼らが好きだという人もいるでしょうし。でもやっぱり聴きやすさ、分かりやすさ、何より楽曲の良さなら2000年代入ってからのU2はみんなが待っていた音を鳴らしてくれたから、グラミー賞は取るは、また売れまくるわ、なんでしょうね。


Walk On (2001年)
史上初の2年連続グラミー賞最優秀レコードを受賞した僕も大好きな曲です。今はミャンマーの軍事政権に自宅軟禁される身に戻ってしまいましたが、あのアウンサンスーチー女史に捧げられた一曲です。2000年当時もまだ幽閉されて、そこから一度表舞台に立ってミャンマーの民主化も進むと思いきや、また自宅軟禁。U2のメンバーの悲しみや嘆きはいかほどのものか、想像も出来ないくらいです。それでも、この曲には困難にも負けずに民主主義という人々の理想のために活動し続けたアウンサンスーチー女史への心からの言葉は稚拙ですが「応援歌」となっていて、そっと彼女に寄り添い続ける彼らの意思表示にも思えます。どんなに絶望的であっても希望や理想を捨てない、そんな人へ捧げられた名曲だと思います。


Vertigo (2004年)
44歳になる年齢でこんなにも「本物」のロックを響かせることが出来ることにみんな驚いたんじゃないでしょうか。僕もその一人です。エアロスミスにも通じる永遠のロック少年の魂を見事に証明した歴史的な一曲だとも思います。この時代くらいから僕はちょっとスピリチュアルな話になって申し訳ないですが、人は気持ち次第で老いることを遅らせることが出来るようになってきた、そうなりやすくなってきたのではないかと感じたりします。ややこしいことを言うと、内面と外界の時間の流れが切り離されて、完全に「個」の時代となり「すべては自分次第」の時代が本格的に始まった。アメリカインディアンなどの古代からの予言にもあるように人類は二つに分かれ始めた、「上に道」を行く人と「下の道」を行く人と。まあ神様が望む道と、そうでない自分本位の欲望の道と、って感じですかね。カオスな世界もそのような時代背景があり、っていくらでもそれ系の本に書いてあるのでここら辺にしておきましょう。でも本当のスターは道を示し続けるから、彼らが年齢を感じさせない本格的な本物のロックを響かせたことは世界中に希望を「上の道」があることを示せたのではないでしょうか。


City Of Blinding Lights (2004年)
最後に紹介するのは、本当に希望に溢れた名曲です。こんなに素敵な音をこの年齢で響かせたこと自体奇跡だと思ったりします。やっぱりもう年齢じゃなくて気持ちの時代ですね。僕も見た目より20歳くらい若く見られたりしますが、気持ちが、自分に嘘を付けないままでいたから、良くも悪くも、年齢は生きてきた時間程は行ってないのかも。心の状態が見た目にも表れやすいとも言われますし。まあ僕がここで言わなくてもみんな今の時代直感で分かっていたりしますね。分からない人が戦争やら、なんやら悪いことをしているのでしょうね。僕は世界は滅びない方に賭けてみたいです。分かっている人が地下で見えないところで繋がって、きっと大きくこの世界の在り方を変えていくと信じています。U2聴いていいなって思える感性はずっと大事にしていきたいですね。そうすれば繋がっていい方へと変えていけると思います。PVより音楽そのものがいいので映像なしの方で、すいません。


最後の方はちょっと個人的な考えに走り過ぎてしまい、ごめんなさい。でもU2の曲を聴いているとやっぱり日常を越えた普遍性とかに思いがいったりしますね。このような時代だからこそ、余計に彼らの残してきた音楽は踏みとどまるべき何かを示しているのかもしれません。気楽には聴けない部類のロックかもしれませんが、でもロックの一番大事な部分を高い精神性で表現してきて、その凄さを次の世代に繋いでいくレジェンドだったりしますね。なんやかんやで熱く語るあたり僕もやっぱりれっきとしたU2のファンだったのだな、と最後に気が付いたところで今回は終わります。ではまた次の10選とかで。

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