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aob212
カイト
自分が
どこにいるのかさえ
分からないまま
言葉は
誰かに向かって
投げられる
誰かから
投げられる
見ているだけの
日々は
どこにいるのか
分からない
誰といるのか
分からない
それでも
身体だけ
そこにいたという
記録が
どこかにあったけど
もうそれは
特に興味のない
過去の話だった……はず
今日も
似たように
話せない
今日も
似たように
どこにもいない
それでいいと
解凍されないまま
それでも
生きる日々を
望んでいる
話さない理由
話せない理由
誰に求められるでもなく
義務もないけど
話さないままなら
空虚さを纏った
言葉が沈殿していく
いつか何かを壊すような
色を帯びて
地底で積み重なっていく
ひょっとしたら
まだひとりがいいんじゃない?
そうだよ、きっと
そうやって
魂は放たれて
飛んでいく夢を見る
夢は夢のまま
地上で
凧あげをする
少年は
まだ青い空を見ている
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