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遠くの花火

遠くに上がる
花火を見ていた

今はもう
そんなときめきもなく
修行の日々が
続いている

負荷をかけないと
潤いは戻らない
怠惰で空虚な
理由は
まだわからない

気が付かないうちに
そうなっていた
輝きだけが
常温保存されたまま
遠くになるのを
嘆いた

ケースを壊して
ダイアモンドを
取り出したい
もがいた日々も
また遠く

幾層にも
重なった過去の上
そろそろ
負荷は潤いを
取り戻すほどに
長く私を
再形成する頃

遠くに上がる
花火はもう
誰かのものでは
なくなる

そんな予感が
夢の中に
現れて
いい風が
吹いてきている

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