不眠

整わない私は
いったい誰だ？
 
型にはめようとすれば
はみ出して
はみ出したら
型にハマろうとする
 
言語の流出とともに
流れていくような
そうでもないような
つかみどころのない
無に近い
青い空のような
 
そのままでいい
６５点を
認めてやればいい
言葉尻を掴んで
私の中に
放り込めばいい
中でぐつぐつ煮えて
そのうち溢れ出したら
見える世界も
塗りつぶしていくだろう
 
未来を予想して
そこからまた
はみ出して
つかみどころのない
時間も空間も
無に近い
青い空のように
 
僕を四方八方から
包んでいる
窒息するような
無限に広がるような
言葉が遥か先へと
消えては
また中から現れて
幻想づくりに
貢献していく
 
比べたがりな
一切を消して
部屋の明かりを
黒く塗りつぶして
暗闇の振りをする
 
光だけでも
闇だけでも
何も見えない
 
適度に
混ざり合わさって
僕らは
誰かの世界に
現れる
相対的な生き物
 
だからって
ゴールでもなく
スタートでもない
続きに落とされて
現実に目が覚める
 
逃げたくても
一切が現れて
消したところから
どのような形でも
また再開する
 
生きていようが
死んでいようが──
 
また
あっちがいい
戻ってきたくない
思考の跡が
変人の声で
返事をする
 
鏡の中で
グルグル回る
 
形のような
無のような
 
誰だか分からない
 
それも
そのまま
浮かべたまま
 
言葉が切れるまで
眠らない
眠れない