手相見屋-【手のひらの恋】#青ブラ文学部
毎週木曜日の夜にやってくる女の客がいる。
歳は二十代後半。
手相見などに頼ってくる割には、ドライな感じを覚える女だった。
「毎週見たところでそう変わらないよ」
「いいからいいから」
女は恋愛運を見てくれと言う。
正直なところ、あまり恋愛運はよろしくない。
男運がないと言うべきか。
長続きしない。
「あら、じゃあ、今回もダメかしら?」
「ひょっとして、彼氏が変わるたびにここに来てる?」
「彼氏になる前に品定めしてもらいに来てる」
そう言って女はハハハと笑う。
「本気じゃないんで