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「遅い、少ない、完璧でないを許さない社会と余白が少ない現代」

今日は久しぶりの投稿になります。

今日の記事では斎藤幸平さんが書かれた「人新世の資本論」読んで自分が気づいたことや感じたことを中心に書いていこうと思います。この本は知り合いの方から『この本は本当におすすめ』と勧めていただいて読みはじめました。

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そして自分のなかでの「資本主義」や「競争社会」へのもやもやへの解決方法やヒントがそこにはたくさん書かれており、衝撃のレベルで言うとはじめて「野生の思考(著者レヴィ=ストロース)」を読んだときかそれ以上のものでした。

「競争」や「プレッシャー」のなかで技術開発や革新として発展をしてきたのは紛れもない事実であり今のテクノロジーが存在するのは「資本主義」がうみだした環境の影響のおかげや影響であることは間違いありません。

しかし斉藤さんが著書のなかでおっしゃっているようにマネーゲームの資本主義のテーブルの上においては貧困の格差問題はより深刻になり、グローバルサウス「経済指標での世界の南」と北では雲泥の差があり、ビルゲイツやマックザックバーグをはじめとした世界トップの8人の富豪は世界人口の半分と同等の資産を持っているとのことです。

日本でいえば今現在、国内上位1%の富裕層が、国富のおよそ1割を持つようになったとか。豊かな「1億総中流社会」が終わりつつあることは、国民も気づいておりテレビ番組などを通して何かと外国人を非難したり、かと思えば逆に「日本はやっぱりすごい」と自画自賛したりする近年の風潮もありましたがその異様な盛り上がりにも終わりが近づいてきているようにも思います。

つまりマネーゲームのテーブルのうえに楽観主義プラス生産性と効率性を追求してきたこれまでの「資本主義」が技術革新と発展を後押ししてきたのは確かですが、その裏では格差の拡大やまた本文でも大きく取り上げられているように地球環境に「フットプリント」という形で大きく影響を与え続けています。

ホストクラブの代名詞をメタファーとして使うと、グラスタワーのてっぺんに注がれたシャンパンは、グラスのふちから溢れ出し、やがて最下層まで流れ落ちる。同じように、大企業が潤えばカネは末端まで行きわたり、庶民も豊かになると思っていたが、そのためのインフラ設備投資や経済支援を国をあげてしていった結果、近年になって「環境問題」という新しい波がやってきたということです。

別に新しくもなく地球温暖化に関しての論文は産業革命後すでに発表されており、ただその深刻さよりも経済や技術の発展、国の回復や復興の重要性が時代的に勝っていたというだけのこと。

今回は読書感想文や自分の考えを書いているので、少し言葉足らずな表現になってしまっていたりするかもしれませんがご了承ください。

ただこの本とすごくリンクする概念としてレヴィ=ストロースのあげた「構造主義」と斉藤さんがおっしゃる「脱資本主義」や「脱アントロポセン」がすごく自分のなかでは重なっています。

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『もっと便利に』『もっと速く』『もっと安く』という構造は資本主義がうみだしたある種の「競争」でもあり「毒」でもあると僕は思います。かといって現段階で資本主義に勝る立案や定義はありませんが、少なからず個人レベルでの「減らす」「小さなことに感謝や満足する」などのことは可能ではないでしょうか。

リサイクルの技術革新に頼る前に買わないを選択したり、何度も使たったりする循環型で「ミニマム」な環境。もっと言えば「少なくても完璧でなくても許容できる社会」を個人レベルから家族レベルへ。そしてコミュニティレベルから社会レベルへと地道に広げていくことができれば人新世の時代に少しはブレーキをかけられるかもしれません。

少なくとも僕はそう思います。

長くなりましたが読書感想文と僕の考えをつらつらと書きました。最後まで読んでくださりありがとうございます。

この本を勧めてくださったIさん本当にありがとうございました。今はKindle 版でしか持っていませんが帰国後は書店で紙の本として購入し、もう一度読み直したいと思います。みなさんにもぜひおすすめの一冊なので読んでみてください。

A bientôt


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