前回は、出世欲のなかった僕がキャリアアップしたいと思うようになった理由をお伝えしました。
今回は、次の4社目の企業(←まだまだ続く。笑)に転職した時のお話をしたいと思います。

iva溝の口 

2013年1月から神奈川県川崎市高津区にあるiva溝の口というクラブの支配人として着任しました

iva(アイヴァ)
private(プライベート)空間の意で、スペルの真ん中の3つを抜き出してクラブ名となっています。

BICSという広告会社が運営しているジムスタ型クラブで、多くのフィットネス企業をクライアントとして抱えている会社だったので、モデル店舗として
設立されたバリアンテイストの内装で、ハードは「いい感じ」でした。

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また一人で乗り込んでいく

また一人で新しい環境に飛び込んでいくわけですが、今回はいきなり支配人として着任したので、スタッフや会員さんから「どんな奴がくるんだろう」という、興味と不安の目で見られているのがよく伝わってきました。
それでも、前職、前々職も1人で乗り込んでやってきましたから、もう慣れてきていて笑、僕自身はそんなに力むことなく入っていけたと思います。

スタジオではすぐにBODYCOMBATとBODYPUMPをを担当させてもらい、ジムではパーソナルトレーナーとして指導しました。
また、前職で数字を見る力はだいぶ養われていたので、会議でもリーダーシップを発揮でき、人材育成についても考え方の土台が出来上がっていました。
これらが一定のレベルで備わってきていたことで、最初から積極的な仕事ができ、スタッフや会員さんからも早い段階で認めてもらえた感覚はありました。
前職の会員さんも何名か入会され、埼玉から通ってくださいました。泣

塩素誤飲事件

このクラブで起きた出来事で忘れられないのは「塩素誤飲事件」です。
会員用ロッカールームには、男女共にウォーターサーバーがおいてあり、紙コップで自由に飲めるサービスがありました。
清掃スタッフを4名ほど雇用していたのですが、そのうちの1人(70代の女性)が、ウォーターサーバーのタンクの水がほぼ空に近い状態までなくなっていることに気づいたんですね。
この場合、通常は満タンの新しいタンクに差し替えるのですが、何を思ったか、そのタンクに清掃用の塩素の原液を注ぎ足してセットしてしまったのです。あり得ないですよね。。

後でわかったのですが、その70代の女性スタッフは認知症を発症していたようで、その時のことを全く覚えていませんでした。

タイミングの悪いことに、塩素を補充してしまったその直後に、スタジオレッスンが終わり、ロッカーへ戻ってきた4人の女性会員さんたちが、次々とそのウォーターサーバーの水、ではなく塩素を飲んでしまったのです。
ただ、ほぼ原液なので、みんな口に含んだ段階でおかしいとすぐ気づき、吐き出しますが、そんなところに塩素が入っているなんて疑いもしませんから勢いよく口に含んで、少し飲み込んでしまった方もいました。

僕は事務所にいたのですが、スタッフが血相を変えてとんできて「大変です!」と言ってきたので、状況を確認して救急車を呼びました。
飲んでしまった4名の方は、全員気分が悪いとのことで、全員近くの救急病院に運ばれ、僕も同乗しました。
幸い大事に至らず、誰も入院することなくその日のうちに家にご帰宅されましたが、このあり得ない事態にご本人たちは怒りというよりショックを受けていて、4名のご家族がそれぞれ激怒されていました。

僕は本社へ報告をして本部長にクラブへ来てもらいましたが、この時にお見掛けしたことのない男性を一緒に連れてこられました。
その方は、保険関係のお仕事をされていて、会社との関係性もある方だったのですが、さまざまなお客様トラブルの時に対応する「謝罪屋」でした。
僕ら3人は、どのタイミングで菓子折りとお見舞金を渡し、どのような謝罪をし、どうやって土下座をするか、という打合せをしてからそれぞれのご自宅へ向かいました。

被害者は全員女性なので、ご本人の旦那さんに怒鳴りつけられたり、淡々と大金を積むように迫られたりしました。
僕らは戸建のご自宅の玄関先や、マンションのロビーで、土下座をして謝罪しました。

結局、その方々は全員退会されてしまいましたが、大事に至らなかったことは本当に不幸中の幸いでした。

僕は今までの人生で「額を地面にこすり着けるガチの土下座」をしたのは、後にも先にもこの時だけです。

次回予告

支配人デビューしていきなりこんな事件が起きたクラブでしたが、僕が着任して1年後、今度はM&Aでライフウェルというフィットネス起業に事業譲渡されることになります。
次から次へと色々なことが起きるでしょ?笑
次回はこの買収とその後についてお話をしたいと思います。
今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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