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一度契約したサブスクリプションサービスがなかなか解約できないのはなぜ?【本から学ぶ】

みなさんこんばんは、福田達也です。

最近はいろいろなものがサブスクリプションサービス化されるようになってきましたね。AmazonやYoutubeに始まり、NetFlixやGoogle、ホテルの泊まり放題や、車の借り放題なんてサービスもあったりします。

どれも便利なサービスばかりで、ガンガン使うのであれば入っておいた方が便利だなと感じるものばかりです。一方で、入る時はあんなに悩んで検討したにも関わらず、入ったとたん、あんまり使わなくなったとしても中々解約に踏み切れない…そんな経験は無いでしょうか。自分はよくあります。

これには私たちの所有意識が関係しているとのこと。なぜこのような心理が働いてしまうのか。今回も行動経済学から、理由を紹介していきたいと思います。

本日の内容はこちらの書籍『予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』の第8章より、『高価な所有意識 なぜ自分の持っているものを過大評価するのか』です。

本のまとめ

私たちは自分たちが所有しているものへの意識(所有意識)に関して3つの奇癖を持っている。
1. 自分が既に持っているものに惚れ込む
2. 手に入るかもしれないものではなく、失うかもしれないものに注目する
3. 他の人が取引を見る視点も自分と同じだと思いこむ

さらに、私たちが所有意識には2つの特性がある。
1. 何かに打ち込めば打ち込むほど、それに対する所有意識が強くなる
2. 実際に何かを所有する前に、それに対して所有意識を持ち始める場合がある

私たちは簡単に所有意識に取り込まれてしまい、そして残念なことに、この所有意識という病を治す既知の方法はない。この所有意識から少しでも逃れるためには、このような癖があることを認識することや、あえて自分と目的の品物の間にある程度の距離をおいて、できるだけ自分が非所有者であるかのように考えることが重要である。

自分の持っているものを高く評価する

どうやら私たちは、自分の持っているものを高く評価してしまう癖があるようです。思い出の品や、厳しい競争で勝ち取ったものなど、自分が価値を感じているものについて、他の人も同じように価値を感じていると思いこんでしまう傾向があるとのこと。

確かに、古本屋に本を売りに行って二束三文でガッカリしたことや、旅行のお土産の謎のキーホルダーを貰った人が喜ぶはずと思いこんでしまうことはままあります(言ってて耳が痛いです)。

このように、持っているものに惚れ込んでしまったり、他の人も同じように感じると思いこんでしまったり、一度手にすると失うのが怖くなってしまうのは、みんな同じだそうです。これが私たちの所有意識です。

一度手にすると失うのが怖い

私たちは何かを得る時の喜びよりも、失う痛みの方が強く感じます。例えば、誰かにお金を借りた時、借りたときには「ありがとう。必ず返す」と言っていたにも関わらず、返すときには盗られるように感じてしまったり。

また、冒頭で話題に出した、サブスクリプションもこれにあたります。一度サブスクリプションサービスに加入すると、私たちはそのサービスを所有しているように感じるようです。

所有を検討する前であれば、他の予算を考えたりしながら本当にお金と時間をかけるだけの価値があるのか、しっかりと検討します。そして、検討を進め、サービスに加入している自分の姿を思い浮かべている内に、所有意識が芽生えてくる。最終的に加入に至ると、今度はサービスを失う痛みを恐れて中々解約しなくなる…というのが心理の流れだそう。

確かに、よっぽど使わない!と言えるものでなければ、無理やりにでも価値(やめない理由)を探そうとしたりして、解約しがたいと感じています。自分が今加入しているAmazon Primeや、Zoomのサービスは、本当にその価値分の活用をしているんだろうか…。

所有意識から逃れるには

残念なことに、この所有意識の罠から逃れる術は無いようです。ですが、その影響を和らげ、対策することはできます。

1つは、そういうクセがあること自体を認識すること。2つ目は、所有意識が芽生えそうな決断には慎重になること。そして3つ目は、所有していないかのようにできる限りフラットに見ることです。

終わりに

今回はサブスクリプションサービスの解約の難しさ、という話から、私たちの所有意識の厄介さについて紹介しました。

どんなちょっとしたものでも、手に取るのは簡単だけれど、捨てるのは意外と困難だと感じます。二度と使わないだろう割引券のようなものでも、中々捨てがたいもの。そして、それが思想や地位、立場など重たいものになればよりいっそうです。

なればこそ、何を持ち、何を捨てるのか。それを自分が将来どうなりたいかや目的から考えることが大事だと、気づく時間になりました。。

本日も読んでいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。


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