点と点をつなぐ〔第6回課題〕
映画のシナリオの書き方を通信講座で学び始め、はや3ヶ月が経とうとしています。
6回めの課題のテーマは「ケンカ」もしくは「ラブシーン」。
なんというか、今までで一番アイディアが浮かばなかった課題でした。
結構長い間考えて悩んでいました。
すごく薄っぺらいものになりそうだったので、ラブシーンを書く気はあんまりなくて、ケンカを書こうと最初から思っていたのだけど、シチュエーションが思いつかず。
この短い話のためにドメスティックバイオレンスとか、リサーチしようかな、と考え始めた頃、別にケンカは男女じゃなくても、大人じゃなくても良いのではと思うようになりました。
題材を見つけてから書き始めるのは間もなくで、あとはそろそろ(課題の枚数も増えてきたので)最初に立てた目標に真剣に取り組もうかなと思い始めました。
この目標は、シナリオノートにも書いたのだけど、3つあって
1つめは「すべての課題を提出すること」
2つめは「できるだけnoteに記録すること」
そして3つめが今回からメインにしていこうと思った
「伏線を仕掛けるスキルを得ること」
最近ドラマや映画を観ていてよく思うのは、面白い映画ほどやっぱり最初の頃にヒントがたくさん並べてあって、後から出てきて観客を楽しませるものが多いということ。
サスペンスでなくても、推理ものでなくても伏線が出てくる映画は、その時伏線に気づいていなかったとしても、「あれも仕掛けだったんだ!」とストーリーを面白くしてくれます。
というわけで、今回から点をつないでいって、お話を進めていくやり方をしていきたいと思います。
スティーブジョブズもConnectiong the dotsの話をしていたなと思いつつ。
第6回課題「ケンカ」
原稿用紙5枚のマイクロショートです。
今回も枚数が足りなくて初稿からたくさん削りました...。
バレエ音楽とか入れたかったのですが。
お楽しみください。
ほどける
人物
本田真季(14)バレエスクールの生徒
菅井リコ(15)真季のライバル
佐野ヒロキ(32)バレエ講師
◯バレエスクール・廊下
窓に一枚の紙が貼ってある。
菅井リコ(15)がその紙を見つめている。
廊下を歩いてくる本田真季(14)。
リコが真季に気づき、反対側に歩き始める。
紙の前で立ち止まりリコを見送る真季。
奥のドアが開き、中年女性と佐野ヒロキ(32)が出てくる。
真季、急いで窓の紙の方を向く。
紙には「ジゼル全幕キャスト」の文字。
窓ガラスに映る真季の顔。
◯バレエスクール・スタジオ(夜)
真季はバーのそばに座り、タオルで汗を拭きながらシューズのリボンをほどき始める。
リコがスタジオのドアを開ける。
飲みかけのアイスコーヒーを持ち、ストローを口で噛んでいる。
リコ「先生になんて言ったの?」
真季「何も言ってないよ」
リコ「じゃあなんで真季なの?」
真季「さあ」
真季、リボンをほどく手を休めない。
リコ「そういう態度が気に入らないの。先生に気に入られてるからって調子に乗って」
真季「乗ってないよ」
リコ「そう」
リコ、一呼吸おいて
リコ「あー、わかった。真季ママだ」
真季、手を止めリコをにらむ。
真季「ママ関係ないじゃん」
リコ「関係大アリじゃん!いっつも先生は真季ばっか。ママがいなきゃ真季なんて」
真季、立ち上がり
真季「先生に媚び売ってんのリコちゃんじゃん!その分練習したら?恥ずかしくないの」
リコ「リコだってやってるよ!」
リコ、コーヒーカップを真季に投げる。
廊下から佐野が入ってきて、殴りかかるリコの腕をおさえる。
佐野「リコ!何してんだ!やめなさい」
真季を見るリコの目から涙が流れる。
リコ「…なんでリコじゃないの?」
真季、リコの顔を見つめる。
リコ「なんでリコじゃないのよ…」
声をあげ泣き始めるリコ。
佐野、ゆっくりとリコを抱きしめる。
視線を外す真季。
おしまい
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