「叱り方に自信がなく、あえて部下と距離をとる上司もいますが、これは感情任せで叱るより悪い」
同感です。
「部下と向き合わず、陰で愚痴をこぼすような上司がはびこる組織」は非常にまずい組織だと私も思う。
仮に部下がやる気のない人間だったり、仕事が遅い人間だったり、何度言っても同じミスを繰り返す人間だったとしても、「陰で愚痴をこぼすような上司」なら、責任は上司にもあると思う。
上司が部下をちゃんと叱ってくれないと、他の部下の不満が溜まる。
ちゃんと頑張っている部下は「なんであいつはサボってるのに叱られないんだ」という不満を持つし、よく叱られる部下なら「なんで自分は叱られてばっかりなのにあの人は叱られないんだ」という不満を持つ。
部下同士で関係性が悪くなると、チームの雰囲気全体が悪くなる。
チームの雰囲気が悪くなった時に、普段は部下を叱れない上司が急に方向転換できるかというと、その可能性は極めて低い。
部下は平等に扱わないといけないと頭では分かっていても、上司も人間だから、部下の好き嫌いもあるし、「あの部下は怖い」とか「この部下は叱りやすい」というのもあって、無意識に不平等な行動をしてしまうこともあると思う。
これまた上司も人間だから、部下に対して、「優しく言っても聞いてくれない」「何度注意しても直らない」「指摘すると全部言い返してくる」といった不満が出てくるのも自然な感情だと思う。
だから、最初から部下に向き合わない上司よりも、叱るタイミングや言葉を選びながら、何度も向き合ってきたけど、成果が出ないという上司の方が多いんじゃないかなと思う。
それでも、「陰で部下の悪口を言う」のは良くないと思う。
部下を持つ同じ立場の人に相談するのはいいとしても、その部下を直接叱るのではなく、他の部下の前で不満を言うのは完全にマナー違反だと思う。
部下側からすると、不満が大きくなるだけ。
上司が愚痴を言っているのを聞くと、最初は「自分の考えがおかしいのかと思ってたけど、やっぱり上司も問題視してたんだ」と安心するけど、同時に、「おかしいと思ってるなら、陰でこそこそ言ってないで、ちゃんと注意しろよ」と思う。
部下が仕事ができないんじゃなくて、上司が責任放棄してると思う。
部下目線や、上司の上司目線だと、「ちゃんと叱るのも仕事だ」と思う。
でも、上司目線だと、「叱るのって難しいな」とも思う。
私には部下がいないけど、後輩はいる。「後輩に対してちゃんと叱ることができているか」「陰口を言っていないか」と問われると、できていない。
「じゃあ、これからはちゃんと叱るようにしてみて」と言われたとしても、うまく叱れる自信がない。
「叱り方」や「褒め方」は人の心を読みながら、人のタイプを把握して、チーム内の空気も読みながら、意識的に鍛えていかないといけない。
私も鍛えていかないといけない立場に差し掛かってるよな。難しい。