ていたらくマガジンズ__65_

碧空戦士アマガサ キャラクター名鑑(3)

[] [目次] [次]

 よくきたな🍑

 この記事はオリジナル変身ヒーロー小説『碧空戦士アマガサ』のキャラクター紹介コーナーです。

 3話まで読み終えた方向けのキャラ名鑑となっています。3話のネタバレが含まれていますので、未読の方は先に読むことをお勧めします。

- LINKS -
 ▶︎プロローグから読む
 ▶︎第3話から読む
 ▶︎シリーズ目次

▼キャラクター紹介記事 ポリシー▼

メインキャラ全員を毎回紹介。話を追うごとに追記。
サブキャラや怪人は分量見合いで割愛。

アマガサ/九十九神

 天気雨と共に現れる怪人<雨狐>と戦う、白銀の戦士。カラカサをはじめとして様々な付喪神の力を行使し、超常事件を解決していく。
 自らを「雨狐の天敵」「雨を止ませる者」と称しており、天気雨の影響を無効化したり、物理攻撃無効の雨狐たちに対しても通常攻撃を加えることができる。
 九十九神たちは長寿ゆえか、人間嫌いな者や偏屈な者が多い。湊斗には協力的だが、<時雨>のメンバーには非協力的な一面も……。

天野湊斗(アマノ・ミナト)/アマガサ

「俺は傘──この雨を止ませるための、雨傘だ」

 本作の主人公。白銀の戦士アマガサへと変身する。一人称は「俺」。左利き。雨狐と戦うことを使命として旅をしていた。日銭をどのように稼いでいたかは不明だが所持金は心許なく、2話時点では晴香・タキが立て替えている。

 使命感・責任感が強すぎるタイプで「雨狐と戦うのは自分だけで良い」という考えを持っている。そのため、大怪我で変身ができない状況であっても自らを盾として人々を逃がそうとしていたが、晴香の決死の説得や、イナリとの実力差を身を以って感じた事などによって考えを改める。

 普段は物腰柔らかな性格であるが、雨狐に対しては態度が豹変。例えば既に致命傷をおった雨狐に対し全力のキックを入れる、子供の雨狐の手足を捥いで拷問するなど、情け容赦なく残虐行為を行っている(なお、晴香たちはそれに気付いていない)

 空手をベースとした我流のスタイルで戦う。徒手空拳が主だが、扇子を使った戦いや銃(カラカサ)を使った戦術まで幅広く対応してのける柔軟性を持つ。変身によって身体能力を極限まで高め、蹴りを主体とした攻撃で雨狐を圧倒する。

 <時雨>との協力に合意した際、自らが<アマガサ>と呼称されていることを知った。なにやら気に入ったらしくそれ以降は自ら変身中のコードネームとして名乗るようになった。

◆カラカサ/傘銃アンブレイカー

『晴香さんは、湊斗を助けてくれる人だ。
だから──力になってほしいんだ』

 雨狐の探知、結界の構築・制御、アマガサ変身時の妖力制御など、雨狐退治にはなくてはならない存在。湊斗がアマガサに変身した際は、西洋のランスのような形状に変身。傘銃アンブレイカーとして左手に収まっている。

 湊斗のことは心から信用しているが、一方で人間に対して不信感を抱いている。晴香に対してもそれは同様で、その強引さも相まって当初はかなり強い不満を抱いていた。

 しかし、晴香の体を張って人々を逃す姿や、湊斗とタキを信頼して戦う姿を見るうちに認識を改め、協力することを決意。リュウモンと共に<時雨>のサポートとして戦いはじめる。

 カラカサによる雨狐の探知は、気脈の流れや風向きに加えて、雨狐の妖気の動きを捉えるものである。彼曰く、<時雨>の周囲には雨狐の妖気が色濃く残るポイントが複数あり、そこを軸として探索をしているらしい。言い換えるならば、雨狐の被害に遭っていながらも<時雨>が気付いていない場所が、この付近には多数存在しているということになる──

◆リュウモン

『坊主に免じて、協力してやろう。ワシを振れィ!』

 扇子の九十九神。一人称は『ワシ』。扇子が長い時を経て九十九神へと変化した存在で、その表面には見事な龍が描かれている。九十九神となってからかなりの年月が経っており、カラカサからは"爺ちゃん"と呼ばれている。

 緑色に輝く、超自然の風を操る。身に纏うことで天気雨を弾いたり、竜巻を発生させて雨狐を吹き飛ばすことができる。また、晴香が使うときはちゃぶ台ほどもある大扇子へと姿を変える(曰くこちらが"真の姿"である)。大扇子の状態では発生させる風の出力が爆発的に向上する。

 人間が嫌いであり、当初はカラカサと同じく晴香たちに力を貸すことを拒否していた。しかし、カラカサの必死の説得と、晴香の男気を認めて力を貸すことを約束した。その後、ブチギレたタキの圧に負けてなし崩し的に彼にも協力することになる。

☔️

超常事件対策特別機動部隊 <時雨>

 超常事件の調査、解明、解決を目的に組織された、警視庁直属の特殊部隊。発起人は警視庁武術顧問・河崎光晴であり、彼が隊長、その孫の河崎晴香が副隊長を務める。つい最近、天野湊斗が正式に隊員として加入した。

◆河崎晴香(カワサキ・ハルカ)

「大丈夫。牛肉は完璧だ」

 本作のヒロイン。24歳、一人称は「私」。特殊部隊<時雨>の発足時、隊長である光晴の鶴の一声で副隊長に抜擢された(光晴曰く「修行のため」)。

 実家の武術道場で幼い頃から稽古を積んでおり、卓越した身体能力と近接戦闘スキルを持つ。その身体能力に加え、人一倍強い正義感を持ち、トラブルがあれば積極的に首を突っ込み、力技で解決する。

 男勝りで素っ気なく、仕事に対しても真面目で愚直である一方、湊斗に対して「(消したはずの)記憶が残っている」とハッタリをかけて協力者に引き込んだりとクレバーな側面も見せる。

 子供好きな一面があり、。これは父親との確執により悲しみが多かった幼少期の体験が理由となっている。現在も父親の元春(マーベラス河崎)とは仲が悪い。

 徒手空拳で戦うことが多く、湊斗とは反対に蹴り技よりも拳を使うことが多い。また、湊斗から託された扇子の付喪神・リュウモンの力を借りることで、アマヤドリ程度であれば自力で対処できる。現場で大暴れしながらも湊斗やタキの司令塔として活躍するなど、雨狐戦においてもなくてはならない存在。

◆滝本晃明(タキモト・テルアキ)

「なんつーか、まるで災害っすよねぇ」

 <時雨>のIT顧問であり、晴香の弟弟子。幼少の頃から現在まで晴香にパシられ続けている可哀想な子。22歳、一人称は「俺」。

 腕っ節が強く、大人を2、3人まとめて投げるほどのパワーを持つ。晴香の祖父・光晴の元で武術の基礎を学んだ経験から、晴香とともに前衛チームとして身体を張っている。同時に本職であるIT顧問としてシステム構築等も実施しており、隊員たちからは「あの人いつ寝てるんだ?」と声が上がっている。

  晴香に対しては過去になんらかの恩があるようで、彼女のことを心から信頼し、従っている。そのため、晴香が危機に陥った際にはその怒りがピークに達し、精神干渉を打ち破ることに成功した。

◆乾 慎之介(イヌイ・シンノスケ)

『三丁目交差点に他に車両はいません。イケます!』

 <時雨>の諜報班長および後衛指揮担当。第1章では声のみの登場。一人称は「俺」、28歳。

 時雨発足時に自ら志願してこの任に就いた。<時雨>ではタキと並ぶ常識人であり、とかく暴走しがちな隊員たちの取りまとめを行なっている。部下であるソーマとリンのことを相当可愛がっており、二人からは「シンさん」と呼ばれ頼られている。

 普段は慎重派だが、スクーターに飛びかかろうとする晴香のサポートを行うなど柔軟な側面も。

◆雪村 宗馬(ユキムラ・ソーマ)

「よろしゃす」

 時雨の隊員。18歳。一人称は「俺」。デバイス作成と後方支援を担当している。若く礼儀はないが、やることはやるタイプ。

 マーベラス河本をパレード会場まで送り届けた際、雨狐<つたう>の能力に巻き込まれてしまい、昏倒・入院。その後当然のように事件の記憶を失っているが、「事件現場に居ながらなにもできなかった」という自責の念に駆られている。

◆佐倉 凛(サクラ・リン)

「お気軽に凛とお呼びください」

 時雨のオペレーター。20歳。一人称は「私」。礼儀正しい性格。ソーマのことを弟のように思っている。

◆河崎 光晴(カワサキ・ミツハル)

「やかましいぞ元春。ここはオフィスだ」

 時雨の隊長であり、晴香の祖父。一人称は「俺」。その武は衰えることを知らず、齢70を超えた今でも毎朝の稽古で門下生(警視庁の職員)をボコボコにしている。

◆河崎元春(カワサキ・モトハル) / マーベラス河本

「マーベラス! マーベラス! マベマベマーベラース!」

 光晴の息子であり、晴香の父。お笑い芸人”マーベラス河本”として芸能界で活動している。全く売れない芸人であったが、本人曰く「俺にはこれしかない」と芸の道を諦められなかった。そうこうするうち、晴香の母は病気で他界。死に目にあうことができなかった上に、それが原因で晴香との断絶は確固たるものとなってしまった。

 その後も食うに困って光晴のもとへ助けを求めては追い払われるなど、散々な人生を送っていた。しかし、幼い頃から光晴の道場で稽古をしていたことによる身体能力の高さを生かし、実際にライター一本で山籠りした経験を記した著書『アラフィフがライター一本で山籠りしてみた』が大ヒット。一躍時の人となった。

 雨狐<つたう>の事件に巻き込まれるが、体を張った一発芸で<つたう>の感情共有にノイズを発生させることに成功。窮地を打開した。その後精神ダメージが原因で昏倒、当時の記憶を失ってしまった。後にその時のステージは「河本の芸があまりに面白くなかったから観客が気絶した」と伝説になるが、本人もなにがあったかよくわかっていないため否定しきれずにいる。

🌂

怪人<雨狐>

 アマギツネと読む。天気雨と共に現れる怪人。

 その顔は狐の面と同化しており、基本的に髪はないが個体によっては鱗が発達したトゲが髪型を形作っていることもある。黒い鱗は全身にも生えている。天気雨そのものや雨を浴びたモノに干渉し、超常事件を引き起こす。

 普段から現世にはいるものの、天気雨が降っていない状態ではそちらに干渉することができず、声すら届かない。

 超常事件の背景には、なにやら目的があるようだが──?

◆イナリ

「ゲームといこうぜ、アマノミナト」

 "原初の雨狐"の一角にして、「雨狐の王」を自称する武人。血の色の鎧を身を纏い、腰には刀と脇差を提げている。雨の力は不明。

 アマガサの全力の一撃を刀一本で弾き、白銀の鎧を一太刀で斬り裂き変身解除にまで追い込むなど、その圧倒的な力を持つ。また、けしかけた<ゲーム>を盛り上げるために、数多の雨狐に対して「褒美」をちらつかせている。具体的なその中身は不明だが、ゲームが盛り上がって喜ぶのはイナリだけだろう。

 上記の通り普段は現世に干渉できないため、かなり退屈している。最近の遊び道具は紫陽花で、「とりあえずそこで爆発しろ」などと無茶振りをしては彼を困らせている。

◆紫陽花(アジサイ)

「……勘の良いやつだ」

 "原初の雨狐"の一角。夜色の平安装束に身を包み、その手には錫杖を以っている。思慮深く、アマガサの戦いを見て九十九神の協力を言い当てる一幕もあった。

 天気雨を浴びた者の精神を汚染し、錫杖で操ることができる。時雨の調査ファイルにある<ケース02 殴り合いの町>は紫陽花の仕業。

 戦闘能力は並程度で、アマガサに一度は追い詰められるが、イナリと羽音に救い出される。イナリは「死なれると困る」と言っていたが、その真意は明かされていない。

◆羽音(ハノン)

「不意打ちのつもりかしら?」

 "原初の雨狐"の一角。鮮やかな赤金の花魁装束を身に纏う。天気雨の能力は不明。

 軽く叩くだけでアマガサが吹き飛ぶ、鉄パイプで組まれたステージを一撃で破壊する、突っ込んできた自動車を片腕で止めるなど、その細腕からは想像もつかない怪力を持つ。

 部下として使役する雨狐は彼女が「調整」した者たちで、その多くは子供の雨狐である。本人の能力を強化するという点にこだわるが、それによって本人の感情や手足などが無くなることも辞さないという狂人。

 その身体能力ゆえに、これまで顔面を殴られたことなどなかった。マーベラス河本の一件で、晴香のアッパーカットを見事に食らった彼女は──?

◆アマヤドリ

 雨狐が作り出す人形。雨狐の「なりそこない」。のっぺりとした人型で、武器を持つ者もいる。

 天気雨によって形成された水溜りから現れる。身体の構成要素が雨そのものであり、基本的に物理攻撃は無効。ただし、アマガサはそれに干渉する事ができる。

 雨狐たちと違い、天気雨がない状態でも現世で活動が可能。そのため、現世でなにか物を集めるなど、ちょっとした用事に使われることも多い。なお、天気雨が降っていない状態で破壊された場合、再生はできない。

◆つたう

 第3話に登場。若草色の甚兵衛を纏う、子供の雨狐。天気雨を介して浴びた者の感情を強制的に共有させる力を持つ。共有能力は本人も対象であり、雨を浴びた者は<つたう>の持つ恐怖を注ぎ込まれることになる。なお、その恐怖は羽音(ハノン)によって刷り込まれたものである。

 湊斗に追い詰められ拷問されるも、"カミサマの欠片"を噛み砕くことによって黒い大蛇へと姿を変え、生じたスキをついて逆にアマガサを飲み込んでしまう。その後、恐怖を注ぎ込まれて動けなくなった晴香を殺そうとしたことがタキの怒りを買い、逆に怒りを注ぎ込まれたところを、タキがふるったリュウモンの一撃で吹き飛ばされてしまう。最後は吐き出されたアマガサの放った特大光弾によって消滅した。

◆水鏡(ミズカガミ)

 プロローグに登場。"天気雨"によって生成された水溜りを"底なし"に変え、人々を沈めていった。得物は刀で、名称と同様に本編では触れられていないが、イナリに剣術を教わっていた。底なし沼で敵の足場を乱し、斬り殺す。

◆鉄砲水(テッポウミズ)

 第2話に登場。<紫陽花>の配下の雨狐。天気雨を集めて水弾を形成し、放つことができる。その爆発力は水弾のサイズに比例する(大きな水弾ほど作るのに時間が掛かる)。身長2メートルほどの巨漢であり、手にする得物も青龍刀めいた大太刀とかなり前衛向きの怪人。

 策を弄することができない脳筋であることを気にしており、第2話では湊斗と晴香を分断させるなどの作戦を実行する。が、晴香のほうが賢かったため早々脳筋モードに戻った。

 作中では語られていないが、もともとはイナリの弟子であり、大太刀の扱いはイナリに教わった。同じくイナリの配下に弟がいる。

第4話予告

カラカサが探知した「雨狐の気配が色濃く残るポイント」の調査を進める一行の前に、新たな雨狐<雨垂れ>が姿を表した。
そいつは<鉄砲水>の弟で、<水鏡>の弟弟子だと言う。身内を殺され、拷問された怒りの発露。それは図らずも、晴香と湊斗の”かくしごと”を暴いてしまい──?
「え? 記憶あるって言ってたよね?」
「いくらなんでも拷問はやりすぎだろ!?」
「神獣戦隊! ダイオーガッ!」
「正義の味方なんかじゃ、ないよ」

次回、碧空戦士アマガサ
第4話
『英雄と復讐者』

[] [目次] [次]

▼マガジンはこちら▼

▼桃之字の他作品はこちら▼


🍑いただいたドネートはたぶん日本酒に化けます 🍑感想等はお気軽に質問箱にどうぞ!   https://peing.net/ja/tate_ala_arc 🍑なお現物支給も受け付けています。   http://amzn.asia/f1QZoXz