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割れた茶器を抱いて
拝啓 Y
大事にしてた茶器が、割れました。無惨にも、真っ二つになりました。
胸に稲妻が走った。忘れていたけれど、心変わりを受け入れる心の準備ばかりしていました。
茶器を拾って、元の形に合わせて、元に戻ってほしくて、ずっとそうしていたけれど、そのうち、盤の上にそっと置いて、これが部屋に来たとき、とても嬉しかったことを思い出しました。
嬉しくて、ずっとそのままであって欲しかったんだと、割れたときに、変わらないと思い込んでたと、やっと気付きました。
一日中、気分が沈んで、雨のせいかと思ったけれど、それは、茶器が割れたくらいでわたし、そんなに落ち込むわけないと思いたかったから。
夕刻、自分でか、頼んでか、金継ぎして、前より可愛くなって戻ってきてもらったらいいと思い立ったら、胸の棘が消えました。
前の姿には戻れなくても、わたしはそれが、好きで、大切に思っているようです。部屋に迎えた当時のわたしのいろんな気持ちも。
今は今で、あなたも、気持ちを大切にして、生きていて下さい。
令和4年1月25日 水曜日付
J
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難しいです……。