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33通目 忘れないで

 わたしは今日少し、安心を思い出した。

今日の手紙

 言葉が通じる瞬間を取り戻しつつあります。
 元気を出してはいけないのかと思ったけれど、ああ、わたしは人が元気を出すのを見て喜んで、喜んでくれる人を想うと元気になりました。

 今日の日は、三日くらい経ったように感じる日です。
 あなたの時間はどうなっているでしょうか。

 街に慣れ親しんでくるほど、残りの時間が少なくな、(るの書きかけ)地震が来ました。
 カゴの中のハムスターが立って、耳も立てているとき、危険を知らせたり守ろうとしたりするこのわたしたちに、友情があったら、わたしには間違いなく、情があります。

 わけがあって、もう情けなど持ちたくなかったですけど、一時間前、わたしは落ち着きのない彼を見て、具合でも悪いのかと気になって(追記。手紙も書けなかったです)、ゆで卵の白身を上げようとしてみたりして、地震で揺れているときに、まず彼を抱き締めようかと考えたのも、その四時間前涙目の女の子に(追記。元気がないとき、どうしますか?という質問を受けて、喜んでもらえないことばかり見ていると倒れそうだけれど)「喜んでくれる人をおもうと立ち上がれるよ」と話したことも、(わたしには、もう)証明できないのかも知れないけど、忘れないで。

 二〇二一年十二月二日付

難しいです……。