架空ヴィジュアルの5



――――(このPCも、もう買いかえ時かな)――――

「ゆゆ式」を観た。
面白かった。
やはりそれぞれキャラが立っていた気がする。―――翁は自身のアニメ観賞眼とでも言っておこうか……その一種の審美眼をまだ信頼しきれていないために断言するという事を恐れていた。だがこれも近々克服しなければならないはずだった――――
私がシンパシーを感じたのは、あのお母さん先生の良心の呵責の有無に対する態度。
つまりは、PCを情報処理部の部室からこっそり自宅へと持って帰ってケロリとしている。
あの図太さは見習いたい。(本当にそうか?私なら罪悪感で…)

そして友達同士の、あの委員長?だったか?―――を中心とする可愛らしい嫉妬。年甲斐もなく思わず頬がゆるんでしまった。
(嫉妬…それはこの世を地獄に変える第一手…)


―――翁はもうすでに、よどんできた頭に気づいた。こういう時は睡眠不足の時であるのを常としていた。よって記事作成中の彼になすすべはなかった…戸張はやりかかったことを途中で投げ出せない性格…弱さがそこにあった…――――

(私は右顧左眄している……あれからずっと)――――胃を切除した時を指していた――――

私は、今Wikipediaで、この作品の事をざっと、調べてみた。
そうだ、多くの方が思ったであろう「ゆるゆり」の、ゆい先輩と、ちなつちゃん、の関係の二人が出ている。
これは個人的に嬉しい。
就中私は津田美波さんの声を好んでいる。
故に上に書いた「ゆるゆり」も好きだ。――――(頭を使わないコメディ系作品というのは本当に心が楽になる)…それは、普段、生真面目すぎる翁へ、ゆとりを与えるものだった――――

――――(そういえば「おちこぼれフルーツタルト」は、きらら系だった。)
(そしてこれもそうらしい…)――――

――――翁は、きらら系というものへかなりの抵抗があるようだった。それはTwitterで若者たちが、このジャンルを愛好しているのを度々目撃していたから…それはまだ精神の出来上がってない若輩者たちと同じものを自分自身も愛でたくない…つまり同類として扱われるのが嫌だ!という、そのような思考を彼は有していた―――これこそ未熟な精神である―――それに気づかず…本人は【無自覚な】そのような激情があった。もしかしたらそれは、全て息子へ向けた怒りが屈折して発露したものかもしれないのだった。――――

(「ゆるゆり」は百合姫だったろうか?…Wikipediaには、コミック百合姫と書いてあるな…他に百合姫といえば、おや「わたてん」がある…)

――――しかし、戸張翁は、「わたてん」への【感想文】は他日に譲ろうと考えた。単簡に言えば精神衛生上この負のスパイラルから逃げ出したかったためである。――――

(眠い…こういう時、眠剤があればな…ロヒプノール…そう…まだ私の時にはロヒプノールがあった…。今はゾロであるフルニトラゼパム錠が欲しい。)

ところで「ゆるゆり」を例にとって無知を晒すと、ゆいちな?とかだろうか?ちなゆい…とか?そのカップリング?というのを表現する際に使う短縮形の言葉…私はあれがイマイチ解らない。
まあ、御用になる日が来るとは思えないし…二次創作に手を出すとかも、まず無い。私はコミュニケーションをネットの上でとるという事を殆どしないからいいのだが、理解は深めたいと思うので、勉強したいと思う。

(これは瞞着かもしれない…しかし文字を埋めるために…)―――文字を稼ぐ。この時、翁はそれが免罪符になると安易に思っていた。しかしこういうのが巡り巡って自分にかえってくる。…けれど眠気のためにそういう思考も働かないのだった。―――

――――(1500字、いや、もう200字くらい上だろうか…それにしても…)
(このブログを始めて最初のがやはり一番短かったが、これはその次に短い。どんどん文字数を増やすのが目標だったが…然れども、それでこの文章セラピィが駄目になっては敵わない。これでいいのだ…。)疲れのため戸張翁の頭は極端なほうへ走り【諦念】というところまで落ち込んでいった。
けれど、だが、この日も短い感想文を主治医との約束通り載せた。

(今日も形を成してなくとも一応、文字は並べた。そして達成感があった。こんな駄文しか書いていないのに…これが先生が期待している効能だろうか…)
彼はPCをスリープ状態にし、ベッドへ潜っていった。
すると、息子と妻が仲良く談笑しながら外出していく音が聞こえた。
そして眠りに入る直前、まだ意識が健在であった戸張の頭には、どういうわけか「勝手にしやがれ」が自動的に再生され始めていた…。
(もういい…これが私の今日のララバイだ…)
一家の長は文章作成の疲れを利用して昏々と夢へ沈んでいった。……――――






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