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〈Tasukuの留学記〉 人種差別を受けた

こんにちは、台湾正規留学からプラハに交換留学中のTasukuです。

先週末、ポーランド人の友人に誘われて、オーストリアのウィーンへ二泊三日の旅行に行ってきました。街並みがとても綺麗で、クリスマスシーズンだったこともあり、町中がクリスマスの雰囲気と活気に包まれていました。

総じてウィーンの旅行は楽しい思い出になったのですが、一度あまり良くない体験をしました。

人種差別を受けた

ウィーンの中心部にあって、ユネスコの世界遺産にも登録されているシュテファン大聖堂に向かう道中、路地でストリートパフォーマンスのようなもの(もしかしたら人に見せるパフォーマンスではなかったのかもしれない)をやっていたので立ち止まって写真を撮ろうとした時、パフォーマーと思われる男性がこちらを見て、手で追っ払うような仕草をしながら、「○△×□、チーナ!」と、ドイツ語(オーストリアの公用語)と思われる言葉で怒鳴りつけられました。

後で同伴していたドイツ人に話を聞くと、「チーナ」はドイツ語で中国を意味し、私は人種差別発言で追い払われたのだとのこと。つまり彼は私が中国人でないのにも関わらず、見た目から私を判断し、「あっちいけ中国人」と私に言い放ったのです。その時私は一人でその場に立ち止まっており、友人たちは前を歩いていたため、その時の様子を見た友人はいなかったものの、後でその話を彼らにすると、「What the fxxx, I am so sorry」(なんてことだ、とても同情します)と、慰めてくれました(優しい( ;  ; ))。

シュテファン大聖堂の外観

実際に人種差別を受けて感じたこと

ヨーロッパに来てから3ヶ月余り、初めてアジア人として差別を受けました。渡航前からある程度覚悟はしていたのですが、何しろ私はこれまでずっとアジア圏で生活しており、アメリカとカナダに行ったことはあったものの、今までこれといった人種差別を受けてきませんでした。国際関係学を学ぶ学生として、人種差別の問題には関心があったため、社会勉強として一度差別に会ってみてもいいかもしれないという考えはあったのですが、いざ実際に人種差別を受けてみると、大変悲しい気持ちになりました

Black Lives Matter

アメリカでは昔奴隷制度があった影響が今でも残っており、人種差別の問題が度々話題に上がります。近年でも2020年5月に黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人の警察官に命を奪われるという事件が発生したことをきっかけに、黒人の命は大切であることを意味する「Black Lives Matter」という黒人へのヘイトクライムに対する抗議運動が世界中に広まり、黒人差別が大きく問題視されることとなりました。

Stop Asian Hate

また、アジア人も例外ではありません。グローバル化が進み、アメリカ国内にもアジア人またはアジア系アメリカ人が多く居住するようになりました。中にはアジア人の顔立ちの違いから、目尻を引っ張って、欧米人と比べて目が細いというステレオタイプ(偏見/固定観念)があるアジア人を馬鹿にするような差別的行動をとる人もおり、アジア人の人種差別問題も非常に深刻です。

2019年から世界中でパンデミックとなったコロナウイルスの影響から、欧米圏をはじめとする諸外国では、中国人のせいで世界が滅茶苦茶になったと考える人が増え、アジア人に対するヘイトクライムの件数が増加しました。中国人でなくても、アジア人であるというだけで人種差別を受ける場合も多くあり、日本人も度々被害に遭っているそうです。

そんな中、ニューヨークの地下鉄で、61歳のノエル・キンタナさんがカッターナイフで切り付けられた事件や、2021年2月にオークランドのチャイナタウンで91歳の男性の地面に突き飛ばされるなどといった事件が起こり、2021年、アメリカ中で「Stop Asian Hate」というアジア人差別に対する抗議運動が起こりました。

「差別こそウイルス」であるという言葉を掲げる少女

日本やアジアで暮らす日本人が考えるべきこと

日本に暮らしている日本人が人種差別を受けることは非常に少ないですし、正直差別を受けた際の感覚がわからない人が多いと思います。しかし私たちの国の外では、肌の色が違うだけで能力が劣っていると判断されたり、暴言・暴力を受ける人が多く存在します。

今回私が受けた差別は、軽い方に分類されるかとは思いますが、この程度であっても精神的にかなり傷つきました。こういった問題に対し、「私は差別を受けたことないし、するつもりもないから関係ない」と考えてはいけません。たとえ自分には悪気がなかったとしても、ちょっとしたステレオタイプから差別を受けたと感じる人もいるのです。

グローバル化が進む現代において、これから日本人が旅行や仕事などで海外に行く機会が増えるかもしれません。あるいは日本を訪れる観光客だけでなく、自分の働く職場や学校に、自分とは異なる人種の人が入ってくるかもしれません。外国人との関わりが増える時代において、互いの文化やアイデンティティーを尊重する態度は必要不可欠ですし、自分が人種差別を受けないためにも、人種差別に対する問題意識を持って、お互いを尊重し合える気持ちを忘れないようにしましょう。

最後に…

今回の記事も、最後までお読みいただきありがとうございました!スキ(いいね)とフォローも忘れずによろしくお願いします!今後も、留学生活に関する情報、それからサステナブルファッションに関わる情報も記事にしてお届けしていきますので、次回以降の記事もお楽しみに!

また、私が運営するポッドキャスト番組「チェコっと放浪旅」では、台湾留学で出会った世界一周旅行中の友人とお酒を飲み交わしながら、台湾留学やチェコ留学、世界一周旅行に関する話題など、海外生活で生まれた生産性のあるお話をお届けしています。毎週木曜日に更新していますので、興味のある方は是非、そちらの方もチェックしてみてください!


古着の可能性を世の中へ、
著:Tasuku

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