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格安ブランド「SHEIN」の善と悪

TikTokやInstagramをはじめとしたSNSやWeb広告で最近よく目にする「SHEIN」を、皆さんはご存知でしょうか。

圧倒的低価格でデザイン性の優れた衣服が手に入るとして、世界中で人気を博し、日本国内でも多くのインフルエンサーやイベントの宣伝等により、市場を急拡大しています。

その勢いは凄まじく、2022年のSHEINの売上高は240億ドル(約3兆5400億円)に達する見通しで、業界大手のZARAの売上高、277億ドル(約4兆円)に迫る勢いで成長を遂げています。

今回は中国発のファストファッションブランド「SHEIN」がなぜ低価格を実現できるのかについてお話しします。

個人的にはどのファストファッションブランドに対しても否定派なので、もちろんSHEINを利用するのは反対の立場なのですが、悪い面が取り上げられがちなSHEINにも革新的なところはあり、これからのファッション業界に取り入れていくべき点は少なからずあるというのが個人的な見解なので、今回はSHEINの良い面と悪い面の両方を紹介していきます。

ファストファッションの台頭

運送技術や通信技術の発達により、世界のサプライチェーンはさらなるグローバル化、複雑化が進んでいます。グローバル化によりサプライチェーンの形が大きく変わった業界の一つがファッション業界であり、生産コストの低下によって低価格で衣服を提供するファストファッションが台頭しました。

サステナビリティvs 低価格

しかし、世界中で利用されるファストファッションの安すぎる価格に疑問を持つ人たちが現れた結果、ファストファッションブランドが環境に与えている影響や生産ラインにおける劣悪な労働環境の実態が明るみになり、ファッションにサステナビリティ(持続可能性)を求める動きが近年活発化していました。

あらゆる批判をうけ、ファストファッションブランドの多くも試行錯誤してサステナブルなサプライチェーンのあり方を模索してきました。しかし、SHEINが急成長を果たし、圧倒的な低価格は未だ多くの消費者にとって最大の魅力であるということが明らかになりました。

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