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暑い時期は、花にも納涼! 〜花を楽しむお手入れのコツ 【飾る場所 編】〜

真夏の暑い時期。夏のお楽しみはたくさんありますが、あまりの暑さにぐったりすることもありますよね。実は、切り花もまったく同じ。暑い日は人間が汗をたくさんかいたり、呼吸が荒くなるのと同じ現象が起こっています。そこで今回は、夏に切り花を楽しむ、“暑さ対策”についてご紹介します。

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「夏は花もちが悪い」と言われることがありますが、夏でも“花のある暮らし”を楽しみたいですよね。そのためには、人間と同じく、涼しくて気持ちのいい部屋に置いてあげることが一番です。

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花を涼しい場所に飾るのは、気温(室温)が低いほど花もちがよくなる傾向にあるからです。そのヒミツは、植物の「呼吸システム」

植物は栄養を運ぶため、主に葉の裏にある気孔を閉じたり開いたりして常に呼吸をしています。呼吸量は温度によって変化するのですが、暑い場所では気孔が開く時間が長くなって呼吸量が増え、反対に涼しい場所では閉じる時間が長くなって呼吸量が少なくなります。

そのため、暑い場所に飾った花はどんどん呼吸をして栄養を運ばなくてはいけないので、細胞が活性化して開花が進むのです。

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この呼吸量が増えすぎないためにも、暑い時期に花を飾る時は
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★直射日光の当たらない場所に置く
人は、日光に当たると皮膚が暑く感じ、体温を下げるために汗をかきます。切り花も同じで、日光が当ると植物体温が上がるので蒸散により冷やそうとしますが、葉から逃げていく水分が多くなって萎れてしまうので、気をつけましょう。

★エアコンの風などが直接当たらない場所に置く
日光と同じく、エアコンなどの風が直接当たると切り花の水分を奪ってしまうので、気をつけましょう。冬場の暖房が効いた部屋では、乾燥させないよう葉の裏側に霧を吹くことも有効です。切り花専用の蒸散防止スプレーを吹きかけるのも良いでしょう。

★風通しがいい場所に置く
先述しましたが、涼しい場所では花もちがよくなります。暑い時期は風通しをよくして、少しでも涼しくなるようにしてあげましょう。

★夜は暗くして休ませてあげる
葉の裏にある気孔は、明るいときに開き、暗いときに閉じます。夜でも照明などで明るいところでは、切り花は気孔から水分を蒸散し続けますので萎れやすくなってしまいます。夏はつい夜更かししがちという人も多いようですが、人が夜眠るように、植物も暗いところで休ませてあげましょう。          ==================================

というポイントに気をつけてみてください。

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また、暑い時期に繁殖しやすい花瓶の中の雑菌や蒸れを減らすために
★こまめに水を替える
★きれいに花瓶を洗う
★ぬめりをとって、切り戻しをする

ことなども、しっかり行いましょう。
これらは、以前の「水かえ編」でご紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。 ↓

また、
★花瓶にギュッと詰めて生けない
ということも、気をつけてあげると良いです。
これは、夏場は茎を密集させると蒸れやすく、早く傷む原因になってしまうからです。

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私たちも夏は暑いところにいるとたくさん水分補給したくなりますし、涼しいところにいると気持ちがよくて落ち着きますよね。花もそれと同じです。涼しい場所で、きれいな水をしっかり補給できる状態にしてあげて、ぜひ暑い時期にも色とりどりの花を楽しんでください。

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他にも花もちを悪くさせる要因に、「エチレン」があります。「エチレン」は植物の生長を促す植物ホルモンのひとつです。植物の成熟や老化に大きく関わるもので、実を熟し種子を作るためには不可欠なものなのですが、多くの切り花では「エチレン」によって花びらが萎れやすくなってしまいます。

「エチレン」はリンゴやバナナなどの果物からも発散されます。他にも冬場に使う石油ストーブやたばこの煙、排気ガスにも含まれていますので、できるだけこのような発生源から離れた場所に飾ってあげてください。
特にカーネーション、スイートピー、カスミソウ、バラ、ブルースターなどは「エチレン」の影響を受けやすいので、気をつけましょう。

暑い時期、切り花を飾る時にほんの少し気をつけるポイントはありますが、それをクリアできたら問題ナシ。
心身共に疲れやすい時期だからこそ、癒されたり、元気をもらったり、生活の中に豊かさや彩りを添えてくれる“花のある暮らし”を、オススメします。

公式サイト https://tasuhana.com/

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+hana ネネ(プロフィール)

『あなたの楽しみは花のために、花の魅力はあなたのために』をコンセプトとし、季節に合わせた素敵な花を、手ごろな価格でご自宅のポストにお届けするサステナブルな花の定期便「+hana(タスハナ)」の、立ち上げメンバー。元大手生花店で、店長を経験。皆さまのお困りごとが解決できればと、花のメンテや飾り方など、花についてのいろいろな知識をお伝えします。

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