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ツナグ ツナゲル +hanaネットワーク GLOWER'S FILE ⑤〜日本一とも言われるガーベラで、世界を明るくする後田花園 前編〜

前回お届けした花たちの中で、花を保護しているキャップ部分に「後田花園」と書かれているガーベラが届いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。後田花園さんは、長崎県諫早市で主にガーベラの生産をしています。花業界の人たちからは「日本一のガーベラ」と言われることもあるほどの、花農家さんです。今回は、社長である後田隆博さんに、ガーベラをどのようなところでどのように育てているのか、お話をうかがいました。

■1年中咲くガーベラの花と共に歩み続けて


Q:現在育てているものや、花園の様子を教えてください。

ガーベラがメインで、手まり草やユリ、ユーカリなどの花木類も2割ほど育てています。敷地は3600坪くらいで、ハウスは15棟。ガーベラは70品種くらい育てていて、全体で24000株くらい植えています。年間の出荷量は、150万本くらいですね。


Q:いつから花農園をされているのですか?

この花園は、約40年前に父が始めました。それを私が二代目として継いでいます。

専門学校卒業後は海外で別のことがしたかったんですが、1、2年くらい家で仕事をしてお金を貯めてから行くよう親からのアドバイスがあって。そこから花の仕事をしているうちに奥深さを知って面白くなり、この道でいこうと決めて現在に至ります。


Q:ガーベラをメインで育てている理由はありますか?

父の代ではカーネーションがメインだったんですが、海外から安く入ってくるようになって。そこで目をつけたのが、ガーベラでした。当時はガーベラの切り花は輸入されていなかったので、父が試験的に育てるようになったのがきっかけです。

お客様に少しでも長く美しい花を楽しんでいただくには新鮮な状態のものをお届けする必要がありますから、それなら国内で育ててお届けしたいとの思いが強くなり、成育にチャレンジしていきました。

後田花園さんのハウス

Q:今もガーベラの輸入物がないのは、長距離輸送に耐えられないからですか?

そうですね。日本みたいに一つひとつの花にキャップはされていないので、到着すると花びらが落ちてしまっていることなどもよくありますし。海外からキャップを付けて輸送すると、日本に着いた時には蒸れて品質が悪くなっている難しさがあるので、海外からはほぼ輸入されていませんでした。

輸送時にはキャップで守られています

Q:それでガーベラの切り花は、国内産が主流なんですね。

当園でも私が就農してから徐々にガーベラにシフトして、約10年前にカーネーションは全部やめて、ガーベラに切り替えました。

ガーベラは管理次第では通年採花できるので、一年中お客様に楽しんでいただけますし。

ガーベラは静岡県での成育が盛んですが、長崎の当園のガーベラもぜひ日本中のお客様にお届けできたらと、関東方面に販売や営業に行ったんです。その時、大手の花き花会社さんが目を留めてくださり、それから関東方の出荷が始まって、今では全国で販売されているので嬉しいですね。


Q:ガーベラは、一年中花が咲き続けるんですね。

そうなんです。だから、一年中採花と出荷をしています。しかも1回の定植で3年くらいもつので、毎年面積の1/3ずつを交替で改植するようにしています。ミニガーベラだと、1株から年間150本くらい採れるんですよ。


Q:そんなにも咲くんですね。それなら水やりと採花は日課ですか?

花を切るのは毎日ですが、水やりはほぼ自動で行っています。コンピュータが全部してくれるんですけど、そこに入れる肥料のセッティングなどはしています。


■ほんの少しの心がけが、品質の大きな違いに


Q:花を生育する際に気をつけていることや、心がけていることはありますか?

発色がよくなるように、肥料の調合には気をつけています。きれいに発色するにも、花を大きくするのにも、丈伸ばすにしても、肥料のほんのさじ加減で違ってきますから。毎回気温や季節を見て、株が疲れてないかなどの状態をチェックして、経験と肥料設計の基準の中で加える肥料の数値を動かしています。


Q:私たちが夏に疲れたら、クエン酸を補給するといいのと同じですね。

肥料の追求は日持ちや茎の太さ、花色などに顕著に表れてくるので、ここにはこだわっていますね。それに、日持ちするよう、大きく、茎をしっかり作ることを心がけています。


Q:自宅で後田花園さんのガーベラを飾った時、他より茎がしっかりしているのがよくわかりました。

花が水を吸うところって、大事なところだと思うんです。そこがしっかりしていないと、日持ちもしないし、強いものができないという想いがあって。でも花全体のバランスも大事だと思うので、あまりごつごつしすぎないよう、理想の形を追求しています。


Q:それと後田花園さんのガーベラは日持ちもよくて、長く楽しめるように思うのですが。

出荷前の水あげも、特別に作ったガーベラ用の水あげ剤で1液、2液と手間をかけて漬けています。そうすると日持ちが少しでも長くなるので、ちょっとしたところを変えてしています。


Q:そういうちょっとしたことが、大きな違いになるんですね。

けど「後田さんのところのは、茎が太すぎて使いにくい」と市場から言われることもあって。「ミニガーベラなのにミニじゃない」とか。大きければいいわけじゃないんですよね。


Q:使われるシーンによっても、要望がそれぞれあるんでしょうね。

そういう声を聞いて、そのご要望にお応えできるものも販売するようになりました。お客様にご好評いただいて、こちらも嬉しいです。



■生産者から見たガーベラの魅力


Q:ガーベラの魅力ってどんなところだと思いますか?

花らしい花なのかなと思います。絵で簡単に描けるイメージもありますし。それに、たくさんの色があって、きれいな花が次々と咲くのがいいですね。


Q:ガーベラの最盛期はいつなんですか?

ガーベラは春が一番見ごろ。3〜5月くらいまでが最盛期です。でも一番綺麗なのは1、2月ごろで、花もしっかりしているし、ガーベラの環境にいい時期だと思います。最盛期くらいになると、どうしても虫食われも出てきますから。


Q:イチオシの品種を教えてください。

大輪のガーベラはかわいいですし、今はスパイダー系やパスタ系など変わり咲きの品種もいいですよね。うちでは定番色もたくさん作っているけど、特殊系が多くて。特別な色や変わった品種はオススメかなと思います。

+hanaでもお届けしている変わり咲きの品種

Q:飾る時のオススメや、気をつけるといいことはありますか?

なるべく少なめの水に浸けるようにして、水かえをしっかりしてもらえたらいいかなと思います。

とても前向きに、意欲的にガーベラと向き合い、愛情をしっかりかけて育てている、後田社長。その花は日本国内だけに留まらず海外からも注目されているほどですが、次回は後田社長の想いや取り組みなどを中心にご紹介いたします。


公式サイト https://tasuhana.com/

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『あなたの楽しみは花のために、花の魅力はあなたのために』をコンセプトとし、季節に合わせた素敵な花を、手ごろな価格でご自宅のポストにお届けするサステナブルな花の定期便「+hana(タスハナ)」の、リーダー&立ち上げメンバー。実現したい思いや夢を中心に、花のあるくらしや魅力、花の世界にあるさまざまな情報をお伝えします。

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