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season3 24話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

24.『チャンピオンテスト・面接試験』


 コサジの実家に立ち寄るヨーコ。

「ちょっと通りかかったけ、立ち寄ったんじゃ」
「丁度夕飯じゃけ食べていきんさい。今日アルデネーノの大安売りじゃったけ多めに買うたんよ。ポケフードもあるけえね」

 すずにすすめられ、夕食の準備に加わるヨーコ。途中で周作とハネすけ、径子とムーコが帰ってくる。
 食卓をみんなで囲んでいる時に、明日リーグに挑むことを伝えるヨーコ(とうもろこしごはんと野菜スープと肉詰めカボチャ)。応援するすず達。



 学校に帰り、なんとなく眠れない気がしてコロンをもらいに医務室へ行く。

「夜分に失礼しまーす」
「ようこそー、ミモザの医務室へー」

 ミモザ先生が出迎えてくれた。

「あ! ヨーコ! よく来てくれたわ!」
「ミモザ先生、何だか嬉しそうですねえ」
「えへへ、あたしね、なんと……」

 頬を両手で押さえるミモザ先生。にこにこ。

「なんと?」
「養護教諭の試験受かったの!」
「わぁすごい! おめでとうございます!!」
「本当、ありがと! ヨーコが宝探しでチャレンジしてるの知ったら、あたしもがんばんないとって思ったんだ」

 ミモザ先生照れ隠しに、

「まあ、半分以上は自分の努力のおかげだけどねー!」
「あはは……」

 ミモザ先生、ヨーコを見て、

「ヨーコ、背中押してくれてありがと」

 少しむくれて、

「でもさー、今年度は新しい授業やる枠がないんだって! しばらくは医務室のミモザ先生やってるよ」
「ありゃあ、それは残念」
「でも、いつかはこの学校で教壇に立つから!
 そんときはビシバシ保健教えてあげるよ! ミモザ先生の授業、楽しみにしててよねー!」
「はい!」

その後、寮の部屋でベッドに入りながら、

(いよいようちの番じゃ。がんばらんとね)
※ミモザ先生からコロンの他げんきのかたまりとかもらったりした。

 コロンの香りで眠りにつくヨーコ。



 翌日。寮で身支度をし学校を出てポケモンリーグへ向かう(ここで北條家の様子。それぞれヨーコを気遣う)。
 建物の入り口あたりまで来ると、ちょうどオモダカが出勤してきたところだった。

「あ、おはようございますトップ」
「おはようございます、ヨーコさん」

 ニコニコ顔で挨拶するオモダカ。何だか嬉しそう。

「いよいよ、ポケモンリーグに挑戦されるのですね」
「はい」
「チャンピオン・ネモやお父さまからお聞きしているかとは思いますが、チャンピオンランクになるための最後のテストは、こちらの建物、リーグ本部でおこなわれているのです」

 建物を見上げるヨーコ。

(ここがお父さんの働いとるとこ、そしてこの地方最高峰の場所……!)

「ヨーコさんのご健闘を心より祈っております。後ほどお会いできるのを楽しみにしておりますよ」
「はい! がんばります!」

 満足げにうなずき、本部に入るオモダカ。スタッフが扉の前に立つ。
 ヨーコ、深呼吸し、

「おはようございます!」
「はい、おはようございます。ポケモンリーグ、チャンピオンテストに挑戦される方ですね?」
「はい! お願いします!」
「えーと、グレープアカデミーの、北條陽子さんですね。お持ちのジムバッジは8個……と!」

 ドキドキしてるヨーコ。

「はい! それでは面接室にお入りください」

 ということで中へ。面接室は入ってまっすぐのところだった。
 深呼吸してノック。

「どうぞ」

 中から声が。

「失礼します」

 入室し、面接官を見てぎょっとするヨーコ。
 なんと、メガネをかけたチリ。
 全てを見透かすような瞳のチリ、

「おはようございます。北條陽子さんですね」
「はい。おはようございます」

 挨拶をかわす。

「本日はお越しくださりありがとうございます。どうぞお掛けください」
生唾を飲みながらも、
「ありがとうございます」

 リュックを横に置き、椅子に腰かけるヨーコ。

(面接官の人怖いって言うとったん、このことか……)

 学校で小耳に挟んだ話に、しみじみ納得してしまう。

「面接官のチリです。これより、チャンピオンテストの第一次試験……、面接試験を行います」

 チリ、デスクのパソコンを見て、

「えーと、お持ちのジムバッジは……、おお、8個ですか!」

 ヨーコに向き直る。

「今からヨーコさんに、いくつか質問をさせていただきます。回答によっては、その時点で不合格となる場合もございますのでご注意ください」
「はい」

うなずくヨーコ。

「それでは、始めます……」

 チリの目が厳しく光る!



 周作のシーン。そわそわしつつも冷静に仕事。同僚も気遣わしげ。
 一方のヨーコ、最初の質問。

「本日はどのようにしてお越しくださったんですか?」
「歩きで来ました」
「それはいいですね」

 笑うチリ。でも営業スマイルなのでヨーコは緊張ほぐれない。

「現在通われている学校の名前を教えてください」
「グレープアカデミーです」

 心中で首をかしげながらも答えるヨーコ。チリ再び営業スマイル。

「そうでしたね」

 目を閉じ、

「本日はポケモンリーグまで、何をしに来られたんですか?」
「チャンピオンになるためです」

 少し間があって、

「ええ、ええ、それ以外ありませんよね」

 再び聞くチリ。

「では、チャンピオンになってどうなさるおつもりですか?」
「色々ありますけど、ネモさんと勝負したいです。誘ってくれた友達と決着つけたいし、今もきっと、うちとの勝負を待ってくれとると思いますから」
「なるほど、そうでしたか」

 チリ営業スマイル。

「続いて、8つのジムの中で、最も苦戦したのはどこですか?」
「ほうですね……」

 ヨーコ、じっくり考え、

「フリッジジムです」
「ほほう」

 うなずくチリ。

「では、そのジムで勝負したジムリーダーの名前は?」
「ライムさんです」

 間があり、チリ笑って、

「しっかりと覚えていますね」

(間違うたかと思うた……)

 胸を撫で下ろすヨーコ。

「ライムさんのポケモンのタイプは覚えていますか?」
「ゴーストタイプです」

 ここも間があり、やがてチリの口角が上がる。

「素晴らしい」

 またまた胸を撫で下ろすヨーコ。

「チャンピオンテストにたどり着ける実力をお持ちだということは、ヨーコさんはたくさんのポケモンと出会ってきたと思います。その中でも、最初に相棒になったポケモンの名前及び分類は覚えていますか?」
「ピチュー、こねずみポケモンです」

 ぴっかりさんのピチュー時代を思い出すヨーコ。

「さすがです」

 チリ、またまた営業スマイル。再び真顔。

「申し訳ありません。同じ質問を繰り返させてください。ヨーコさんはチャンピオンになって、どうなさるおつもりですか?」
「えと、ネモさんと勝負したいです」

 戸惑いつつも答えるヨーコ。チリ、黙ってモニターを見て、

「すみません、そうでしたね」

 営業スマイル。

「それでは、最後の質問です」

 背筋を一層ぴんと伸ばすヨーコ。

「ヨーコさん、──ポケモンは好きですか?」

 ヨーコ、ここで初めて笑みを浮かべる。

「もちろん、──大好きです!」

 堂々と晴れやかな顔で答える。
 それを見たチリ、目を閉じ黙り、そして……。

「お疲れさん」

 にっこり笑う。営業スマイルじゃない感じ。

「以上で、質問は終いや。──ヨーコ、おめでとさん。一次試験……、面接試験、合格や!」

 ほっ、とため息つくヨーコ。

「さすがの一発合格。ネモ以来初やないか?」
「ネモさんも?」

 少し驚くヨーコ。

「ああ。あれはまさに打てば響くってやつやったな。自分よか結構テンション高めやったけど」
「あ、ああ……」

 ヨーコ、妙に納得。

「さ! 気持ち切り替えて次の試験や」

 顔を引き締めるヨーコ。

「二次試験は四天王とのポケモン勝負……、その名も、実技試験!」
「実技試験……!」
「あ、そのまんまやないかーいってツッコミはなしな」

 にっこり笑うチリ。

「あ、はい」
「パルデアリーグ選りすぐりの、4人のポケモントレーナーとの連続勝負。激しい戦いになるさかい、しっかり準備してから奥の部屋に進みや」
「はい!」

 ということで、技の見直しと順番の見直し、ポンさんの仮面を一緒に確認したりして奥の部屋に進むヨーコ。
 廊下を進み、バトルコートの部屋へ。
 静かにきあいだめをしていると、後ろからドアの開く音が。眼鏡を外したチリがやってくる。
 通りすぎ、少し驚くヨーコの前に立つチリ。

「それじゃあ、さっそく始めよか」
「──はい」

 うなずき、身構えるヨーコ。

「四天王の露払いはこのチリちゃん! うんとかわいがったるから、せいぜい……、きばりやぁ!」

 不敵に笑うチリ! 実技試験開始!

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