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『弁護士のための医療法務 実践編』(第一法規)の雑感

まだ軽く目を通した程度ですが、気になったことをいくつか。

形式面
・索引が一切ないこと
せめて本文で引用した判例・裁判例だけでも、巻末に索引をつけていただきたかったです。「弁護士のための」とする以上、最低限の条件だと思います。本作はさらに「実践編」でもありますし。

・コラムが豊富であること
前作『弁護士のための医療法務入門』と同様、コラムが充実している点はとても良かったです。なるほどなあと思ったコラムがいくつもありました。

内容面
・基本から理解できること
これまで医療法務とは無縁だったとしても、基本から書かれていますので購入しても大丈夫です。こわくありません。ひととおりのテーマを網羅していますので、医療法務の一冊目としても最適です(前作は医療の常識も兼ねていました)。

・実践的でもあること
そのままですね。すぐに実践できる内容です。
特に、『第4章 医療事故紛争の裁判「外」対応』の「第3 和解交渉の進め方」。“法的責任の見通し”と“医療機関の意向”の組み合わせから、6つのケースに分類。そして“とるべき方針”を表にまとめた上で、各ケースにつき10行程度でコンパクトに言及しています。たった2頁なのですが、ときに迅速性が求められる方針決定でもあるため、助かるなあと感じました。

・本作でもじわじわポイント複数あります!
医師の鈴木孝昭先生(弁護士でもあります)が執筆担当された章から、一部引用します。

…(中略)…
 ただし、医学部入試の適正化が図られ、これまでのように医師の子どもが当然に医師になれるかというと、そんなことはなくなってきました。
…(中略)…

弁護士のための医療法務 実践編』(63頁)より


弁護士だけでなく、これから開業予定の医師、すでに開業中の医師にもオススメです。

↓前作のじわじわです。


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