曾野蜩

このペンネームで社会保険などの文章を細々と書いております。その文章をアレンジをして、n…

曾野蜩

このペンネームで社会保険などの文章を細々と書いております。その文章をアレンジをして、noteでも複雑な公的年金制度についての文章を(できるだけわかりやすく)書いてみようと思って開設しました。よろしくお願いします。 保有資格 ~  FP&社会保険労務士試験合格者(社労士会未登録)

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  • 日本の公的年金制度(適用関係編)

    日本の公的年金制度の適用関係についての文章をまとめております。

  • 年金についての一つの考え方

    世間にはいろいろな考え方がありますが、「年金」についても人それぞれの考えをお持ちだと思います。そこで「こういう考え方もあるのではないですか」ということを書いていきたいと思っています。

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日本の公的年金制度(適用関係編)について

 はじめまして  日本の社会保険制度は、国民皆保険・国民皆年金の体制をとっています。そのうち公的年金制度は老後の生活には大事なものであるのにもかかわらず、現在の公的年金制度は改正につぐ改正などで複雑(怪奇?)な制度になってしまっています。そうした制度を解きほぐしてみようかと思っています。  とはいえ、(最初に申し上げておきますが)本ブログを読んで、歴史や英語、科学のように教養が豊かになるわけでも、FP(ファイナンシャルプランナー)や社会保険労務士などの資格試験に(おそらく

    • (67)国民年金の第2号被保険者・厚生年金保険の被保険者について その2

       厚生年金保険の被保険者ですが、平成27年(2015年)10月以降は厚生年金保険と共済年金が統合されましたのを期に、次のように4種類の被保険者が定められています。 ☆☆☆☆☆資料88 ~ 実施機関/厚生年金保険法第2条の5第1項 ①被保険者の種類 ・・・ 次のいずれであるかの区別をいう。  1)第1号厚生年金被保険者(第1号)       ・・・ 下記の2~4の被保険者以外の厚生年金保険の被保険           者。  2)第2号厚生年金被保険者(第2号)    

      • (66)国民年金の第2号被保険者・厚生年金保険の被保険者について その1

         国民年金には次の3種類の被保険者がありました。 ☆☆☆☆☆資料86 ~ 被保険者の資格/国民年金法第7条 ①次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。  (第1項)  1)第1号被保険者。(第1号)  2)第2号被保険者。(第2号)  3)第3号被保険者。(第3号) ★★★★★資料86はここまで ~  今日からはこのうち第2号被保険者について取りあげていきます。国民年金の第2号被保険者というのは次のように決められています。 ☆☆☆☆☆資料

        • (65)健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所について その3

           もし健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所をやめる場合には、健康保険・厚生年金保険の被保険者である従業員の3/4以上の同意を得て厚生労働大臣に申請をすれば、任意適用事業所をやめることができます。 ☆☆☆☆☆資料84 ~ 任意適用事業所/健康保険法第33条、厚生年金保険法第8条   ①任意適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、その事業所を  適用事業所でなくすることができる。(第1項) ②前項(上記の①)の認可を受けようとするときは、その事業所の事業主  は

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        日本の公的年金制度(適用関係編)について

        • (67)国民年金の第2号被保険者・厚生年金保険の被保険者について その2

        • (66)国民年金の第2号被保険者・厚生年金保険の被保険者について その1

        • (65)健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所について その3

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          3本

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          (64)健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所について その2

           事業主の申請によって厚生労働大臣の認可が下りれば、健康保険・厚生年金保険の適用除外に当てはまる方以外で、その事業所で働いている従業員全員が健康保険・厚生年金保険に加入することになります。  健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所になることに同意をした方だけでなく、同意をしなかった方も含めて健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。  また、健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所と同じ義務が事業主には課せられます。例えば、事務手続きや保険料の納付などを事業主がしなければ

          (64)健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所について その2

          (63)健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所について その1

           今回から任意適用事業所についてお話ししていきます。健康保険・厚生年金保険が適用されない事業所(強制適用事業所ではない事業所)が、健康保険・厚生年金保険に加入できる制度として任意適用事業所という制度があります。 ☆☆☆☆☆資料82 ~ 任意適用事業所 ①強制適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、  その事業所を適用事業所とすることができる。  (健康保険法第31条第1項、厚生年金保険法第6条第3項) ②前項(上記の①)の認可を受けようとするときは

          (63)健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所について その1

          (62)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その6

           このように健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所かどうかは、法人か個人か、個人事業所であればその業種と従業員の数で決まります。法人の場合には業種や従業員の人数に関係なく健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所になります。  個人事業所と法人事業所の被保険者についての大きな違いの1つには、次の点であろうと思います。 ☆☆☆☆☆資料81 ~ 健康保険・厚生年金保険の適用事業所における適用業種(士業)の追加(令和4年10月施行)/日本年金機構のホームページより ①個人事業所の

          (62)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その6

          (61)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その5

           最後は厚生年金保険だけの適用ですが、次のように船舶も健康保険・厚生年金保険の対象となっています。 ☆☆☆☆☆資料80 ~ 健康保険・厚生年金保険の適用事業所/健康保険法第3条第3項、厚生年金保険法第6条第1項 厚生年金保険のみ ~ ①「適用事業所」とは、次の各号のいずれかに該当する事業所をいう。  1)船員法第1条(下記の③)に規定する船員として船舶所有者に使用さ    れる者が乗り組む船舶。(第3号)    ※「船舶所有者」は、船員保険法第3条(下記の⑤)に規定

          (61)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その5

          (60)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その4

           次に、健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所となる「法人事業所」についてですが、最近では、農業も事業規模を拡大などして法人化(農業法人)したりしていますが、個人経営のうちは適用事業所ではありませんが、法人化した場合には健康保険・厚生年金保険の適用事業所にならなければなりません。  4月21日の資料75の①の2に“国、地方公共団体”とあるのは、以前は国や地方公共団体で働いている公務員以外でも臨時で働いている方なども最近は多くいます。  そのような方々の公的医療保険・公的年

          (60)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その4

          (59)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その3

           個人事業所について、令和4年(2022年)10月1日から取扱いが一部変わっています。 ☆☆☆☆☆資料78 ~ 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要/厚生労働省のホームページより ①被用者保険の適用拡大。(厚生年金保険法、健康保険法、公的年金制度の  財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正す  る法律、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法)  1)5人以上の個人事業所に関して適用業種に、弁護士、税理士等の資格

          (59)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その3

          (58)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その2

           前回の資料75の①の1のa~pにない業種の場合には、たとえ従業員が5人以上であっても強制適用事業所ではありません。例えば、5人以上の従業員がいても個人で行っている農業や飲食店、美理容店などのサービス業などは、健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所ではありません。 ☆☆☆☆☆資料76 ~ 年金記録の「よくある相談事例」/日本年金機構発行のリーフレットより ①働いていれば厚生年金に加入すると聞いています。昭和50 年から3年  ほど旅館で働いていましたが、自分の年金記録を 

          (58)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その2

          (57)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その1

           それでは今日から健康保険や厚生年金保険の適用事業所についてお話ししていきます。健康保険や厚生年金保険の適用事業所は大きく分けて次の4つがあります。 ☆☆☆☆☆資料74 ~ ①健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所。  (健康保険法第3条第3項、厚生年金保険法第6条第1項) ②健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所。  (健康保険法第31条第1項、厚生年金保険法第6条第3項) パートタイマーに関係する事業所として ~ ③特定適用事業所。  (健康保険法平成24年改正

          (57)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その1

          (56)国民年金の第2号被保険者について その2

           国民年金の第2号被保険者は、厚生年金保険の被保険者なのですが、では「国民年金の第2号被保険者=厚生年金保険の被保険者」なのかというとそうではありません。国民年金の第2号被保険者と厚生年金保険の被保険者との関係は、次のようになっています。 ☆☆☆☆☆資料73 ~ 被保険者の資格の特例/国民年金法附則第3条 ①第7条第1項第2号(前回の資料71の①の1)の規定の適用については、当分の間、次のように読み替える。 読み替えた国民年金法第7条第1項第2号 ~ ①次の各号のいず

          (56)国民年金の第2号被保険者について その2

          (55)国民年金の第2号被保険者について その1

           今日からは国民年金の第2号被保険者について取り上げていきます。この第2号被保険者というのは、次のように決められています。 ☆☆☆☆☆資料71 ~ 被保険者の資格/国民年金法第7条 ①次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。  (第1項)  1)厚生年金保険の被保険者。(第2号/以下、「第2号被保険者」) ★★★★★資料71はここまで ~  では、「厚生年金保険の被保険者」とは、厚生年金保険法ではどう定められているのでしょうか。 ☆☆☆☆☆資料

          (55)国民年金の第2号被保険者について その1

          (54)年金についての一つの考え方 その3

          公的年金制度である国民年金や厚生年金保険以外にも高齢期の資金確保のための制度を政府はいろいろと用意しています。国民年金基金、厚生年金基金、確定給付型企業年金、また退職年金や退職一時金制度でもある中小企業退職金共済制度、特定退職金共済制度、小規模企業共済制度などがあります。  最近では、iDeCo(個人型確定拠出年金/以下、「個人型年金」)への加入がマスコミなどによってアナウンスされていますが、確定拠出年金の制度は平成13年(2001年)の施行された法律により設けられました。

          (54)年金についての一つの考え方 その3

          (53)年金についての一つの考え方 その2

           話は横道にそれますが、公的年金制度には老齢基礎年金・老齢厚生年金のためだけに加入するわけではありません。何らかの理由で重い障害を負った場合には障害基礎年金・障害厚生年金が、亡くなった場合には一定の範囲の親族に遺族基礎年金・遺族厚生年金が支給されます。  障害基礎年金・障害厚生年金の場合には、何らかの理由で負った障害の初診日の前々月までの期間に、遺族基礎年金・遺族厚生年金の場合には、亡くなった日の前々月までの期間に、一定以上の公的年金制度の保険料の未納(滞納)期間がある場合

          (53)年金についての一つの考え方 その2