曾野蜩

このペンネームで社会保険などの文章を細々と書いております。その文章をアレンジをして、n…

曾野蜩

このペンネームで社会保険などの文章を細々と書いております。その文章をアレンジをして、noteでも複雑な公的年金制度についての文章を(できるだけわかりやすく)書いてみようと思って開設しました。よろしくお願いします。 保有資格 ~  FP&社会保険労務士試験合格者(社労士会未登録)

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  • 日本の公的年金制度(適用関係編)

    日本の公的年金制度の適用関係についての文章をまとめております。

  • 年金についての一つの考え方

    世間にはいろいろな考え方がありますが、「年金」についても人それぞれの考えをお持ちだと思います。そこで「こういう考え方もあるのではないですか」ということを書いていきたいと思っています。

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日本の公的年金制度(適用関係編)について

 はじめまして  日本の社会保険制度は、国民皆保険・国民皆年金の体制をとっています。そのうち公的年金制度は老後の生活には大事なものであるのにもかかわらず、現在の公的年金制度は改正につぐ改正などで複雑(怪奇?)な制度になってしまっています。そうした制度を解きほぐしてみようかと思っています。  とはいえ、(最初に申し上げておきますが)本ブログを読んで、歴史や英語、科学のように教養が豊かになるわけでも、FP(ファイナンシャルプランナー)や社会保険労務士などの資格試験に(おそらく

    • (58)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その2

       前回の資料75の①の1のa~pにない業種の場合には、たとえ従業員が5人以上であっても強制適用事業所ではありません。例えば、5人以上の従業員がいても個人で行っている農業や飲食店、美理容店などのサービス業などは、健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所ではありません。 ☆☆☆☆☆資料76 ~ 年金記録の「よくある相談事例」/日本年金機構発行のリーフレットより ①働いていれば厚生年金に加入すると聞いています。昭和50 年から3年  ほど旅館で働いていましたが、自分の年金記録を 

      • (57)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その1

         それでは今日から健康保険や厚生年金保険の適用事業所についてお話ししていきます。健康保険や厚生年金保険の適用事業所は大きく分けて次の4つがあります。 ☆☆☆☆☆資料74 ~ ①健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所。  (健康保険法第3条第3項、厚生年金保険法第6条第1項) ②健康保険・厚生年金保険の任意適用事業所。  (健康保険法第31条第1項、厚生年金保険法第6条第3項) パートタイマーに関係する事業所として ~ ③特定適用事業所。  (健康保険法平成24年改正

        • (56)国民年金の第2号被保険者について その2

           国民年金の第2号被保険者は、厚生年金保険の被保険者なのですが、では「国民年金の第2号被保険者=厚生年金保険の被保険者」なのかというとそうではありません。国民年金の第2号被保険者と厚生年金保険の被保険者との関係は、次のようになっています。 ☆☆☆☆☆資料73 ~ 被保険者の資格の特例/国民年金法附則第3条 ①第7条第1項第2号(前回の資料71の①の1)の規定の適用については、当分の間、次のように読み替える。 読み替えた国民年金法第7条第1項第2号 ~ ①次の各号のいず

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        日本の公的年金制度(適用関係編)について

        • (58)健康保険・厚生年金保険の適用事業所について その2

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        • (56)国民年金の第2号被保険者について その2

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        • 年金についての一つの考え方
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          (55)国民年金の第2号被保険者について その1

           今日からは国民年金の第2号被保険者について取り上げていきます。この第2号被保険者というのは、次のように決められています。 ☆☆☆☆☆資料71 ~ 被保険者の資格/国民年金法第7条 ①次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。  (第1項)  1)厚生年金保険の被保険者。(第2号/以下、「第2号被保険者」) ★★★★★資料71はここまで ~  では、「厚生年金保険の被保険者」とは、厚生年金保険法ではどう定められているのでしょうか。 ☆☆☆☆☆資料

          (55)国民年金の第2号被保険者について その1

          (54)年金についての一つの考え方 その3

          公的年金制度である国民年金や厚生年金保険以外にも高齢期の資金確保のための制度を政府はいろいろと用意しています。国民年金基金、厚生年金基金、確定給付型企業年金、また退職年金や退職一時金制度でもある中小企業退職金共済制度、特定退職金共済制度、小規模企業共済制度などがあります。  最近では、iDeCo(個人型確定拠出年金/以下、「個人型年金」)への加入がマスコミなどによってアナウンスされていますが、確定拠出年金の制度は平成13年(2001年)の施行された法律により設けられました。

          (54)年金についての一つの考え方 その3

          (53)年金についての一つの考え方 その2

           話は横道にそれますが、公的年金制度には老齢基礎年金・老齢厚生年金のためだけに加入するわけではありません。何らかの理由で重い障害を負った場合には障害基礎年金・障害厚生年金が、亡くなった場合には一定の範囲の親族に遺族基礎年金・遺族厚生年金が支給されます。  障害基礎年金・障害厚生年金の場合には、何らかの理由で負った障害の初診日の前々月までの期間に、遺族基礎年金・遺族厚生年金の場合には、亡くなった日の前々月までの期間に、一定以上の公的年金制度の保険料の未納(滞納)期間がある場合

          (53)年金についての一つの考え方 その2

          (52)年金についての一つの考え方 その1

           前回までで国民年金の第1号被保険者については終わりました。新年度からは国民年金の第2号被保険者・厚生年金保険の被保険者と第3号被保険者について、順番に(気長に)取り上げていく予定です。  今回から3回に分けて、「年金についての一つの考え方」というタイトルで、高齢期の生活費の確保の一つのツールである「年金制度」について1つの考え方を提示できればと思っています。  高齢期の前になって「自分の年金はどうなっているのか」と不安になって気にされる方も多いかと思います。簡単にいえば

          (52)年金についての一つの考え方 その1

          (51)国民年金の上乗せの制度について

           これまで取り上げてきたのは、国民年金の第1号被保険者についてでした。その国民年金の第1号被保険者が加入できる老齢基礎年金への上乗せの給付としては次のようなものがあります。 ☆☆☆☆☆資料69 ~ 国民年金の上乗せの制度として ①付加年金。 ②国民年金基金。 ③確定拠出年金。(個人型) ④民間の生命保険会社などの個人年金。 ★★★★★資料69はここまで ~  付加年金は、月々の国民年金の保険料と一緒に400円(付加保険料)を納めると、老齢基礎年金を受け取るときに

          (51)国民年金の上乗せの制度について

          (50)国民年金の任意加入被保険者について その16

           60歳~64歳の間の方が任意加入被保険者である場合で、65歳になっても老齢基礎年金の受け取るのに最低必要な期間(原則10年〔120月〕以上)を満たしていないような場合には、この任意加入被保険者の手続きをしたとみなされます。 ☆☆☆☆☆資料68 ~ 任意加入被保険者の特例/平成6年改正法附則第11条、平成16年改正法附則第23条 ①任意加入被保険者が65歳に達した場合において、第1項ただし書(前回  の資料67の②)に規定する政令で定める給付(省略)の受給権を有しな  い

          (50)国民年金の任意加入被保険者について その16

          (49)国民年金の任意加入被保険者について その15

           それでは、国民年金の任意加入被保険者の特例についてお話ししていきます。65歳になったら老齢基礎年金が受け取れるようになりますが、65歳の時点で老齢基礎年金を受給できるのに必要な期間(原則10年〔120月〕以上)が足りない方が加入できるように特例として作られた制度です。 ☆☆☆☆☆資料67 ~ 任意加入被保険者の特例/平成6年改正法附則第11条、平成16年改正法附則第23条 ①昭和40年4月1日以前に生また者であって、次のいずれかに該当する者  は、厚生労働大臣に申し出て

          (49)国民年金の任意加入被保険者について その15

          (48)国民年金の任意加入被保険者について その14

          日本国内に住所のある60歳以上65歳未満の者が資格喪失をする理由としては次のようなものがあります。 ☆☆☆☆☆資料65 ~ 任意加入被保険者が資格喪失について/国民年金法附則第5条 ①日本国内に住所のある60歳以上65歳未満の者(資料の54の①の2)  が資格喪失をする理由。  1)日本国内に住所を有しなくなったとき。    (第6項第1号/翌日に喪失)    ※同じ日にさらに被保険者の資格を取得した場合は、その日に喪失し     ます。   2)保険料を滞納し、督

          (48)国民年金の任意加入被保険者について その14

          (47)国民年金の任意加入被保険者について その13

           任意加入被保険者に対しては、国民年金の保険料が免除されることはないことはありません。 ☆☆☆☆資料62 ~ 任意加入被保険者/国民年金法附則第5条 ①この任意継続被保険者については、第88条の2~第90条の3(下記の    ③~⑦)までを適用しない。(第10項) ②任意加入被保険者は、若年者に対する保険料の納付猶予制度は適用しな  い。(平成16年改正法附則第19条第5項) 付録として ~ ③国民年金法第88条の2     ・・・ 国民年金第1号被保険者の産前産後

          (47)国民年金の任意加入被保険者について その13

          (46)国民年金の任意加入被保険者について その12

          海外居住者が国民年金に任意加入する場合は、手続きについて次のような注意点があります。 ☆☆☆☆☆資料61 ~ 日本年金機構のホームページより ①国民年金の任意加入の手続き(日本の年金制度への継続加入)     ・・・ 海外に居住することになった時は、国民年金は強制加入被         保険者ではなくなりますが、日本国籍の方であれば、国民         年金に任意加入することができます。 ②任意加入の手続 ・・・ 任意加入には手続きが必要です。  1)これから海外に

          (46)国民年金の任意加入被保険者について その12

          (45)国民年金の任意加入被保険者について その11

           ちなみに、国民年金の任意加入被保険者には保険料の免除制度は適用されませんので、任意加入被保険者として被保険者期間は全期間が保険料納付済期間または未納(滞納)期間のいずれかとなります。  それでは話を本筋に戻しまして、任意加入被保険者には次のような注意点があります。 ☆☆☆☆☆資料59 ~ 任意加入被保険者の注意点/日本年金機構のホームページより ①その他の注意点。 1)申出のあった月からの加入となり、遡って加入することはできませ ん。  

          (45)国民年金の任意加入被保険者について その11

          (44)国民年金の任意加入被保険者について その10

           老齢基礎年金の年金額の計算では、保険料全額免除期間は次のように取り扱うと定められています。 ☆☆☆☆☆資料58 ~国民年金法第27条/老齢基礎年金の年金額 ①保険料納付済期間の月数が480に満たない者に支給する場合は、老齢基  礎年金の年金額の満額に、次の各号に掲げる月数を合算した月数を480  で除して得た数を乗じて得た額とする。(ただし書)  ※「次の各号に掲げる月数を合算した月数」は、480を限度とする。 ・・・ 中略  1)特定月以後の期間内にある保険料全

          (44)国民年金の任意加入被保険者について その10