見出し画像

実録 劣等感に学ぶ私の可能性〜亡き父からのメッセージ〜 31

🌷前回までのあらすじ🌷

専門学校を卒業後、
看護師になるも業務についていくことができず退職。

再就職先でも行き詰まった私は、
転職の糸口を探るために
大学編入を目指して試験を受ける。






結果発表。


ひとつめは不合格でしたが、
結果については
素直に飲み込むことができました。

なぜなら、
試験の内容が難しすぎて
歯が立たなかったからです。


残りは2つ。

手応えのなかった関東の大学と、
面接試験で
トンチンカンな受け答えをしてしまった地方の大学。


先に結果が届いたのは
地方の大学からでした。




受験の時もすごく緊張しましたが、
それ以上に心がざわつくのは
結果を見る時です。


ポストに届いていた
通知用の封書を取り出したものの、
すぐに開封をすることができませんでした。



ここで合格できなければ、
あとは手応えのなかった大学に期待をするしかない…。



心臓の鼓動が高まるなか封を開けると、
三つ折りにされた用紙が目に入りました。



紙を広げると、
学科ごとに10名ずつ
合格者の受験番号が印字されていたのです。



緊張で手に汗握るなか、
上から順番に自分の番号を探していきました。


指を使いながら9人目まできたものの、
まだ、ないのです。


残るはあと一枠。

心臓がバクバクしているなか、
最後にようやく
見たことのある番号を見つけることができました。



それでも勘違いをしていないか、
何度も何度も見返したのを覚えています。



…もう20年も前の話になるのですが、
当時の興奮がよみがえってくるほど、
今も記憶に残っています。


思えば…

学費を貯めるために1年間工場で働き、

学校に入ってからは
怒涛のごとく押し寄せてくる試験を受け、

そこから半年間の病棟実習を経て、
ようやく資格を取ったものの…。


仕事を通して自分に劣等感を感じ、
現実から逃げることしか考えられなくなったあの頃。



その後も、
劣等感という名の呪縛がついて回りましたが、

合格した瞬間は喜びのあまり、
過去の自分から解放されたような気がしたのです。



信じられなかったのですが、
3つめの大学も無事に合格をすることができました。



ただ、
見込みがないと思っていただけに
驚きと嬉しさが半分、

もう半分は、
どうして合格をすることができたのかと、
疑問に感じていました。



さて、
どちらの大学に進むべきか。



偏差値だけで比べると
関東の大学が高かったのですが、
私は彼氏の田舎にある地方の大学を選びました。



やはり
遠距離恋愛をしていたこともあり、

彼のそばに行きたいと思う気持ちが
強かったのだと思います。



東京に行くべきか、地方に行くべきか。

この時の選択は、
その後の人生を大きく変える決断となり、

そのおかげで
私の命と心が支えられることになりました。



人生とは選択の日々です。

何を基準にどの道を選ぶかで、
未来が変わります。



私は自分の意志で
選んだ人生を歩んでいますが、

選んだ環境やその先で出逢った人たちについて
振り返る度に、

幼少期に死別した父から
見守られているような気がするのです。



命と心が支えられたという経験は
非常にありがたいものであり、

私はその結果、
自分について学び始めることになります。



もしかしたら、
父が私に与えてくれた贈り物ではないかと
思うのです。






つづく



写真引用

https://www.town.shodoshima.lg.jp/kanko/iam_s/iam_s_sunset.html


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?