乗れる気がする。vol.7
私がパニック障害になったきっかけをひとつ。
まじめに書こうとすると、堅苦しく長くなるので、
簡単に話すんだ。そうさ!簡単に話すんだ。
だから、大好きな寅さん風でお送りするぜ。
この俺がよ、
初めてパニック発作を経験したっつーのは、31才のときよ。
テレビ番組を作る制作会社に勤めるんだけどよ、そんときは、俺の社会人生活の中でも一際忙しくて、いくらかの番組を担当してたもんだから、同時進行であれやこれやで毎日てんやわんやさ。
日々、家には寝に帰れるかどうか。
ある晩、一服を済ませ編集機の前に座ったらよ、急に「死ぬ!」って感じたのも束の間、心臓はこれまでに経験がないほど大きく速く鼓動して、今にも体の外に飛び出しそうってなもんよ。
さらによ、失神しそうになるほど、呼吸もおぼつかなくて、頭の中では「死ぬ!これが突然死か!」なんて思っちゃったもんね!その焦りったらなんの!尋常じゃないんだから。ハハハ。
兎にも角にも「死」が目前に迫ってる感覚っつーのは強烈でよ、椅子に座っていることすらままならねーんだから!こればっかりは仕方がない!見るからに汚っね~床に横たわったわけよ。
するとどうだ、その辺にいる堅気の女たちが
「どうしたの?」
「大丈夫?」
なんて心配してくるのなんのって、こっちは横になってピクリとも動かないんだから。
そんなこんなで30分くらい動けなくてよ。それでも体はおかしいまま!一人で立って歩くこともできずに、俺は他人の肩を借りて、外までゆっく〜り、ゆっく〜り歩いていったんだ。みんなが俺の歩く速さに合わせて。嬉しかったなぁ〜。
でもね、この話には続きがあって、外に出るまでの道中、何回も失神しかけてやんの笑 バレちゃいねーよ!
情けないことに、奥さんに車で迎えにきてもらっちゃって、皆に見送られながら俺は会釈するので精一杯。労働の続きをしないと間に合わない頃だったんだけどさ、人間ってのは不思議なもんで、それからというもの俺の頭の中は完全に「命優先」に切り替わったんだよ。
さぁそして!数日経っても体が正常な感覚に戻りません!ときた!家にいても職場にいても、発作がきたり、
その兆候が現れたりで、全く気が休まらない!
この症状が「パニック発作」ってわかったのは他でもない!売の先輩に、同じような症状で病院に通ったヤツがいたんだから!
病院で診察を受けるだろ?そしたらよ、このよくわからない症状の原因が分かって、すーーっと心が穏やかになったもんな。それが、初めての発作から二月三月!
さあ!ストレスフリーで生活していこー!って思ったんだけど、そんな簡単なことじゃないって俺はすぐに気が付いた。あの強烈な発作の恐怖が植え付けられてんだから。しかもソイツが現れるのはいつだって突然なんだよ。つまりよ、常にそれに怯えながらの生活がはじまるわけよ。
だから俺がまともにリハビリを開始できるまでには五年はかかったかな?今は七年目。はっきり言って、まだまだってわけ。
それでもな!最近……
「もう少しなんじゃないか?」っつー感覚がやってきた!
今日はこのくらいにするぜ。
以後お見知りおかれまして、向後万端引き立って、よろしくお頼み申します。
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