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2023年9月の記事一覧

首都を目指す

首都を目指す

この山河の曙を静かに震わせて
重戦車は遠くに進む

怒りを内に鎮めた冷たい車体
重戦車は首都を目指す

人の澱んだ鼓膜には定かに聞き取れず
重戦車は静かに進む

いつかこの旗を彼の地に打ち立てん
重戦車は首都を目指す

隣の町

隣の町

昨晩の未明
隣の町で殺人事件があったって
近くの公園で、叫び声を聞いたって
お喋りなその子は、早口で話す
パトカーが沢山、集まって来たって

良くないと喋る友達と、一緒に、
その町の方へ歩いたよ
通りはしんと静まって
犬の声だけ聞こえていた
みんなと別れて一人で帰ろう
心がくるくる回ってくるから

怒ると意外と怖い人っているもんね
噂もあったけど誤魔化して逃げ出した
話し声が聞こえる

腐った臭い

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夏空

夏空

空はどうして青いのだろう
風も吹かない砂浜で
立ち尽くしている
ぼくは独り

乾ききった横堤防に
今はカラスが群れている

海はどうして大きいのだろう
数え切れない数字が
ぼくの手のひらから
流れ落ちた

忘れてしまった何かがある
思い出せない

太陽が眩しい

眩しい太陽
緑の野原

今何かが
心に咲こうとしている
そっとしておきたい
瑞々しい感覚

じっとしていよう
もうすぐに
努力の度合いを

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犬矢来

犬矢来

舟を漕ぐ手を止めても直ぐに舟は止まらない
静かに時は流れる
流れ星の流れた先は愉快な掃き溜め
泥にまみれても穴を掘ろう

並べ替えた言葉で遊んでいる
欲張りな子供はいつも笑っていた
拾った糸を投げても届かない
雪の日に凍った窓を開けよう

カラのカバンを枕に眠ってる
水のない所で魚は生きて行けない

金の欠片の落ちてそうな辺りを駆け回る
鼻先に肉をぶら下げた犬のようだ

ぽいっ

ぽいっ

必要な物なんて手にしている、
考えてみて、始めると、
一歩踏み出す勇気が必要になる

夢中になっている時には気づかない
本気で、ホントに欲しいなら、
すべて捨てる、覚悟がいる

僕には分かる
知ったかぶりが、必要だって、
そして、
失って、求められる
そんな、物は必要ないよ、

ぽいっ