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安定した企業から起業に至るまで

早いもので今年も残すところ二か月を切りましたね。

僕が人生について語るこのnote、三回目の投稿になります。
僕は大学職員として働いていましたが退職し、起業しました。今は学生の就活支援をする会社を立ち上げて働いています。
前回の記事では、大学職員を退職する前のエピソードを書きました。失敗、挫折や仕事に対する考え方などを語っています。

今回は、退職から起業するまでについてのあれこれを書き綴ります。

退職に至った理由

大学職員って、安定してそうなイメージないですか?倒産の心配とかほぼないですし、実際安定していました。いわゆるホワイトな企業です。
それに前回記事で語っていますが、僕は大学職員、とりわけキャリア支援センターという部署での仕事にやりがいを持っていました。より良い仕事のために難しい資格をとろうと奮闘したり、また周囲にもそうした風潮を作ろうと働きかけたり。

安定していて、やりがいで充実している仕事。最高じゃないですか。でも僕は退職している。それはなぜでしょうか。

退職のきっかけ……

それは……

部署異動です!!

大学職員と偏にいっても、担当している仕事は様々です。一般企業と同様に部署があって、異動もあります。
僕はキャリア支援センターでの仕事に熱意を注いで働いていましたが、当然異動は免れません。どの職種にも言えそうですが、ずっとやりたい仕事ができるわけではないのです。

異動先は教務部でした。
僕は「人に寄り添う仕事がしたい」という思いで働いている人間です。一見すると教務部も、その思いとかけ離れてはなさそうですよね。
キャリア支援では就活をする3、4年生が対象だけど、教務部は全学年が対象。むしろより多くの学生と接する機会がありそう。そんな感じがします。
じゃあ今度は就活支援以外の部分で学生をサポートしよう!そんな気持ちに切り替えたわけですが……

ところが、そう上手くはいきませんでした。他大学はどうかわかりませんが、少なくとも僕が務めていた大学の教務事務は、学生との関わりが希薄でした。
「寄り添ったサポート」といった方針は皆無。あくまで学生の自主性を重んじる風潮。学生と近い距離で接して学生生活のサポートを充実させようと考えていた僕は同僚からは「暑苦しい人」として見られていたことでしょう。

キャリア支援センターでは、周囲の人々の意識を変えようと努力できた僕です。しかし異動先は、さすがにこの人たちを変えるのは無理だ!!と絶望させる雰囲気でした。
サラリーマンなんだから異動は仕方ないなんて思っていましたが、根本的に僕には合わなかったです。
それでも数年は在籍していたんですよ。だけど仕事に対するやりがいは薄くなっていくばかり。というか、自分の仕事に自信が持てなくなっていました。

子供たちに「お父さんはどんな仕事してるの?」なんて言われても胸を張って言えない。何のために仕事しているかわからないし、自分がしてる仕事の内容も上手く説明できない。
やりがいなんか聞かれたら悩んで答えが出せない……。

給料は以前と変わらないし、帰る時間は早くなった。でもそんな良い条件以上に、自分が本当にやりたい仕事とのギャップへの不満が大きかったわけです。
これが、僕が退職を決めた理由です。

起業するまで

ただ、最初に書いたように大学職員は安定した仕事。それに僕には家庭がありました。僕だけの問題じゃないし、周囲も退職という決断に前向きではなかったです。リスクが大きいですからね。
沢山迷いました。

でも、将来のことを考えずに退職を決めたわけではありません。
「学生に寄り添ってサポートしてあげたい」
その気持ちはずっと変わらずにあったので、それが実現できる仕事をしようと決めていました。

例えば、大学教員の道なんかを考えたりもしました。また別の記事にしようと考えているのですが、僕は社会人になってから改めて大学院に入り卒業しているのでその道もあったんです。元々学生時代は教師を志望していましたし。

でも、大学教員の勤務地は北海道とは限らなかったし、またやりたい仕事とのギャップに悩む可能性だってある。

だったらもう自分で起業しよう!!

そう一念発起して会社を立ち上げるに至りました。

ここで僕の会社をちょっとだけ説明すると、まあ最初にも書いてるみたいに学生の就活支援を行っています。北海道札幌市にCampus Addという就活支援スペースを作りました。
学生に就活に関する情報を提供していますが、それは全て無料です。スポンサー企業がいくつかあって、そこでの売上で運営しています。
学生と企業を繋ぐ様々な企画を実行中です。
興味がある方はこちらを覗いてみてください!

ちなみに、この会社の構想は、キャリア支援センターで働いていた時にぼんやり考えていたことでした。
東京、大阪に就活カフェができて、それを学生に紹介してくださいとお願いされたことがあったんです。どんなもんか自分で足を運んでみたら、就活支援の体制が整っててすごいよかったんですよね。
北海道にもこういうところがあったならなーなんて思ったりして。

起業するなら何をしようか考えたときに、じゃあ自分で作っちゃうか!と思って形にしちゃいました。

当時、北海道新聞に取り上げていただきました。

まっさらな状態からのスタート

退職してから会社設立までの期間は5か月。
就活生と企業を繋ぐ事業に向けて準備する期間でしたね。

まずは場所作りから。物件選びに室内レイアウト、ネット環境の整備まで。
そして、ホームページやパンフレット作成の周知活動。あと僕がやろうとしてるのは、人材系のビジネスなので取引先企業を集める必要もある。そういった仕事に追われて走り回る日々でした。

ありがたいことに、大学職員時代から付き合いのあった方々や卒業生など、協力してくれる方々が沢山いました。
何気に時間をかけたのがインテリアなんですが、実は学生の協力でできたものなんです!
その学生も、知り合いの大学教員に呼び掛けて、企画したプロジェクトで繋がった縁です。
今までの人脈によって、徐々に僕の構想は実現していきました。

椅子や机を作った工場

そんな感じで準備中は色んな人のサポートがあったものの、いざ起業すると孤独でのスタートでしたね。出勤しても基本は一人。がらんとした職場にポツン……笑

借りたばかりのオフィス
見出し画像は現オフィスなのですが、最初はこんなにがらんとしてました笑

サラリーマン時代は、出勤したら好き嫌い関係なくとりあえず「おはよう」と挨拶し合う相手がいて、座る席があった。仕事内容に不満はあれど、不安や孤独感はなかった。

でも会社を立ち上げてからは、仕事は自分一人でつくらなければいけない。ゼロからのスタートで、不安と孤独に押し潰されそうでした。わくわくした感情より、そうしたマイナスの感情の方が大きかったです。

その時は、本当に辛くて「自己肯定感を挙げるための方法」とか書いている本とか読んで、とにかく自分で自分を褒めまくっていました笑

でも、それは起業とか新しい道を行く人は誰もが経験するものなんでしょうね。
起業して6年ほど経った今でも不安感はありますがその気持ちも一定期間を経れば徐々に薄れていきます。わくわくした気持ちと共存している感じかな。

起業したその先

当たり前ですが、起業したらゴールなわけじゃないです。これは起業したい人に関わらず、就活生にも言えますけど、仕事が決まったからってゴールじゃない。

自分が本当にやりたい仕事ができてるとはいえ、苦戦する毎日です。
良かれと思って企画したものの、学生や企業の心に響かなかったりと中々ニーズを掴みきれてなかったり。
自社のサービスを浸透させるというのはやっぱり難しいものです。
とりあえず沢山考えたうちの一個成功したら、その事例を広げてみるというのを繰り返しています。

起業したい人って、自由になりたい、自分のやりたいことを追究したいって考えてる人が多いと思うんです。
実際、起業した後は自由ですよ。誰からも指示されないし、世の中の動きはこうだからこうした方がいいよと教えてくれる人もいません。だから大変なんですよね。
常にニーズを自分で考える必要があります。その覚悟はしっかりしておいた方が良さそうです。

まあ、そこにやりがいも感じますけどね!
世の動きをキャッチして、それに合わせたサービス提供。これがスムーズにできますし。
組織が大きすぎると、動かなきゃいけない人が沢山いるので新しいことをしようとすると時間がむちゃくちゃかかるんですよね。でも、自分の会社だと柔軟に対応して、サービス向上にすぐ繋げられます。
利用者に満足の声を頂けるとやっぱり嬉しいです。

企画したイベントの様子

今だって何一つ100点からは程遠い。でも決して0点ではない。何十点かはとれているはずなんです。設立してから6年続けられたのは、その積み重ねかなという気がします。
僕は今の仕事に誇りを持っています。自信をもって、自分のやっている仕事を周囲に話せます。

退職→起業を経て言えること

自分がやりたい仕事につけたとしても、順風満帆に過ごせるとは限らないです。試行錯誤の毎日で、失敗に挫折、それに伴う不安はずっとつきまとうもの。
そんな時、僕は自分の過去の経験を心の支えにしています。
「今まで積み重ねてきたことがある」「あの辛かった時代があるけど、あれを超えることは早々ないだろう」「あの失敗も乗り越えられたから今回も大丈夫」
そんな考え方です。
だから、失敗とか挫折の経験も役に立つっていうのは本当なんですよ!笑
将来の自分に効いてくるものって捉えるくらいでちょうどいいです。

あと、選択肢をたくさん用意することの重要さも主張しておきたいです。

何かやりたいことが決まってる人って、他の道を考えることに後ろめたさを感じてませんか?
夢一筋じゃないというかフラフラしてるかもって思っちゃったりね。教職目指していたころの僕がそうでした笑

でも、仕事の選択肢が沢山あると安心です。
仮に夢を叶えてやりたい仕事をしていたとしても、他の要因……例えば上司が最悪だったとか、辞めたくなる理由って色々あるじゃないですか。
その時、でも自分が決めたことだから仕方ない……なんて我慢すると鬱になっちゃいます。その時、他の選択肢が頭にあると、自分にここは合わないから辞めようと切り替えられます。
安心材料になるでしょ。

僕が迷った末に退職に踏み切れたのも、起業という選択肢が頭にあったからです。
仕事で悩んでいる方々は、自分なりに様々な選択肢を用意しておくと少しは気が楽になるんじゃないかなと書いていて思いました。

そして、もうシンプルなことですけど、まずは挑戦してみることですよね。
失敗したら……ってことをどうしても考えてしまいがちですけど、まずはやってみること。ダメだったら軌道修正、素早く撤退。
失敗を考えて足踏みしているとどんどん廃れる一方です。これは起業してから実感しましたね。

何かしら仕事で悩んでいる人や就活中の人に、僕の経験談が参考になれば幸いです。

もし、北海道の就活生の方がいましたら、インスタなどでも情報発信をしているので見てみてください!

Campus Addの学生スタッフがインスタの運営を担当してくれています。
余談ですが、noteでの僕のアイコンもこの担当者が描いてくれたものです。

これからも色んなことを記事にしていこうと思いますので、ぜひよろしくお願いします!




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