見出し画像

私は不倫をしていた。17話:ハロウィンスイーツ

ハロウィンスイーツを作った。本当は元カノのために作ろうとずっと考えていたテリーヌショコラだ。ここには写真は載せないでおくが、相当本気で気合を入れて作った。
ケーキ本体の甘さを控えて中にトロっとしたイチゴのソースを入れて、ピスタチオパウダーとココアパウダーで風味を足してみた。
さらにフリーズドライの苺粉末を少しまぶして、手作りの飴細工まで乗せた一品だ。
ベルギー産のクーベルチュールチョコレートを溶かして使っている。

ちなみにもしバレンタインとかで作る人がいたらこのチョコレートはオススメだ。市販の板チョコでも良いが、良いチョコレートを使うとただ溶かして固めるだけでも圧倒的に本格度が増す。というより見た目、味共にワンランク確実にアップする。ぜひ参考にしてほしい。

いい年のおじさんがすでに別れた恋人のために作ったテリーヌショコラを、自分の妻に食わせたり、職場の女子たちに持っていこうとする姿は自分でも引くほど滑稽だ。
誰を思って作ったかはもちろん食べる人たちには秘密だが、作っている間思い出に浸れて結構幸せだった。
飴細工は今回初めて挑戦したが、思ったより簡単だったので今後スイーツを作る際の定番になりそうだ。

すごい、今日の記事は料理好きの女子高生が書いているような内容だ(笑)これをアラフォー男性が書いているというのはかなり気が知れない。
このように料理は好きなのである。自転車とか筋トレとかもいいが、こういうイベント毎に手の込んだ料理を作るのは基本的に楽しい。
気がまぎれるというのもあるが、工夫していく楽しさが一番好きだ。

職場の男性連中から「婚活のために料理男子になりたい」と料理教室をやってくれと頼まれたことがある。実際に野郎たちと一緒に作って女子を会場に呼んで食わせるとこまでやったことがあるが、すごく好評だった。女性は男性が作る料理に弱いのだ。
まあ、実際テーブルに並べたのはほとんど私が作ったものだったが、彼らが作ったことにしてやったのは内緒だ。
もし婚活等に料理を使うなら、超気合の入ったオシャレメニューと基本的な家庭料理メニューどっちも必要だと思う。

とりあえず出会いに向けて、とにかく見た目が映えるメニューを作れるようになっておけば初めて誰かに振る舞うならイケる気がする。
それ以降は家庭料理にシフトすればいいだけだ。

実際、料理好きってのは男性の恋愛においてかなりの武器になる。いわゆる家飲みの機会は結構あって、その際キッチンに立っているだけで毎回一人くらい女子が必ず隣に来ていてくれた気がする。そしてその子は大抵私に興味を持ってくれており、いい感じになりやすい傾向があった。
さっきも言ったが現代女性は仕事に恋にお洒落に結構疲れているため、誰かが作ってくれる料理にめっぽう弱い印象がある。(女性軽視になってたらスミマセン。ただ、おいしそうに食べてくれる女性の笑顔が好きなんです。)

チョコレートをテンパリングしながら、失恋ショコラティエという松本潤と石原さとみが出ているドラマを思い出した。私はほとんど恋愛ドラマなど見ないが、当時まだ10代の妻が話題に出していたので、見ていたドラマだ。小悪魔的で超モテる彼女(石原さとみ)のために一流のショコラティエになって見返そうとする男(松本潤)のポジションがすごく辛そうな「どM男子」必見のドラマだった。

今回も精一杯おいしく食べてもらえるように工夫して、手間をかけたつもりだが、このスイーツが本当に食べてほしい人の口に入ることは絶対にないと思うと少しだけ寂しく感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?