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小説 のだくん8

勇気とは、どういう時に発揮するべきものなのか?
男は度胸(勇気)とも言うし、勇者は魔物を倒す。言葉にすればとても簡単なものが勇気である。
しかしその時になってみないと分からないものが勇気の使い道だ。

のだくんも不登校からボクシング訓練を経て学校にきたが、教室のドアを開けれないでいた。
復讐、復讐とつぶやきながら勇気を出そうとするが、筋肉量と勇気は比例しないらしく虚しく時間が過ぎる。

あっ今日は木曜日で学校に行こう!もあるし帰ろうか!?と考え始めた時、
あれのだくんじゃない?
とハーフの女子が言った。
気づかれた。
のだくんは勇気を出す前に覚悟をしなければならなくなった。

ガラガラ。もちろんドアの開く音である。
あっと誰かが言った。たぶん横田くんだろう。
ざわざわざわ ざわざわ
汗が出る。
のだくんは拳を握りしめ、ボクシングの苦しかった練習を思いだす。プロボクサーとのスパーリング。毎日のロードワーク。筋トレなわとび、しんぶんはいたつげーむ、、、。
駄目だ。まだ訓練が足りない。帰ろう。
と考え始めたその時。
ハーフが言った。
ここがのだくんの机だよ。
うん、。
座る。ありがと。と言う。

ガラガラ。またドアが開く。
すると柄の悪そうな同期生がやってくる。
戦いの始まりか?と緊張。
のだっち?
近づく同期生。
ざわざわざわ。
のだっちの正面に座る。
沈黙。
その時、腕相撲しようか?
と同期生。
うん。いいよ。とのだっち。
すると軽くのだっちの勝利。
のだっちすげえつええ!と同期生。
のだっちは闘わず勝った?のか?
その同期生は学校一腕相撲の強い札付きのヤンキーで、のだっちの生涯の友になる友人である。その後この腕相撲がきっかけでこの学校のリーサルウエポンになることは今のだっち(のだくん)は知らない。


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