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苦手な物を先に食べますか?

僕は椎茸がそこそこ苦手だ。

子供の時は超がつくくらい苦手だった。「何で、きらいなん?」と言われれば、食い気味に「食感ぶよぶよ、何か味も気味悪くて、宇宙人食べてるみたい。」と返答していた。

椎茸に何故そこまで迫害されるのだ?と詰め寄られても
仕方がないような言葉を発していた。

大人になれば食べれるようになった。食べれるようになったと言うか、食べざるを得ない。外食が増えたのだ。そして、注文した料理に椎茸が紛れ込んでいたり、避けようのない事が増えたのだ。子供がピーマンを皿の脇に寄せるような行為は辞めた。

ある日、近所の中華料理屋でタンメンを頼んでみた。
夜遅くに会議が終わり、腹を空かせていた。

熱々のタンメンが目の前にやってきた。

身体を前に乗り出すようにして
匂いを身体全身で受け止めようとする。

奴と目があった。

芳醇な香りがする宇宙人。椎茸だ。

椎茸をふんだんに使ったタンメン。

僕の知っているタンメンに椎茸はいない。

2人の間に緊張感が走る。

僕はお箸で椎茸だけ摘み上げ、食べる。食べれるが、やはり少し苦手だ。そして、僕は具を掻き分け、椎茸を見つけては、口に入れていく。そして、飲み込む。

♾️椎茸摘んで食う飲み込む♾️

じゃあな、椎茸。

その後、タンメンを美味しく頂いた。

恨みはないが、こんな食べ方しか出来ず、申し訳ないなと思う。

苦手な物こそ早く食べたいのだ。

結構に自身に根付いた本能かも知らない。

この本能は仕事にも影響を及ばす。

お恥ずかしい限りであるが、「仕事」そのものが苦手なのかもしれない。例えば、リモートワークの日。僕は朝起きて、とりあえずコーヒーを淹れて、パソコンを点ける。途中で顔を洗ったり、髪を濡らしたりはする。ただ、終業まで、僕はほとんど食事を取らない。腹が減ったら、凍らせたキットカットをガリっと噛み締める程度。

仕事を噛み砕きながら、コーヒーを飲み続ける。
腹を下すか、仕事がお皿から消えるまで。

午後8時に打ち合わせがある時は最悪な気分だ。どうやっても午後8時以降にならないと仕事は皿に乗ったまま。ご飯が食べれないのだ。仕事を摘み続けて0にしないと美味しい料理が食べれないと思い込んでいる。

ON/OFFの話に通じる。

僕の心にもON/OFFのレバーはあると思うのだが
この切り替えが相当に下手なのだと思う。

ONの状態ですべきことが消失するまで
OFFに切り替えることに恐れを感じるのだ。

椎茸を先に食べ続けてしまう行動も似たり寄ったりだ。
存分に好きな時間を楽しむ為に一心不乱に食べる。

ランチに出かけることもそうだ。仕事に相当に余裕があれば、ランチには出かけたが、ない場合は、ウイダーインゼリー以外を食する気にならなかった。忙しくてもランチに行ける心の器が広い人達が羨ましいなと思った。

ただ、切り替えが出来ないことは度を過ぎれば、身体に影響が出てしまうが、長く集中して物事に取り組むことは決して悪いことではないと思う。(大したことはしていないが。)

そういえば、椎茸を食べ切った後のタンメンは何故か、いつもより美味しく感じた。また、仕事が皿から消えた先に飲むビールはいつでも美味い。苦手なものがあるぐらいの方が人生にも張りが出るのかもしれないな。

苦手なものを先んじて食べれば
後の好きなものがより美味しく感じると僕は思う。

ただ、好きなものを食べて、苦手なものを食べる
モチベーションをあげる人もいるだろう。

ご飯の食べ方、ON/OFF切替論、正解はないのだろう。

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