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感受性の正体は自我

「感受性高いわ。」友が言う。
「感受性高すぎるねん。」家族が言う。
 
聞いて、嬉しかったり、悲しくなったり。
 
両者が使う感受性を指し示す行動は
バラバラで僕を混乱させる。

僕は高いと言い切る自信もない。
 
この得体の知らない言葉を
考えてみようと思ったのだ。
 
独断と偏見であることを許してほしい。
2,800文字に渡る。


感受性の定義


外界の印象を受けいれる能力。物を感じとる力。感性。
 
広辞苑はこう定義づけする。
 
たまに感受性が高ければ、
共感性が高いと表現されることがある。
 
同意はする。ただ、働きは異なるのだ。
 
共感には、人の感情と自身の感情を結びつけるリンク能力が必要。
 
感受性は、結びつけるというより、自身に内包する力。

人の感情にリンクさせることは能力の一部ではない。
 
共感は外向き、感受性は内向き。

感受性の正体は自我


僕は、感受性の正体は「自我」だと思う。
 
感受性豊かな人は、実は自我が強い。
 
自我が強いと言うと
 
意見は曲げない
自分の信念が強い
 
など様々なことを示される。
 
感受性豊かな人と真逆の説明だ。
 
僕は自我が強いにも種類があると思っている。
 
世の中の事象を自身と切り離せず
自我を通さないと気がすまない人。
 
心の矢印は常に自分の向きに刺さっている状態。
 
これが感受性の高い人の特徴だと思う。
 
僕は昔ゴールキーパーをしていた。
 
失点は避けられないポジションである。
 
失点をするたびに自身の非を問う。
周りの視線が気になっていく。
 
本当は全て自身のせいでもないし
周りの視線は応援の声だった。
 
勝手に自身に矢印を向け
咀嚼し解釈をする。

見えないものが見えるわけではない。

見えないものを自身で作り出し
それを内側に秘めているのだ。

 
この状態を感受性というのであれば
強い方なのかもしれない。
 
自身と事象は切り離せばいい。
 
ただそれが出来る習慣がない。
 
自我はブラックホールのように
事象を吸い込んでいく。
 
そして吸い込んだ後の何かが
現実と空想も区別なしに心を漂っていく。
 
この自我を源泉とする感受性を
3行動に切り分けてみたいと思う。

僕が思う感受性がもたらす3行動


1. 素直に反応する


共感性においても近い説明をした。
 
受け止める能力である。
 
共感性は人を対象とすることが多い。
 
だから、僕は感受性における、それは
最も動物的である気がしてならない。
 
猫が大好きな猫缶を開封され喜び
カチカチな餌を見ると失望するような。
 
外界の事象を受け止める以前に
即座に素直に反応する。
 
反応は、肯定・否定どちらにも向かう。

また、誰にも言わずひっそり反応することも。
 
ただ、素直に反応した後に忘れることは下手で
その時のシーンや言葉が滞留していくことは多い。

2. 意味づけをする


言葉が滞留した先に発揮されることがある。
 
意味づけ能力である。
 
1つの言葉からか
過去の積み重ねか
は時と場合による。
 
とにかく自身にとって
何を意味するかを考えてしまう。
 
昔の友人との会話。
 
彼らは高校時代の内輪ネタを
マシンガンのように話す。
 
僕は、ぼーと聞いていた。知らないから。
 
僕には心の許せる友人関係は少なかった。
 
僕は内輪ネタを把握しきるほど
その人達を知らない。
 
家に帰ると、自身を責めるわけではないが、
会話は過去から生まれる場合が多いと思った。
 
今後、過去が噛み合わなくなった時、
会話がなくなってしまうのではないかと思った。

落ち込みはしないが
少し虚しい気分になった。
 
心を開かなかった僕への禊だな。
 
そんなこともあるさ、と切り離せば良いが
この時間が、僕に何を意味したかを考える。

3. 自我と外界の境界線がなくなる


外界からの刺激を受けやすいということは
自我と外界の境界線がなくなっていることだ。
 
例えば、好きなアーティストについて語れば
僕 / 私自身のように語ることが出来る人。
 
そんな人もいるのではないかと思う。
 
それは外界からの刺激が自我と融合して
無限に空想が生まれている状態だ。

働きを細かく見ると共感性と異なると
思うのだが、この部分は近そう。

ただ、人の気持ちにリンクするのが共感性で
感受性ベースの共感は空想になりがち。
 
僕はそんな領域とはほぼ遠いが
デイヴィッド・ホックニーの画展に訪れた後の
思考回路はこんな風だった気がする。
 
↓ホックニーのコンセプトを把握する。
 
↓絵画を鑑賞する。
 
とにかくコンセプトを感じ取ろうとする。
自身の感じたことを適当にメモする。
 
↓友達に話す。
 
コンセプトがどう反映されていたかと同時に
彼がその当時何を考えていたかを一緒に話す。
 
多分な、多分な、彼はこうやったんよ。
勝手に自身で彼の立場になって話していた。

仕事へのプラス影響


一応、5年ほど外勤営業をしてきた。
 
自分の人生は悪いことだけではない。
 
強みと言えるほどではないが
この性格が与えた影響もあると思う。

1. 人に敏感


人は表情や言葉に出さずとも
示唆を発しているように思う。
 
メールや電話の言葉遣い。
漂わせている雰囲気。
 
怒ってなくとも失望してなくとも
移り変わりそうな瞬間を見た。
 
であれば、手厚くリカバリーをする。
 
プロジェクトの主担当として従事する。
 
周りの方々の感情ややる気は
何となく掴めていくものだ。
 
良い意味で炎上できるよう応援されるよう
初めに自分から手をつけアピールしておく。
 
平和に生きることが出来るよう
本能的に動いているのかもしれない。
 

2. 思い込み


仕事人として誰に対しても
フェアに接するべきだと思う。
 
ただ、お客さまでも
この人いいなと思えば
大きなパワーになっていく。
 
実際にいい人かどうかは不明だ。

ただ、この人には何かしてあげる
必要があると思うのだ。

空想と現実が交差しながらも
その自身から生まれた思い込みを
パワーとするのだ。

仕事のアウトプットも上がり
良い関係性を築けていた。
 
重要な案件。
 
勝てる気がした。
 
勝てる気がするから、僕が負けることはない。
 
今までの乗り切った経験を糧に
必ず勝てると思い込むのだ。
 
勝てるまで、考え抜いて、立ち向かうのみ。
 
人や案件等は問わず
とにかく思い込みは
僕のガソリンだった。

感受性との付き合い方


僕は感受性が高い方が
物事の味わいも深まるし
そっちの方が好みだ。完全に双刃。
 
また、持っていない人と比べ
気遣い力や鍛冶場の爆発パワーが
備わってくるのではないかと思う。偏見。
 
ただ、感受性のデメリットは
時に陥ってしまうマイナス思考と
無駄に情報を吸収するところだと思う。
 
客観的に自身を見てくれる人格を
養うことは出来ればやっておきたい。
 
ストレスコーピング
アンガーマネジメント
認知療法
 
僕は本を読んだことはあるのだが
イマイチ身体に馴染んでこないのだ。
 
理解より、実践が難しい。
 
デメリットに陥ったときに
没頭出来る趣味を作っておくか。
 
これも手段の1つだと思う。
 
個人的な意見だが、お酒って、
時に悪い方向に感受性を爆発させる。
 
酒に酔って生まれる言葉には耳を貸さない。
 
テーブルに貼り付けておこうか。

すまない、未だに付き合い方は分からない。

ただ、それだけ強烈な力なのだ。

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