見出し画像

地域の住宅や建物をつくる“建築”の仕事

ノアハウス(株)で働く杉山さんを、もとまるが訪問!

ノアハウス(株)は、杉山製材所として創業し、70年以上、木を扱ってきた会社です。現在は、木を使って住宅や店舗をつくったり、よりよい建物になるようにリフォームしたりする仕事をしています。今回は、ノアハウスの社長である杉山宗憲さんの仕事を見学しました。


住宅や店舗の設計・施工を行うノアハウスの杉山宗憲社長

お客様の要望を超える提案を目指して

子どもの頃から父の仕事を手伝い、「いつかこの会社を継ごう」と思っていた杉山さんは、建設会社で家づくりを学んだ後、父の会社を継いで3代目社長となり、2008年にノアハウス株式会社と社名を変更しました。一度他の会社で働いてみて、「この会社の魅力は、お客様との距離が近いこと」と感じた杉山さんは、じっくりとお客様の希望や暮らし方を聞き、プロの目線でより快適で利便性の高いプランを提案することを大切にしています。
 
たとえば、それまで住んでいた住宅を解体して建て替える際には、まだ使える木材を加工し直して使用し、新しい住宅に住み慣れた我が家の愛着を残すこともあるといいます。また、キッチンや浴室、トイレなど日々の生活に深く関わる水回りスペースは、普段の使い方を聞いて使い勝手のいい動線を考えるなど、暮らしやすさへの配慮を忘れません。さらに杉山さんは、近年増えている地震などの自然災害の時も、安心して住み続けられるよう、耐震工法にもこだわっています。
 
また、杉山さんが設計した建物は、地元で働く多くの職人さんの手で建てられています。工事現場では、お客様の安全を第一に考えて足場にカバーをつけるなど工夫をしており、お客様にもその気遣いが評価されています。


お客様の要望や暮らし方から最適なプランを作成


地震に強い工法を取り入れて、安心して暮らせる住宅づくりに尽力

木の魅力をいかした空間づくり

昔はノアハウスでも木を木材へ加工する製材を行っていたこともあり、「生活の中で木の温もりや安らぎを感じられる空間をつくるのが好き」という杉山さんは、お客様の要望に合わせて、木をふんだんに使った建物を数多く手がけています。
 
その1つが、本巣市外山地区にある大茂山の山頂に設けられた展望台。依頼した外山地域街づくり委員会の方が持っていた地元の木を使い、山の風景にしっくりと馴染む展望台をつくりました。「大茂山は登山を楽しむ人が多いので、山登りが趣味というお客様に『あの展望台はうちでつくったんですよ』と話すと、とても盛り上がります」と、杉山さんは自分がつくった建物が地域の人に喜ばれていることに、大きなやりがいを感じています。


本巣市外山の大茂山山頂にある展望台

もう1つ、杉山さんに案内してもらったのが、20年ほど前に杉山さんが設計した店舗に、ウッドデッキのテラスを増築した白道アートギャラリー。天井や壁、床のすべてに根尾の木を使っています。中には、クマが引っ搔いた跡が残る木もあり、自然の営みを感じさせます。「この木はいつか店舗を設計する時に使いたいと思っていました。この木を使う提案を受け入れてもらえて、本当にうれしかったです」と、杉山さんは誇らしそうに木材を見上げながら、思いを伝えてくれました。


根尾の木を使って建てられた白道アートギャラリー


クマが引っ掻いた跡が残る木材

子どもを見守る地域貢献活動に参加

杉山さんは、建築という仕事を通してこの地域により快適な暮らしを提供しているのに加え、5年前にお子さんが通う一色小学校のPTA会長を務めたのを機に、地域の見守り隊に参加。地域活動の面でもこの地域に貢献しています。現在は、毎朝小学校の校門に立って、あいさつ運動を実施。また、児童がサツマイモを栽培する畑の準備など、学校行事のサポートも行っています。サツマイモが収穫時期を迎える時には、会社にある角材を活用して焚火をし、焼きいもをつくって1・2年生に振舞っています。
 
「子どもの成長していく姿を見られることが、本当に楽しい」と話す杉山さんは、見守り隊のほか、青少年育成推進委員や保護司なども務め、次の世代を担う地域の子どもたちを支える活動を積極的に行っています。


毎朝、挨拶活動をする見守り隊の皆さん


もとまるも挨拶運動に参加

子どもたちが思い出を語れるまちに

近年、石油などの化石燃料の価格が上がったり、環境破壊などが世界的な課題となったりしている中、杉山さんは太陽光や自然の風など、自然のエネルギーを最大限にいかした家づくりにも力を入れています。自然のエネルギーを取り入れて、お財布にも地球環境にもやさしい家づくりをお客様に提案するため、今後も省エネルギー住宅などの知識を深めていきたいと、今後の目標を語ります。
 
「今、私たちの周りはさまざまな変化がありますが、子どもたちが大きくなった時に『故郷でこんなことがあった』と思い出を語ることができるまちにしたい。そのためにも、仕事でも地域活動でも、我が家や地域で思い出を残していくお手伝いができればと思います」と、杉山さんは公私ともに、地域の豊かさを次世代に伝える家づくり、地域づくりを目指しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?