【原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち】と【後世への最大遺物】 ⑩
人が常に管理し続けなければならないということは人が管理できないのと同義である
「私が原発を止めた理由」第1章 ハイデッガーのことば
第3章 責任について
1 三・一一後の私たちの責任が重い理由
►1955年原子力基本法成立
►1973年中東戦争→産油国から石油を安定的に輸入できない・オイルショック→火力発電所中心のエネルギーを政策を転換→
►1975年「電源三法」成立
「しかし、その先人たちの責任よりも、三・一一を経験した私たちの責任の方が遥かに重いのです。その理由は三つあります。」129ページ
一つ目は──使用済み核燃料を保管する場所がありません。
高速増殖炉もんじゅ
二つ目は──「原発の問題は、立地市町村だけの問題でも立地県の問題でもなく、我が国全体の問題」だから。
しかし、「復興」大臣の受けとめは──
「まだ東北、あっちの方でよかった。首都圏あたりだと莫大、甚大だったと思う」今村雅弘復興相(2017)
お上が決めた【20ミリシーベルトOK】の基準に逆らって避難先から帰らないのは当人の勝手、自己責任だ──「関係ない」と考えているようだ。
三つ目は──基準地震動が「今なお二分の一の過小評価のまま」
原発建設当事、「関東大震災は震度7で、ガル数としては400程度と思われていました。」「地震学者の間では『980ガル(重力加速度)を上回る地震はないのではないか』とも言われて」いたそうですが、「一九九五年の阪神・淡路大震災を契機として」整備された地震観測網によって、震度7は1500ガル以上に相当することがわかりました。
「本来ならば原発の運転は諦めざるを得ない状況であることが明確になった」のですが電力会社は基準地震動を徐々に引き上げ、お茶を濁しています。
大飯原発建設当事の基準地震動は405ガル。「(2021年)現在の大飯原発の基準地震動は856ガル」でしかない。「電力会社は、その危険性を充分に認識できているにもかかわらず再稼働を推し進めているのです。」
表1 震度と最大加速度の概略の対応表(36ページ)
震度等級 最大加速度(ガル)
震度7 1500ガル程度~
震度6強 830~1500ガル程度 ⇦大飯原発856ガル
震度6弱 520~830ガル程度
震度5強 240~520ガル程度
震度5弱 110~240ガル程度
震度4 40~110ガル程度
⑪へつづく
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