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『クラークス』:1994、アメリカ

 ダンテは食料雑貨店の店長からの電話で起こされ、朝から仕事に入ってくれと頼まれる。前日の夜に仕事をしていたダンテは、「無理です、2時からホッケーなんで。もうクタクタですよ。昨夜は俺が店を閉めたんです」と嫌がった。しかし12時から店長が交代すると言われ、渋々ながら承知した。
 ダンテは車で食料雑貨店へ赴き、開店の準備を進める。彼がシャッターを開けようとすると、錠前の鍵穴がガムで塞がれていた。ダンテは靴クリームを使い、開店していることを紙に書いてシャッターに貼り付けた。

 しばらくするとサラリーマンがコーヒーを注文し、その場で飲み始めた。そこへ青年が煙草を買いに来ると、サラリーマンは「ホントに煙草を吸ってていいのか?」と言って鞄の中から肺の模型を取り出した。彼は煙草の害について説明し、「代わりにこれを買え」とガムを勧めた。
 青年はサラリーマンの説明を受け入れ、ガムを購入して去った。ダンテはサラリーマンに、「コーヒーは外で飲んでください。ここで飲むなら、他のお客には声を掛けないで」と要求した。サラリーマンは承諾するが、新たな客が煙草を注文すると再び害について説明を始めた。

 ジェイは相棒のサイレント・ボブに、「今日は金が入りそうな気がする。そうすりゃパーティーで女とやりまくるんだ」と言う。ホブは何も言わず、煙草を吸っている。サラリーマンは複数の男性客を集め、煙草の害について説明するだけでなく売っているダンテを激しく糾弾する。客たちは賛同してダンテに煙草を投げ付け、サラリーマンは調子に乗って罵る。
 そこへダンテの恋人のヴェロニカが現れ、消火器を噴射してサラリーマンと客たちを黙らせる。彼女は逃げようとするサラリーマンに名刺を提示させ、ガムの営業マンと知る。ヴェロニカはサラリーマンと客たちを非難し、店から追い払った。

 「こんな店は最悪だ」とダンテが愚痴ると、ヴェロニカは「嫌なら辞めて進学すれば?」と促した。ダンテは「今日は休みのはずだった。ボスが病気で12時まで来られないんだ」と言い、カウンターの後ろに座り込んで仕事をサボる。
 彼はヴェロニカにマニキュアを塗りながら、セックスについて語る。「女はベッドにいるだけでいい。男をイカせるのは簡単だからな。だが男が女をイカせるのは才能だ」と彼が語ると、ヴェロニカは「バカにされた気分よ」と腹を立てる。

 「これまで寝た女は私を入れて何人?」と問われ、ダンテは「12人」と言う。「私が寝たのは3人よ。貴方はケダモノね」と責められても、ダンテはクールに受け流した。ヴェロニカは「月曜日に学校へ一緒に行って。貴方はこの店で自分の可能性を潰して」と復学を求めるが、ダンテは興味を示さない。
 ヴェロニカはダンテの近くにいたという理由で、今年から大学を移っていた。ヴェロニカの友人のウィリアムが店に現れ、ソーダと煙草を買う。ウィリアムが去った後、ヴェロニカは彼のニックネームを語り、由来について「フェラしてもらった後、出した物を自分の口に入れさせるから」と言う。

 ヴェロニカがウィリアムにフェラしたと話すので、ダンテは「さっき3人で言っただろ」と憤る。するとヴェロニカは、「セックスはしていない」と告げる。ダンテが「何人とフェラした?」と声を荒らげると、彼女は「貴方を入れて37人」と答えた。ダンテが激昂すると、ヴェロニカは「貴方は12人と寝たんでしょ。それに最後は貴方よ。つまり浮気はしてないの」と反発して立ち去った。
 しばらくすると老人がビデオテープを持って店に現れ、向かいのビデオ店が11時に開くはずなのに20分も過ぎていると文句を言う。ダンテは面倒そうに、「家に2回も電話しました。もうすぐ来ます」と告げる。「こないだ来たら、あいつは居眠りしてた」と老人は言い、ダンテを扱き下ろす。彼は「バカな店員のために待ってる暇は無い。返しておいてくれ」と言い、ビデオをダンテに預けて去った。

 ビデオ店の店員であるランダルは、店の前でオープンを待つ女性に声を掛ける。しかし彼は自分も客のように振る舞い、雑貨店へ赴いた。ダンテは預かったビデオ3本を渡し、早く店を開けろと指示する。
 ランダルはビデオ店を開けた後、また雑貨店に来てダンテと喋る。彼はダンテと元カノのケイトリンの関係について、「過去は忘れろ」と助言する。ダンテとヴェロニカは7ヶ月前からの交際で、ケイトリンとは5年も付き合っていた。

 ケイトリンは何度も浮気を繰り返したが、ダンテは「浮気以外は楽しかった」と思い出を美化していた。ケイトリンからは何度も電話が掛かって来ており、ダンテは「今の彼女は臆病で傷付きやすい。大学を出て社会に出るところだからね、弱々しいのも当然だ」と言う。
 彼は「俺に支えてもらいたがっている。2人の関係が深まりそうだ」と話し、ヴェロニカとの関係については「ケンカばかりしているのは、無意識に別れたがっているからだ」と告げる。するとランダルは「4人で話し合った方がいいんじゃないか」と述べ、ケイトリンの婚約が地元新聞に掲載されていることを教えた。

 ダンテは新聞社に電話を掛け、ケイトリンの婚約が事実だと言われる。ランダルはビデオ店で発注作業をした後、また雑貨店へ戻る。ダンテは「記事は本当だった」と苛立ちを示すが、ランダルから『スター・ウォーズ』シリーズについて問われると饒舌に話す。
 ダンテとランデルは、『スター・ウォーズ』に関してマニアックな会話を交わした。するとコーヒーを飲んでいた屋根ふき職人の男が会話に参加して、自分の体験談を語った。その隙に青年が万引きするが、ダンテは全く気付かなかった。 

 ビデオ店に戻ったランダルは、借りようとするビデオについて質問する婦人に冷淡な態度を取って煙たがる。婦人に批判された彼は、辛辣な言葉を浴びせる。婦人が腹を立てて「二度と来ないわ。クソ食らえ」と去ると、彼は「二度と来るな」と怒鳴った。
 ランダルは雑貨店へ行き、ダンテに「失礼な客に酷いこと言われた」と愚痴る。ダンテは彼に、20分前からスーツの男が卵のパックを次々に開け、完璧な12個を探していることを話す。入れ替えたらいいんじゃないかと言われたら、「いい商品を並べようとするプライドが無いのか」と怒鳴られたと彼は語る。

 そこへ女性客が来て、スーツの男は進路カウンセラーだろうとダンテたちに教える。以前に同じ行動を取る男がいて、進路カウンセラーが陥りがちな症状なのだと告げる。危害は加えないし金は払うので、心配は無いと彼女は述べた。ランダルは雑貨店に留まり、ダンテの隣でポルノ雑誌を読みながら下ネタを饒舌に語る。
 買い物に来た男性客が腹を立てると、ダンテは謝罪する。しかしランデルは全く悪びれずに雑誌のグラビアを見せ、客は顔をしかめて店を出て行く。ダンテが「後でボスに言われたらどうするんだよ」と怒ると、「もう少し力を抜けよ。たまに客をイジめればストレス解消になる」とランダルは告げる。

 「正直になれ。腹が立つ客もいるだろ」と彼が言うと、ダンテはミルクを全て引っ張り出して日付を確認する女は嫌いだと告げる。するとランダルは、「俺はビデオ店に来る客が全て嫌いだ」と口にした。12時になっても店長が来ないので、ダンテは店に残っていた。そこへヴェロニカがラザニアを差し入れると、彼は喜んだ。
 ダンテはランダルにビデオ店へ帰るよう言い、ヴェロニカと仲直りした。ヴェロニカが去った後、ダンテは店長と電話で話す。店長はヴァーモントにいるので火曜日まで戻らないと告げ、閉店まで残るよう指示する。ダンテは腹を立てるが、仕方なく引き受けた。

 ランダルは彼の態度に呆れ果て、「お前の人生、引き下がってばかりだな」と指摘した。「ホッケーに行けなくなった」とダンテは愚痴をこぼし、約束していた友人のサンフォードに電話する。彼はサンフォードを含む仲間たちを呼び、店の屋上でホッケーをしようと考える。
 ダンテは一度閉店中の貼り紙を出して、ホッケーを始めた。すると煙草を買いに来た客が屋上の声に気付き、早く店を開けろと要求する。ダンテが挑発すると、男は試合に参加した。男はダンテにタックルを浴びせ、ボールを遠くまで飛ばす。予備のボールが無いので、試合は終了となった。

 ダンテが店の電球を交換していると、眼鏡の男が来てトイレを貸してほしいと頼んだ。従業員専用だとダンテが告げると、男は「少しだけ貸してほしい」と言うので承諾する。男が「痔があるので柔らかいトイレットペーパーがいい」と言って商品の使用を求めると、ダンテは承諾する。
 さらに男はトイレで退屈しのぎにポルノ雑誌を読みたいと言い、ダンテは呆れながらも差し出した。彼はランダルから、過去に関係を持ったジュリアがプールで脳卒中を起こして急死したことを知らされる。葬儀が今日だと聞いたダンテは、ランダルに店番を任せて行こうとする。しかしランダルが「俺も行く」と言うので、仕方なく店を閉めて車を出す。

 ジュリアの家に到着した2人だが、その5分後には逃走した。ランダルが棺を覗き込んで、死体が転がり出てしまったからだ。ダンテはランダルに腹を立て、ビデオ店に戻れと要求する。しかしダンテが雑貨店に戻ると、ランダルは全く反省せずに「車を貸してくれ。他の店へビデオを借りに行く」と告げる。
 ダンテは「店のルールに従って、閉店まではいなきゃならない」と言うが、ランダルは全く賛同しない。男性客が来てタブロイド紙の記事について話し始めると、ランダルは顔に唾を浴びせた。ダンテは慌てて謝罪し、客は憤慨して立ち去る。ランダルは非難されても自身の行動を正当化し、ダンテは呆れながら車のキーを貸した。

 ジムのトレーナーが客として現れ、ダンテに「体を絞るべきだ」と告げる。男は新聞を買いに来た女性に声を掛け、「彼の体は絞れてると思う?」と巻き込む。ダンテが迷惑そうな様子を見せても、男は構わずに名刺を渡して「プログラムを組んでやろう」と口にする。そこへ衛生局の局員が来て、ダンテに「朝からずっと店にいましたか」と質問する。
 女がケイトリンの友人であるアリッサの妹のヘザーだと知り、ダンテは興奮する。男はダンテに、まだケイトリンと付き合っていた頃に自分も寝ていたと明かした。ダンテはショックを受けるが、ヘザーは「みんな知ってたよ」と軽く言う。

 局員はダンテに違反切符を渡し、罰金の支払いを通告する。局員は児童に煙草を売ったことを指摘し、その母親が抗議の電話を掛けたのだと説明する。ダンテは知らなかったが、彼が目を離した時、ランダルが4歳の女児に煙草を売っていたのだ。しかしダンテが「ずっと店にいた」と主張したため、罰金の支払い義務は彼にあった。
 ダンテがイライラしているとケイトリンが現れたので、新聞の記事について問い詰めた。するとケイトリンは、プロポーズされて「考えてみる」と答えただけで、母親が勝手に情報を流したのだと説明する。

 ケイトリンはダンテが落胆しているだろうと思って来たのだと言い、まだ勉強したいから結婚するつもりは無いと明かす。「俺こそが結婚したくない理由だろう」とダンテが言うと、ケイトリンは呆れて「貴方に夢中なら他の男とセックスしない。誰とも結婚したくないの」と告げる。
 ダンテはデートに誘い、ケイトリンが「3年ぶりに会って浮かれてるだけよ」と告げても執拗に口説く。ケイトリンが「いいわ、貴方のエゴを満足させてあげる」と承諾したので、ダンテは喜んだ…。

 脚本&監督はケヴィン・スミス、製作はケヴィン・スミス&スコット・モシャー、撮影はデヴィッド・クライン、編集はスコット・モシャー&ケヴィン・スミス、 音楽監修はベンジー・ゴードン。

 出演はブライアン・オハローラン、ジェフ・アンダーソン、マリリン・ギリオッティー、リサ・スプーノアー、ジェイソン・ミューズ、ケヴィン・スミス、スコット・モシャー、スコット・シャッフォ、アル・バーコウィッツ、ウォルト・フラナガン、エド・ハップスタック、リー・ベンディック、デヴィッド・クライン、パティージーン・シック、ケン・クラーク、ドナ・ジャンヌ、ヴァージニア・スミス、ベッツィー・ブルサード、アーネスト・オドネル、キンバリー・ロッホラン、ゲイリー・スターン他。

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 ケヴィン・スミスが23歳で撮ったデビュー作。カンヌ国際映画祭のユース賞&メルセデス・ベンツ賞、サンダンス映画祭の映像作家賞、ドーヴィル映画祭の観客賞を受賞した。TVアニメ化やコミック化を経て、続編映画も作られた。
 ダンテをブライアン・オハローラン、ランダルをジェフ・アンダーソン、ヴェロニカをマリリン・ギリオッティー、ケイトリンをリサ・スプーノアー、ジェイをジェイソン・ミューズ、ボブをケヴィン・スミスが演じている。

 リチャード・リンクレイターが1990年に発表し、翌年のサンダンス映画祭でグランプリにノミネートされた『Slacker』に影響を受けて製作されている。この映画を作るために、ケヴィン・スミスは持っていたアメコミ雑誌を売却して資金を工面した。
 彼がオタクであることは、ファンなら良く知っているだろう。アメコミが大好きなオタクにとって、それを売り払うってのは相当の決意だ。オタクとしての大事なコレクションを売り払ってでも、「それよりも映画を作りたい」という気持ちの方が上回ったってことだ。

 ケヴィン・スミスのオタク魂は、この映画でも『スター・ウォーズ』シリーズに関するダンテとランダルの会話シーンで顕著に表れている。そこで『スター・ウォーズ』シリーズについて会話を始めるのは、何の脈絡も無い。
 ランダルなんて「映画は見ない」とビデオ店で全く興味が無さそうに言っている奴だし、ダンテにしてもそうだが、そこまでにオタク的な匂いは皆無だった。でも、流れなんて完全に無視してでも、大好きな『スター・ウォーズ』シリーズのマニアックなネタを盛り込みたかったわけだ。

 そんな『スター・ウォーズ』シリーズに関する会話の具体的な内容に少し触れておくと、『帝国の逆襲』と『ジェダイの帰還』、どっちが好きかとランダルが質問する。ダンテは『帝国の逆襲』と答え、「災難続きだけど、エンディングがいい」と理由を告げる。『ジェダイの帰還』については、「ただの人形劇だ」と評する。
 ランダルは「初めて気付いた。デス・スターを2つ作るけど、最初の奴は反乱軍に破壊される。2つ目は作っている途中で壊される。1つ目を作ったのは帝国軍だから、悪者にバチが当たるだけ。でも2つ目は大勢の職人が雇われてたはずだ。罪も無い職人たちが犠牲になった」と語り、そこに客が参加するという流れだ。

 ただし、オタク色の強いシーンは、その会話に限定されている。では他の部分は何を描いているのかというと、「無駄話と下ネタ」で大半を占めている。動きのあるシーンは屋上ホッケーだけで、それ以外は「雑貨店とビデオ店、店の前の路上における会話」の様子が描かれる。
 なので全体をザックリと説明するなら、「冴えない野郎どもが過ごすボンクラな日常風景のスケッチ」である。それ以上でも、それ以下でもない。特にドラマティックなことは何も起きないし、ストーリー性も乏しい。

 いっそのこと、ずっと雑貨店のシーンだけで構成した方が徹底されていて良かったんじゃないかと思う。せめて雑貨店とビデオ店の2つに限定した方が、いわゆる「シチュエーション・コメディー」みたいな感じになって良かったんじゃないか。
 車でジュリアの家へ行くシーンとか、屋上でホッケーに興じるシーンとか、そういう「動き」とか「外への広がり」を見せてしまうことは、この作品では大きなマイナスに働く。それよりも、「小さく閉じられた世界」にしておいた方がいい。

 粗筋では触れなかったが、スケッチの途中では幾つかのタイトルが表示される。最初は「Dante」で、ジェイ&ボブやランダルが登場するシーンも同じように名前がタイトルとなっている。ダンテが開店準備を済ませると「Vilification(悪口)」のスケッチになり、ダンテとランダルがケイトリンについて話すスケッチは「Syntax(統語論)」と付いている。
 ちなみにダンテの働いている店は「コンビニ」と説明されている場合が多いが、看板の文字が「grocery(グロサリー)」なのでちょっと違う。

 ダンテはランダルが指摘する通り、いつも引き下がっている。彼は何かに付けて愚痴ったり不満を吐露したりするが、すぐに妥協したり受け入れたりする。自分はランダルと違ってちゃんと仕事をしていると主張するが、適当にサボったり、屋上でホッケーを始めたり、店を一時的に閉めて出掛けたりする。
 ランダルをマトモに批判できるほど、真面目に仕事をしているわけではない。そりゃあランダルはクズみたいな野郎だが、ダンテもそんなに立派な奴ではない。

 終盤、ランダルは不平不満をこぼしまくるダンテを非難し、彼の問題点を正確に指摘する。「お前は人生を良くしようとしない。惨めな状況を愚痴ってばかりだ。自分の状況に責任を取ろうとしない。この仕事や客や休日出勤が嫌なら、辞めればいい。仕事なら他にもある。それは楽だからだ。人生を変える努力をすれば、自分の閉じ篭もった世界が壊れる。俺は現状に満足だから愚痴は言わない。ヴェロニカのこともそうだ。高校時代の恋人であるケイトリンを理想化してる。2人の間を行ったり来たりするな。お前は臆病だな」と語る。
 しかしダンテは納得できず、「俺は人生を変えられない」と言う。「変わる気力が無いから、惨めなまま、じっとしてるのか」とランダルが話すと、彼は「俺は秩序を乱したり出来ないタイプなんだ」と口にする。

 ジェイ&サイレント・ボブは、後の『モール・ラッツ』『チェイシング・エイミー』『ドグマ』『クラークス2 バーガーショップ戦記』にも登場する。これらの映画は、「View Askewniverse」と称される同じ世界観で作られている。この映画のメインはダンテとランダルのコンビだが、たまにジェイとボブが登場する。彼らとダンテは、終盤まで全く絡まない。そしてサイレント・ボブは名前が示す通り、全く喋らない。
 しかし映画も終わり近くになり、ジェイとボブは雑貨店を訪れてダンテと少しだけ絡む。そして、そのシーンでボブが一言だけ喋る。ヴェロニカと別れてケイトリンとヨリを戻そうと考えているダンテに、「綺麗な女は星の数ほどいるけど、ラザニアは持って来てくれない。美人は浮気ばかり」と告げる。

 そんなボブの言葉で、ダンテは「ヴェロニカを愛してる」と考え直す。ところがランダルがヴェロニカに「あいつは君じゃなくケイトリンを愛してる」と教えたため、ダンテは彼女に激怒されて捨てられる。その日に起きた数々のトラブルについて、ダンテはランダルに「お前のせいだ」と怒りをぶつける。
 しかしランダルが「何でもかんでも他人のせいにして。誰がホッケーのために店を閉めた?誰が店を閉めて葬儀に行った?誰が元カノにちょっかい出した?責めたいのなら自分を責めろ。今日は休みだったって、自分の意志で来たんだろ。お前は猿でも出来る仕事を大きく考え過ぎてる。いつでも誰でも俺たちの代わりは出来る」と指摘すると、冷静になって受け入れる。ランダルは厄介な奴だが、その指摘は正しいのだ。

(観賞日:2018年10月10日)

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